『低音とノイキャンだけじゃないBoseの意欲作』 Bose QuietComfort Ultra Earbuds [ブラック] HI_002さんのレビュー・評価

	?と比較するとかなり小さくなりました

【デザイン】
?と基本的には変わりませんが、フェイスプレートが金属調の質感になりました。私は?からの乗り換えなので本体とケース共にかなり小さくなって好印象です
【高音の音質】
最近のBoseはかなりバランスの良さを意識した音作りですね。解像度、量感ともに十分であり、低域一辺倒のBoseのイメージとはかなり異なります。シンバルなどの金物はシャリつくことなく音場へ広がり、加えてこれまでのBoseが苦手としていた女性ボーカルやボーカロイドなども違和感なく再生できるようになりました。それでもモニター寄りのWF1000XM5などには未だ解像度でやや劣り定位も少し近めですが、十分対抗できうるレベルまで向上しているため、「低音は好きだけど籠ってるのは…」というような人にもおすすめできます
【低音の音質】
低音はBoseらしい深みのある質感で、楽曲を下から支える厚みがありながら息苦しさを感じさせない絶妙なセッティングです。むしろベースラインのうねりやバスドラムなどの低域が音場に広がることで空間の広さが際立ちます。低域に関しては文句なしです。流石Bose
【空間オーディオ】
新機能のイマーシブオーディオ、いわゆる空間オーディオですが、こちらのクオリティがかなり高く、以前のBoseARの失敗を見て「どうせおまけ程度だろう」と舐めてかかっていたのでかなり驚きました。
オンにすると音場が一気に広がり、それまでの頭内定位の状態から、音の広がりに頭打ち感の無い映画館やライブ会場のような、イヤホンから鳴っているとは思えない自然な音の広がり方をします。そして前方に音が定位するようになるため、音楽を聞けばまるでライブのように、映像を見ればまるで映画館のように変化します。なんちゃって空間オーディオにありがちな無理矢理残響感を増したような違和感もほぼ感じず、バッテリーを気にしなければほぼ常時オンでもいいんじゃないか…と思ってしまうクオリティです。
また、ヘッドトラッキングにも対応しているため、こちらをオンにすると左を向けば右から音が聞こえるし右を向けば左から音が聞こえる、というような本当に正面のステージからの音を聞いているようなリアリティが生まれ、非常に没入感を高めてくれます。
個人的には途方もない音場の広さが魅力的なので、イマーシブオーディオ機能は高頻度でオンにして使っています。クラシックなどとの相性が抜群です。
【フィット感】
?からはスタビリティバンドがズレにくくなった程度で大きな違いはないようです。従来のBoseのイヤーウィング付きイヤーピースをバンドとイヤーピースに分けて別体にしたような構造となっています。本体は?からするとかなり軽く軽快な付け心地ですが、正直?までのイヤーウィング一体型の方が安定感は高かったので少し残念です。ただし、WF1000XM5などのイヤーピースだけで支えるタイプと比べると未だ装着感の優位性は明らかであり、長時間付けていても耳に負担がかかりにくい快適な装着感です
【外音遮断性】
これは本当に素晴らしいです。WF1000XM5やAirPods pro2などと比較しても明らかに1段階上の効きです。先代で目立っていたホワイトノイズもかなり払拭されており、ほとんど無音の空間を作り出してくれます。正直ノイキャン性能重視ならこれ一択です
【音漏れ防止】
私は音量が大きめなのですが、今のところ家族や友人から指摘されていないのでおそらく優秀な方かと思われます
【携帯性】
ここに関しては?と全く同じサイズなので少し大きめではありますが、厚みは薄く、携帯性は悪くないです。?を使っていた身からすれば十分小型で使いやすいです
【総評】
ノイキャンと低音一辺倒だったこれまでのBoseとは異なり、ノイキャンを磨き上げサウンドもboseらしさを残しながらバランスを意識した物へと進化を遂げつつ、空間オーディオやマルチポイント接続にも対応(予定)であり、イヤホン単体で全ての操作が行えるユーザービリティの高さなど、Boseファンでなくとも勧められる製品へと仕上がっています。
ただし?と同様、かなり低減されてはいるもののプー…というような通信ノイズが稀に聞こえたりアップデートで改善してほしい点はあります。しかし、それを補って余りある魅力が数多く備わっているため、良質なワイヤレスイヤホンが欲しいという方には私はこのイヤホンを強くお勧めします。