『オーディオ機器としても、ウエアラブル機器としても微妙です。』 パナソニック Technics EAH-AZ80-K [ブラック] カズヒロ＠大阪さんのレビュー・評価

発売日購入で、平日、休日ともに使いました。
私はブランドやネームバリューなど左右されず純粋に使いやすさだけを評価します。

■音質
今となってはTWSの音質なんてどうだっていいし、なんとかなる派ですが
それでも、このサウンドには驚きました。とくかく迫力が無い。何か一枚膜がかったような音で、
特に低音が無い。ドムドムしてほしいのではなく、キレのあるズダ！っていう低音が無いんです。
だからEQで頑張っても例の膜が厚くなるようなブーストがされます。
高温はわりかしキレイ。それは膜により刺さらないからだと思う。
使ってたら変わるのかな？・・・って思いますが・・
あと、シンプルにボリュームが小さい。

■ノイズキャンセリング
とにかく雑。余裕を持ってノイズを除去しているのではなく、余裕がなく必死。
だから場所によっては効き方がちらほら変わるし、効かない事も多い。
強いとか弱いじゃなくて、苦手なノイズ域が割りとあって、特に低音ノイズが苦手です。
船に乗って釣りをするのですが、その際、船のアイドリング音を静かにするためにTWSをつけっぱなしにします。で、AZ80はこの船のアイドリング音をほぼ除去出来ませんでした。
必死で除去しようと頑張りますが出来ずに逆に謎のガーガーサウンドを生みます。
一方、それまで船用に使ってたAnkerのA40はキレイに”余裕を持って”ス・・っとアイドリング音を制御してくれます。
平日の私生活でも、低音ノイズが苦手なので、いろんな音が消えたり聞こえてきたりします。
褒めてる人もわかってるはずです、ここは。駅構内なんて特にね。
電車の通過がわかりやすいです。あの通過音で消せない音域が露骨にわかります。逆にうるさい。
全部ある程度制御して当たり前の時代です。

■通話性能
これもね、なんか必死なんですよ。余裕がない。通話ノイズ除去を必死で頑張ってる
だから、ノイズ除去したり、できなかったり、声飛ばしたり
ずっと必死なのです。
一方、LIBERTY4みたいに、どんな状況下でも、「余裕を持って」なんでも来いぐらいに
通話ノイズを除去して相手に声だけを届ける、という感じではないのです
ずっと必死。で途切れ途切れ。こんなもん、ビジネスシーンでは無理です。
出張時の移動中の電話で快適じゃないのは論外です。アップデートに期待したいところですが
このギリギリな感じ、必死な感じから、余裕系通話にはならないでしょうな。

■タッチ操作
これは良い。誤作動もなく反応速度もちょうどよいです。

■装着感
軽くつけたいならよい装着感。密閉したい人は要注意です。
負荷が外にかかってるウエイトバランスなのか、大きめのイヤピで密閉したときに
ぶら下がり系の装着感になってしまう人いるかもしれません。痛い・・。
でもそうしないと、この機種は露骨にノイズキャンセリング精度が落ちますし
音質も担保できません。

■ケース
これも良いです。普通のケースですが充電ミス、設置ミスは一度もありません。

■総評
TWSに求めることってなんですか？音質ですか？
もちろん音質は重要です、多少満足できなくても、使うことはできます
TWSに不満が出る部分は音質ではなく、「ワイヤレスならではの部分」にストレスがある事です。
かかってきた電話がまともに会話出来ない、バッテリーが速い、ANCが微妙
装着していることがネックになる事がいかに優れているかが長く使えるTWSだと思います。
AZ80は残念ながら、このワイヤレスならではの部分が弱い。
弱いというか、価格と比較したときにあまりにも足りないし、雑。

音の迫力、音量、通話性能、ANC
何一つLiberty4に勝てていませんし、その差も結構大きいです。
もちろん、価格が同じだとしてもLiberty4が勝ってます。
これが日本企業の限界なんでしょうかね・・。
唯一、3マルチポイントは勝ててますね、とても便利です。

音質を求めて買う人は、好みの問題なのでお任せします。
ただ、通話や利便性、ノイズキャンセリングなど、ウエアラブル機器として
より良いものを求めて買うのなら再検討が必要です。
この部分だけは視聴ではわかりませんからね。

よくよく考えて購入なさってください。