『ここまで無線イヤホンが進化していたとは……?』 パナソニック Technics EAH-AZ80-S [シルバー] 彼方此方さんのレビュー・評価

かなり以前ですが、SONYのMDR-1R（有線先オーバーヘッドホン）を購入した際に無線のヘッドホンも比較検討しました。また同社のNW-ZX300（ウォークマン）購入時も、無線イヤホンを検討しましたが、選んだのはXBA-N3BP（カナル型有線イヤホン）とMUC-M12NB1（バランス接続ケーブル）でした。時期は全然違いますが、比較した結果、有線の圧勝でした。もちろん聴覚や感性などに個人差はありますし、価格の高低≒性能差がありますので、絶対的な評価ではありませんが。
こういったわけで、長らく有線イヤホンには無関心でどのようなもの・機能があるかは知りませんでした。

それが今回、職場の同僚に触発され、我慢できずに散財する羽目になりました。
結果、無線イヤホンの凄まじい進化ぶりを体感することになりました。なんだこれ、いつの間にか刀剣が機関銃に進化してい、自転車こいでいたのがシャトルで宇宙遊泳している、とは過言かもしれませんが、とにかく驚きました。
有線とほぼ変わらない、比較対象によっては無線の方が優れていると感じました。
なお購入前に比較したのは多くの方々もされている、SONYのWF-1000XM5です。
個人的には甲乙つけがたかったのですが、Technics EAH-AZ80の方が音楽の各楽器の分離感が良かったかと思います。また特に歌手の歌声が、より聞こえました。加えてWF-1000XM5は側面がつるつる？していて、落としそうな感じがあったのでいけないなと思ってしまいました。ただ低音はWF-1000XM5の方が優位でした。
上手くない喩で申し訳ないですが、曲を聴いて両者に感じたのは、Technics EAH-AZ80は怜悧・湖面の麗人・月のよう、SONY WF-1000XM5は重厚・豪壮な王者・太陽のような印象でした。
購入後は「ケースを充電？、中のイヤホンは入れた状態で別途充電？、アプリで管理・操作？」と、頭の中が？？？と驚きで満たされました。進化がすごい。

【デザイン】
高級感があり、よろしいかと思います。
ケースの上蓋もアルミ削り出しということで、本体同様に高級感はあります。が、自分は汚したくない・落下時などの傷防止のためシリコンのカバーを付けています。
個人的にはケースにイヤホンを入れる際の、スポッ・カチッ感といいますか、シンデレラフィット感といいますか、えもいわれぬ快感です。マグネットをうまく使った功績でしょうか。
【高音の音質】
文句なしです。
高音に限らずですが、イコライザの設定で個人個人にあった設定は可能ですので、合わなかったり物足りない場合は調整できます。
【中音の音質】
このイヤホンの特筆すべきは、ここですね。
楽曲であれば歌手の歌声、映像であれば俳優・声優の音声。これが高音や低音、BGMを響かせながらも見事に聞こえ、購入の決め手の一つになりました。
【低音の音質】
不満はありませんが、先に挙げた通り、重低音が好きな方にはWF-1000XM5などの方がよろしいかと思います。
【フィット感】
耳に快適に収まるフォルム、コンチャフィット形状ということで、きちんと収まります。激しい動きなどをしない限りは、落ちないと思います。
一方で、個人的には長時間の装着はきついです。5〜6時間ほどつけてみましたが、何度かはずしました。痛いまではいきませんでしたが、長時間装着に関しては他社製品の方が優位なものがあるかもしれません。
ただイヤーピースが数多く用意されているだけでなく、初期設定で個々人にあったイヤーピースの提案をしてくれるのはすごいと思いました。
【外音遮断性】
こちらもほかの方が評していましたが、WF-1000XM5のノイズキャンセリングの方が優れていますね。EAH-AZ80がダメなわけではありませんが、強力にすればするほどホワイトノイズが酷くなり、イヤホン本来の音を聞かせることを妨げています。
【音漏れ防止】
ぼっちなので、比較できません。無評価ですが、たぶん漏れていないのではないでしょうか。
【携帯性】
無線なので、まったく問題はありません。
ただ他社製品の方が、ケースが薄い・小さいなどはあろうかと思います。
【その他、つらつらと】
10?アルミ振動版、アコースティックコントロールチャンバー、ハーモナイザーによって高音や中音・低音の広がりや奥行を見事に表現されています。LDACにも対応していますので、より良い音質も体感できます。iPhoneは未対応ですが、それでも良い音を聞かせてくれます。NW-ZX300などでは文句なしですし、純粋に売り文句の通りなのだろうな、と体感しています。
トランスペアレントモードで外音取り込みが可能ですが、当然未装着時の聞こえ方とは違いますし、レベル調整はできても音量によっては意味はなさないので、過信はよろしくないかと思います。
3台マルチポイント接続ができますが、LDAC接続は2台設定時だけです。しかしペアリングは10台までできますので、必要十分でしょう。
携帯電話の通話時などもJustMyVoice・ビームフォーミングの両機能で、声が聞き取り易いようです。ただこちらに関しては、うまく体感できなかったので当方未確認です。
ワイヤレス充電「Qi」対応機器があれば、気軽に充電ができそうですが、現時点で自分は必要性を感じていないので未経験です。
バッテリーは音量を大きくしたLDAC接続で、12時間ほど持ってくれた方がよかったかです。実際にはイヤホン本体のみでは5〜6時間ほどでした。
防塵防滴ですが、こちらも同様の他商品と同じく、過信は禁物です。
イヤホンを外すと音楽も一時停止になる装着センサーがありますが、STR-AN1000に接続してPC越しにAmazonmusicを聞いた際には機能しなかったようです。iPhone越しのAmazonmusicでは機能したので、機器の違いなのかもしれません。

最後にご参考までに、レビューを書く前に試聴したものをいくつか。
男たちの大和/YAMATO　（映画）
魔法使いの夜　（ゲーム）
狼と香辛料　（アニメ）
キミガタメ 2016　Suara　（音楽 DSD 2.8MHz/1bit）
フォートナイト　テイラー・スウィフト　（音楽 Amazonmusic ULTRAHD）
Five　深澤秀行/魔法使いの夜 OST　（音楽 FLAC）