UltraGear 45GR95QE-B [44.5インチ]
- 有機ELパネルの採用で240Hzと応答速度0.03ms(GTG)の速さを実現した、3440×1440解像度の44.5型曲面ウルトラワイドゲーミングモニター。
- 明るさを調整する「ブラックスタビライザー」、遅延を最小限に抑える「DASモード」、画面端にフレーム/秒を表示させる「FPSカウンター」を搭載。
- AMD FreeSync Premiumテクノロジーに対応。ちらつき(ティアリング)やカクつき(スタッタリング)を軽減し、なめらかな映像表示を実現。
モニタサイズ:44.5型(インチ) モニタタイプ:ウルトラワイド 解像度(規格):UWQHD(3440x1440) パネル種類:OLEDパネル 表面処理:ノングレア(非光沢) 入力端子:HDMIx2/DisplayPort1.4x1
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- PCモニター・液晶ディスプレイ 419位
- ゲーミングモニター 168位
VRRを有効化すると本機のリフレッシュレート表示が事実上のフレームレート表示として機能する
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画面サイズ×アスペクト比ごとの横幅、縦幅、面積の一覧 |
筆者私物のデジタル顕微鏡で撮影した本機の画素写真 |
本機の白色光のスペクトラム。白色有機EL方式のため赤と緑の分離感は弱め |
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60Hz入力遅延は7.6ms。60fps換算で0.45フレームの遅延 |
PS5入力時の映像出力情報。VRRは48-120Hz |
「バイオハザードRE4」を本機でプレイしつつ、ゲーム実況をしている様子 |
2024年モデルの「45GS96QB-B」が発売中だが、あえてこのタイミングで「45GR95QE-B」をレビューしたい。
「PCゲームはウルトラワイドモニターでプレイする」を信条に掲げている筆者は、主にアスペクト比32:9の49インチのウルトラワイドモニターを中心に活用してきたが、最近は、21:9でも45インチであれば、32:9の49インチと肩を並べるくらいの没入感が得られることに気が付き、21:9でゲームをプレイすることも多くなってきている。
思い返せば昨年2023年6月。
評価の仕事で45GR95QE-Bに出会い、それを終えてメーカーに返却するも、あの画質と没入感が忘れられず、もう一度、使いたくなってしまい、再び借り直して現在に至る。
ちなみに、昨年の評価の様子はこちらにまとめてある。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/dg/1511979.html
前回の評価時は、数週間の貸出期間であったが、今回は、長期に貸してもらえたので、本稿では、昨年の評価では見えてこなかった部分などについて言及していくこととしたい。
▼なぜ21:9は45インチ(以上)が最良なのか
ちなみに、筆者は、32:9のウルトラワイドモニターとしては、現在、「49GR85DC-B」を使っており、このモデルはゲームプレイ時、素晴らしいサラウンド感、没入感を実現してくれているが、1つだけ不満な点があった。
それは縦方向の高さがやや寂しいという点。
49インチの32:9は左右の広がり、すなわち横方向のワイド感は凄まじいのだが、上下方向はもう少し高さが欲しいと感じることが出てきたのだ。
たとえば、ホラーゲームで「洞窟のような閉塞空間」を探索するシーンでは、自分の視界の左右を支配する岩壁の広がりに不満はないのだが、洞窟の天井から垂れ下がる鍾乳石はもう少し画面の高い位置に表示されていれば閉塞感が増すのにな、と思ってしまう。
実際、サムスンは、このあたりの要望に応えるべく、2023年に、これまでよりもだいぶ大きい57インチの32:9のウルトラワイドモニターを発表・発売した。
それがG95NC型の「Odyssey Neo G9」である。
サムスンは2007年に日本市場から撤退しているので、これを正規に日本で手に入れる術はない。
似たようなモデルが台湾メーカーから出てくる見込みではあるが、直近で57インチの32:9のウルトラワイドが日本で発売されることはなさそうなので、57インチの32:9モデルを除外すると、ウルトラワイドモニターで、49インチの32:9モデル以上に縦方向に画面が大きく広がっているのは、45インチの21:9しかないのである。
上に、各画面の大きさごとの画面寸法(本体サイズではなく画面の表示寸法)をまとめた図表を示す。
この図表をよくみると色々なことが分かってくる。
まず、45インチの21:9は、縦幅(高さ方向)は450mmもあり、49インチの32:9の337mmよりも+34%も大きく、57インチの32:9の392mmよりも+15%も大きいことが分かる。
しかも、一般的な16:9のモニターサイズである27インチや32インチよりも、45インチの縦幅は大きいのだ。
21:9とはいえ、45インチの21:9の画面の横幅は、49インチの32:9の88%もあるのだ、
また、面積比で見てみると、45インチの21:9の画面は、49インチの32:9よりも+17%大きいという事実も興味深い。
水平画角的には49インチの32:9の方が大きいが、画面サイズとしてみれば、45インチの21:9の方が大きかったのである。
ちなみに、2024年6月現在、市場に45インチより大きい21:9のウルトラワイドモニターは存在しない。
49インチの32:9の横幅1198mmクラスの21:9を逆算すると、画面サイズ的には51インチくらいになるわけだが、将来的にはこのクラスが出てくるのだろうか。
もしその時には、解像度をせめて3840×1600ピクセル、ないしは5120×2160ピクセルあたりに増強してほしいものだ。
▼ゲームプレイに最適なのは21:9の45GR95QE-Bか、32:9の49GR85DC-Bか
この半年ほど、49インチで32:9の49GR85DC-Bと、45インチで21:9の45GR95QE-Bを使い比べて気が付いたことがある。それは、ゲームジャンルごと、ゲームタイトルごと、あるいはゲームの局面ごとに、これら2台を使い分けると、ゲームがより楽しくプレイできるようになる…ということだ。
まず、ロボットアクションゲームの「アーマードコア6」は、多くの敵が左右に素早くダッシュして自機の後ろに回ろうとする序盤から中盤までは、32:9の49GR85DC-Bがプレイしやすかった。しかし、ブーストゲージを長く使いこなす敵ロボが多くなる中盤以降は、敵ロボがジャンプを多用するようになるので、高さ方向に画角が広くなる21:9の45GR95QE-Bが圧倒的にプレイしやすかった。
また、同じレーシングゲームでも、32:9と21:9で印象が変わるのが面白い。
まず、競技性の高い「FORZA MOTORSPORT」では、コーナーの奥の奥が見やすく、なおかつ自車とデッドヒートを繰り広げる敵車の位置関係が掴みやすい、32:9の49GR85DC-Bとの相性が良かった。
しかし、「FORZA HORIZON 5」では、21:9の45GR95QE-Bの方がプレイしていて楽しかった。理由は、高さ方向の描画範囲が広がるため、メキシコのダイナミックな空模様が迫力満点に大きく表示されるため、臨場感が増したから。
あと、最近プレイしたホラーテイストの強い「ヘルブレイドI」「ヘルブレイドII」は、アスペクト比率や画面サイズうんぬんよりも、有機ELの漆黒表現が素晴らしく、有機ELの45GR95QE-Bでのプレイが最高にしっくりときた。
かなり贅沢な使い分けとなるが、参考にして欲しい(笑)
- 比較製品
- LGエレクトロニクス > UltraGear 49GR85DC-B [48.8インチ]
- LGエレクトロニクス > UltraGear 45GS96QB-B [44.5インチ]
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