刺さる人には刺さるオールラウンドな望遠マクロレンズ
ひとまず初日のファーストインプレッションを掲載しています。
これまでに30mm F3.5や60mm F2.8をはじめ、APS-Cやフルサイズのマクロレンズの使用経験あり。
【デザイン】
●質感
従来のPROレンズと比べるとプラスチックパーツを使用している部分が多く、少し安っぽい印象を受けます。フォーカスリングの感触や操作した時のざらつきを含めて、価格を考慮すると購入体験としてはややマイナス。
●箱
OM-5と同じく、従来の黒を基調としたデザインから一新されています。
非常にシンプルで、高級感は皆無。
●三脚リング
このレンズに三脚リングは付属しておらず、対応アクセサリとして販売もされていません。
しかしながら、40-150mm F2.8 PRO用の三脚リングを装着可能。脱落する可能性がゼロとは言えませんが、しっかりと装着できるので特に心配はしていません。
【操作性】
●フォーカスリング
抵抗感はほとんどなく、緩めです。操作時にざらつきがあり、他のPROレンズと比べると滑らかさが劣ります。クラッチ時の距離表示に連動した操作性は便利ですが、フォーカスリミッタ−の影響を受けます(後述)。
●AFリミッター
等倍~無限遠・等倍~0.5m、2倍~0.5mの3系統を利用可能。
フォーカスリミッターはMFにも作用し、MFクラッチで距離表示と連動する場合でもリミッターによる制限を受けます。
【表現力】
●解像性能
ピークの性能はPROズームレンズ並みですが、中央から隅まで一貫した性能を得ることができます。
●色収差
2種類の色収差はどちらもよく抑えられています。
細部を確認したり、ハイレゾショット時はいくらか残っていることを確認できますが、実写ではほとんど目に付かないはず。ただし、テレコンバージョンレンズ使用時は少し増加します。
【携帯性】
マイクロフォーサーズ用のレンズとしては大きいですが、望遠2倍マクロレンズと考えると小型軽量です。プラスチックパーツを多用しているためか、目ためほど重くありません。
【機能性】
●AF
マクロ撮影時はそれなりに合焦速度が低下するものの、一般的な撮影ではキビキビと動作します。古いLUMIX機のコントラスト検出でも良好なフォーカス速度が得られました。テレコンバージョンレンズ装着で4倍マクロ時もAFでピントを合わせることができるのは凄い。
●手振れ補正
効き目の良い光学手振れ補正を搭載しています。
このため、ボディ側に手振れ補正の無いLUMIX GM1やGF10との相性が良好。
ネタではなく、普通に使えそうなくらい補正効果が高い。
【総評】
唯一無二の望遠マクロレンズです。
解像性能だけで言えば驚くほどの結果ではありませんが、均質的でマクロレンズらしい結果を得ることができ、2倍マクロ、効果的な手振れ補正、テレコン対応、IP53の防塵防滴などなど、機能的なレンズに仕上がっています。ニッチなレンズですが、刺さる人には刺さるオールラウンドな望遠マクロレンズです。
実使用でこれと言った欠点は見当たりませんが、高級感皆無の箱や、外装のプラスチッキーな質感は販売価格を考慮すると残念でした。
ブログにてレビューを連載中です。
https://asobinet.com/tag/m-zuiko-digital-ed-90mm-f3-5-macro-is-pro-review/
Flickrにてオリジナルデータを公開しています。
https://www.flickr.com/photos/145268771@N04/albums/72177720306248753
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