NW-ZX300からの買い替え
NW-ZX507には全く興味がなかったが、こちらの機種には様々な意味で興味がわいた。
【使用環境】
アンバランス:PHILIPSのFidelioX2と純正ケーブル、PioneerのSE-MASTER1にSONYのMUC-M12SM2(3.5mm)を接続して使用。
バランス接続:同じくSE-MASTER1にSONYのMUC-M12NB1(4.4mm)、MUC-M12SB1(4.4mmKIMBER)を接続して使用。
Bluetooth:SONYのWF-1000XM4、TechnicsのEAH-AZ60、それぞれをLDAC接続優先(自動)で使用。
【デザイン】
価格がNW-ZX300に比べ大幅に値上がりしたが、デザインは価格相応にNW-ZX300より高級そうなデザインになり、そこに心ひかれた。
ヘッドホンジャック部分が角ばっているのはやはり気になる。
液晶画面をカセットテープ画面(なかなかリアルな動画)へ切り替えることができるが、アナログレベルメーター画面、スペクトラムアナライザー画面、デジタルピークメーター画面がなくなったのは残念。
【携帯性】
持ち歩くには若干重く、サイズも大きくなったが、Yシャツの胸ポケットにぴったり納まるサイズで、それほどの負担も感じずに普通に携帯している。だが、横幅が広くなったので同時にペンを胸ポケットに差す余裕はない。
【バッテリー】
残量が少なくなってきたと思ったときに忘れず充電していれば、2、3日Bluetooth接続でも通勤時のみの使用であればバッテリーが切れることはまずない。長時間家で音楽鑑賞するときはバッテリー残量を画面表示できるよう設定し、画面を見てバッテリーが減ってきたなと思ったらUSB Type-C端子で電源に接続しながら使用している。「いたわり充電」に設定すれば残量94%くらいで充電はストップする。
【音質】
NW-ZX300も音質はすこぶる良かったが、それをさらにクリアにした感じ(高域寄りになったという意味ではない)。NW-ZX300とは周波数特性が異なるのか、NW-ZX300では気づかなかった音があることに気づいてハッとすることがある。
音質面で最もありがたかったのはBluetooth接続時にも本体のイコライザーが使えること。NW-ZX300ではBluetooth接続時には本体のイコライザーが無効になったので、イヤホンのアプリ側で音質を変更するしかなかった。ただ、本体のイコライザーの効きがNW-ZX300に比べ全帯域に渡って繊細ではあるが弱い気がする。NW-ZX300の方がイコライザーで大幅に音質を変えることができ、大雑把ではあったがそれはそれで良かった。
Bluetooth接続時に音が途切れる点だが、通勤電車の中でLDAC接続優先(自動)設定で使用しているが、音が途切れることはほとんどない。途切れる現象はイヤホン側に原因があることが多い。
【操作性】
スマホもタブレットもAndroidを使用しているので、特に操作に戸惑うことはない。ただ、NW-ZX707の音楽再生アプリ「W.ミュージック」使用時の画面で設定できる内容が、NW-ZX300の時よりも少なく、Bluetooth機器との接続など多くの設定をいちいちAndroidの設定画面に移動して行わなければならないのが少々まどろっこしい。
また、タッチパネルの感度がNW-ZX300やスマホよりも低いのか、スマホ用手袋ではなかなか反応しないことが多い。
【付属ソフト】
プリインストールされているSONYの「Headphones Connect」のアイコンと「W.ミュージック」のウィジェットが、WALKMAN のホーム画面で同時に表示できるので、SONYのTWS利用時に音楽を聴きながら同時に操作ができて便利。他社のイヤホン用アプリもインストールして同じように同時に表示することも可能なので、いちいちスマホに切り替えてアプリを起動する必要がない。
ストリーミングサービスは使わないのでよく分からないが、いくつかアプリがプリインストールされていて、ストリーミングを使用する人にとっても便利かもしれない。
楽曲を転送するPCソフト「Music Center for PC(Windows)」は相変わらず動作が重いが、長年使用してきているのでもう慣れた。
【拡張性】
NW-ZX300のときも64GBのmicroSDメモリーカードを増設して使用していたが、こちらもメモリーを増設できるので便利。
【総評】
AndroidウォークマンはNW-F800シリーズの時代に使用していた。当時は音楽配信もそれほど普及してはおらず、音楽プレーヤーにネット環境はまだ必須ではなかった。Androidウォークマンは今になってやっと時代が追い付いたような気がする。
NW-ZX507に全く興味がなかったのは、NW-ZX300にただAndroidを搭載しただけのように思えたからだ。しかし今度のNW-ZX707は違った。NW-ZX707は決して安価ではないが、プレーヤー部にこれだけのパーツを投入してこの価格に抑えられたのはMade in Chinaだからなのか(ちなみに、SONYの別売ヘッドホンケーブルはKIMBERも含めみんなMade in China)、しかしその完成度には価格以上の価値があるように感じた。かつてSONYは、世界最初のCDが発売されて2年後の1984年、まだCDプレーヤーが高価であった時代に、CD普及のため採算度外視で製造コストを割る低価格CDプレーヤーを発売したことがある(雑誌『stereo』2022年11月号掲載記事より)。NW-ZX707の位置づけに、それに近いものを感じた。
NW-ZX300は2018年5月から6年近く使用してきた。何度も床に落として傷だらけになりながらも一度も故障することなく、保護フィルムを貼っていないマット調の液晶パネルもそれほど汚れずきれいなままだ。しかし、そろそろバッテリーの寿命が心配になってきたので買い替えるチャンスは今だと思った。結果、正解だったと感じている。
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