許せるスマホサイズに最高峰の音質性能を凝縮!
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面積はスマホクラス |
スマホと比べると2倍くらいの厚さ |
端子部。デザイン評価は賛否分かれそう。 |
メーカーからサンプル機(メディア用)をお借りしてのレビューです。
「DUNU EST112」(イヤホン)を組み合わせて試聴しました。(φ4.4mmバランス接続)
【デザイン】
デザインには好みがあると思いますので、写真などを参考にご判断頂ければと思います。
質感ですが、筐体はアルミを切削加工したもので、主に側面はラインがシャープでキリっと上質な雰囲気。(前面はガラス、背面はラバー風素材で覆われています)
正面画面下の「SONY」ロゴが格好良く感じます。
【携帯性】
面積はスマホに近く、厚みが2倍程度の雰囲気。約227gで、重量的にはiPhoneに例えると14Pro(206g)と14Pro MAX(240g)の中間くらいです。
Walkmanの最新ラインナップとしては、音質を追求しつつも、一般的なユーザーが許容できる上限のサイズと重量感を意識しているように思います。
【バッテリ】
スペック表に記載の数値ですが、ハイレゾファイルとして標準的と言える「FLAC 96kHz/24bit」再生時で、最長 約23時間との事です。
待機状態(電源を完全にOffにしない状態)の消費は、無操作で48時間放置したところ、表示上25%減少しました。
【音質】
見た目はWM1シリーズのように尖った印象が無く、極めてノーマルな雰囲気ですが、音は上質さの中にもキラッと光るモノがあり、エンジニアの魂を感じます。
まず、一聴して分かるのは低音の質。非常に低く深い場所に確固たる土台があるかのように安定感があり、エネルギーに満ちた力強い音がグイグイを押し寄せます。これは、周波数特性的に盛った強調とは質の異なるもので、豪級のスピーカーで聴くような重みは別次元と言える雰囲気。信号処理回路やアンプ回路に加え、電源やシャーシといった物量も効いているようです。本機は持ち物としては少し大きくて重いですが、オーディオや音楽が好きな方なら、敢えてしっかりしたプレーヤー専用機を利用する価値を感じられると思います。
低域の音の出方に感心して後手になりましたが、もちろん中高域も高音質。何も無い空間に音が現れ、空間を自在に漂うような表現は極めて上質。魂を揺さぶる抑揚のダイナミックさや、超高域の突き抜ける感も爽快。今風に言えば心に刺さるシャリ感が絶妙で、沼に惹きこむ魅力がたっぷりです。
ほか、「DSEE Ultimate」は圧縮音源も広がりのある聴き易い音にでき、YouTubeなどもより楽しくなります。「バイナルプロセッサー」の躍動感も価値ある機能と言えます。
【操作性】
Android端末で、各種アプリをインストールして利用できます。液晶画面は5.0型で解像度も高く視認性良好。スマホと同様の感覚で使用できます。
【拡張性】
ヘッドホン出力はφ4.4mmバランスとφ3.5mmの2つを搭載。
WiFi接続して各種ストリーミングサービスが利用できるほか、Bluetooth出力はLDAC対応で「ハイレゾワイヤレス」接続も可能です。(aptX HDにも対応)
ほか、USB Type-C端子を搭載し、USB-DAC+ヘッドホンアンプとしての利用も可能です。
【総評】
フラッグシップとしてWM1シリーズが存在しますが、価格に加え重さや大きさを考えると、一般的な方が利用するには無理があると言わざるを得ません。本機は、音質を重視しつつも、実用性を考えると、現実解と言えると思います。音質面では、再生専用機として充分な性能を備え、コストパフォーマンスも良く感じます。長年技術を蓄積し、量産によってリーズナブルな価格を実現できる、ソニーの良さと言えるでしょう。サブスクリプションで音楽を流し聴きする風潮がありますが、高音質だと新たな発見もあります。音楽をより深く楽しみたい方にとって、大いに意義のある良い製品だと思います。