『Basic=最低限の機種、長持ちするか耐久性が心配』 SONY α7 IV ILCE-7M4 ボディ jqpd1115eerrさんのレビュー・評価

アルファ７IV、ISO100	アルファ７III、ISO100	アルファ７IV、ISO6400
アルファ７III、ISO6400	アルファ７IV、ISO12800	アルファ７IV、広角撮って出しJPEG

主に風景写真を撮影しています。動画は撮りません。
また、以下の様に上位機を使った事が無く、写真撮影は実質２年程の経験しかない初心者のレビューです。
貰い物のアルファ100で数年遊んだ後、
リコーペンタックスKPでカメラの性能の都合つまづき、
２年程前にアルファ７IIIでまともに写真撮影を始め、
今回のアルファ７IVを追加する形で手に入れています。

添付画像は、アルファ７IVとアルファ７IIIの画質比較用ですが、アップロード上限の都合、アルファ７IVはRAW→JPEGでファイルサイズを落としています。
レンズは全て、FE 24-105mm F4 G OSSにケンコー ZX PLフィルターを使用しています。
撮影順は、IV:ISO100→IV:ISO6400→IV:ISO12800→III:ISO100→III:ISO6400です。
ホワイトバランスは両方、晴天の状態です。
撮って出し用にタムロンの広角でのJPEGが30MB未満だったので、１枚付けています。

【デザイン】
見た目はアルファ７IIIの方がキレイにまとまっている気がします。
アルファ７IVは右肩にダイヤルが全て集中かつ露出している所に、静止画と動画切り替えレバーまで追加されたため、ごちゃごちゃしてキレイでは無い印象があります。

20万円程のアルファ6600やアルファ７cが背面まで金属ボディなのに対して、30万円超えなのに背面がプラスチックである事が、残念です。
加えて、プラスチックが、新排熱構造の背面から側面に熱を逃がす構造と相性が悪く、劣化や排熱効率の低下に繋がっており強いマイナス要素になっています。
室内で１時間３０分電源ONのままで撮影しましたが、熱を持っている事が分るくらい背面や側面が熱くなっていたため、２年目以降が不安になります。
特にモニター収納部分のプラは触った時の音から、かなり薄い印象なので膨らみなどの変形が怖いです。

【画質】
画素数よりも、色が前よりもスッキリと自然に近い印象で出ている結果、個人的にはより良い写真が撮れている気がします。
また、高ISOやダイナミックレンジが不安でしたが、アルファ７IIIより悪くなった印象は無く、十分優秀だと思います。

【操作性】
ダイヤルは、見た目を犠牲にして露出している分回し易いです。
用途が拡張された右端のダイヤルは、アルファ７IIIの露出ダイヤルより少し緩い程度の硬さで操作し易いです。

メニューはアルファ７IIIの縦並びから、横並びに変わっただけという印象です。
タッチパネルは画面が小さく操作し難いため、結局ダイヤルとボタンでの操作がメインになってしまう印象です。

静止画と動画切り替えレバーは、小さいボタンを押し込みロック解除しつつ回す必要が有り、かなり扱い難いです。

【バッテリー】
優秀です。
風景の静止画のみであれば、２〜３日の連続使用に耐えれます。
しかも、バッテリー60%程度でも寒い時(0度付近)に問題無く使えます。
室内で１時間３０分電源ONのままで60枚撮影の時でも、100%→60%しか減りませんでした。

【携帯性】
レフ機のAPS-C並みに小さく、レフ機のAPS-Cより軽いので携帯性は良いです。
しかし、グリップがでかくなり、厚さが増したためかバッグからは取り出し難くなった印象です。

【機能性】
メニューの全項目を見ていくと多くの項目が有って、扱いきれないです。
ひとまず、ボタンですぐにISOやホワイトバランス、露出、などが操作出来て便利です。

SDカードへの記録速度について、同じSDカードなのにアルファ７IIIよりアルファ７IVの方が書き込みが早いと感じます。これは、嬉しい誤算でした。

手振れ補正は、アルファ７IIIと比べ0.5段以上の効果を感じています。
大きな手振れに弱いのは変わらないですが、小刻みな、わずかな手振れに対してアルファ７IVでは対応出来ている印象です。

【液晶】
ファインダーは、想像よりもかなりキレイで見易いです。
アルファ７IIIにあったギザギザ感が無くなり、光学系のファインダーより見易いとすら感じます。

背面液晶は、撮影結果の確認ではキレイで必要十分です。
それでも、画面が小さい点はかなり残念で、試しにモニターを自分に向けて見てみましたが、姿形は分かっても表情は読み取れませんでした。

【ホールド感】
個人の差は有ると思いますが、グリップが深すぎて持つのに余計な力がいる印象です。
アルファ７IIIの方が取り出し易く、片手持ちが楽です。

【総評】
シャッター音について書く所が無かったので総評に書きますが、シャッター音はアルファ７IIIとほとんど変わらず、少しだけ小さくなり低音になった印象です。
滝の近くで撮影しても、聞き取れる程に音は大きいです。
また、シャッター音がほぼ変わらない事から、シャッターユニット自体もアルファ７IIIとほとんど変わっていないと感じます。残念でした。
耐久テストの結果が非公開という事もあり、シャッターについては他社より信頼性が低く、背面プラスチックと併せてアルファ７IVは使い捨てる消耗品という印象を受けます。

将来の上位機種(アルファ７c系統含む)のために、１スロットだけのCFexpress Type A対応、排熱を妨げる背面プラスチックボディ採用など変なコストカットをしている気がします。
そのため、今回のBasicという言葉に対しては、Basic=最低限という印象を受けました。Standard=標準には及ばない機種だと思います。

個人的な金額面での評価は、１年保証では高くても２５万円が限界という印象です。いくらセンサーや処理エンジンが良くても、長持ちしないのでは価値は下がります。
また、隣の芝生は青い面があるかもしれませんが、レンズ代が気にならない、動画が要らない人ならキヤノンのEOS系統を買った方が幸せになれると思います。
(今回のアルファ７IVが原因で、ソニーはシェアをキヤノンに奪われる気がします。)