『周辺の光量落ちは強いが、それ以外は満足のいくレンズ』 ニコン NIKKOR Z 28mm f/2.8 Special Edition とるならさんのレビュー・評価

単品での発売記念にレビューを更新します。レビュー内容と写真を新しくしました。

【操作性】

●フォーカスリング
このレンズ唯一のコントロールです。
硬質ゴム製の良好なグリップで、適度な抵抗で滑らかに回転します。
素早く回転すると90度のストロークでピント全域を移動可能。
個人的には180度くらいの大きなストロークが好みでした。

●その他
AF/MFスイッチなどは無いので、カメラ側での操作が必須です。
コントロールの多いカメラなら問題ありませんが、Z fcなどボタン数が少ないカメラでは少し面倒と感じます。

【表現力】

●解像性能
近距離から遠景まで、フレームの大部分は絞り開放からシャープです。小型軽量な広角レンズとしては驚くほど良好に見えます。遠景における像面湾曲の影響は見られません。
接写時は周辺・隅のパフォーマンスが低下するものの、Z 40mm F2ほど顕著な落ち込みはありません。マルチフォーカスが効果的に機能しているようです。

●ボケ
接写時は28mmのコンパクトなレンズとしては良好な描写に見えます。
少し撮影距離が長くなると、ハイライトが騒がしくなりますが、それでも許容範囲内だと思います。
ハイライトが目立たない場合は滑らかな描写となるはず。
ある程度距離が開くと、隅のボケが騒がしくなります。それでも色収差が良く抑えられているので、大きな問題には見えません。

●色収差
小型軽量な低価格レンズとしては良く抑えられているように見えます。

●周辺減光
かなり目立つので注意が必要。
特に絞りによる改善効果はほとんど期待できないので、風景撮影などフラットな露出結果を期待している場合はヴィネッティング補正が必須となります。

●歪曲収差
光学的にはそこそこ目立つ樽型歪曲です。
ただし、RAWに補正プロファイルが内蔵されているので、Lightroomなどで現像する限りでは自動的に補正され、問題となることはないかもしれません。

●逆光耐性
まずまず良好ですが、S-Lineほど際立った逆光耐性ではありません。

【携帯性】
広角 F2.8レンズとしては非常にコンパクトなサイズだと思います。
これで防塵防滴に配慮した設計・インナーフォーカスを実現しているのは凄い。
ただし、大口径Zマウントのため、レンズ直径はそれなりにあります。

【機能性】
●オートフォーカス
ステッピングモーター駆動のオートフォーカスは静かで滑らかに動作します。
電光石火と言うほど速くありませんが、大部分の撮影で不満は感じないと思います。

●フォーカスブリージング
このクラスとしては非常に良好な状態です。
動画撮影に適しているほか、静止画でも不快な画角変化がないので快適です

●防塵防滴
レンズマウント部はシーリングではなくカバーとなっています。
S-lineほどの耐候性では無いので過信は禁物。

【総評】
携帯性が高く、便利な広角レンズに仕上がっています。
プラスチックマウントやAF/MFスイッチの欠如が気にならないのであれば、手ごろな価格も相まって満足度の高いレンズとなるはず。

周辺減光やRAWの歪曲収差には注意が必要ですが、どちらも自動補正に対応しているので、問題と感じることは少ないかもしれません。解像性能は大部分のピント距離で良好であり、特に2400万画素のクラスのカメラであれば大きな不満を感じることはないでしょう。

「28mm F2.8」で携帯性の高いレンズが必要であればおススメの一本です。本当に28mmが好きで、抜群の光学性能を期待しているのであればS-Lineの登場を待った方が良いかもしれません。個人的にF2〜F2.5あたりの少し明るいレンズであればなお良かったのですが…。サイズや価格を考える許容範囲内。

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https://asobinet.com/tag/nikkor-z-28mm-f-2-8-review/

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