中高大と10年間写真部員で、今や絶滅寸前の暗室作業なども一通り楽しみました。
就職後はコンパクトカメラ専門でしたが、ほぼ四半世紀ぶりにレンズ交換をしたいと思い、2014年に PENTAX Q7 & Q-S1 を購入し写真趣味を再開。1年ほど前にアップグレードを目論んで、いろいろ検討した結果 α6400 ダブルズームキットを購入しました。
【デザイン】
カメラに先ず求める特徴が「より小さくより軽く」だったので、APS-C センサーデジイチとしては割とコンパクトな本機を選びました。EVF が出っ張っておらず、上部がストレートな点がとても良い。
縦位置撮影の時に、右手を下にする派なので、できれば Canon M6 のように、内臓ストロボの位置を正面向かって右端(左手側)にしてくれれば良かったんですが、EVF の位置的に難しいんでしょうね。
【画質】
2,400万画素あれば充分だと思います。画像はクリアで硬質かつ綺麗なのは確かなんですが・・・。
PENTAX に慣れていると、第一印象は「色が薄くないか?」。無論、α6400 の方が正確なんですが、何と言うか、ワクワク感に乏しい気がします。"Deep" を選ぶと PENTAX に近付きますが、少々物足りません。
無論、慣れればさほど気にならなくなりますし、SONY の方が正確なのは確か。
【操作性】
操作そのものにはさしたる問題はありません。それよりも何とかして欲しいのは「取扱説明書」。
取扱説明書の冊子もpdfも付属せず、ソニーのウェブサイト上にある取扱説明サイトを参照するのですが、このサイトがかなりお粗末。
せっかく、サイト上に作るのであれば、埋込動画による解説とか、各用語をバルーン表示させるとか、様々な工夫ができるはずなのに、紙の取扱説明書をそのままHTMLに変換して、サイドメニューをつけただけのような構成で、手抜き以外の何物でも無い。
結局、解説書籍を購入してしまいました。
【バッテリー】
充分に長持ちしますし、交換もスムーズ。とは言え、チャージャー別売りはちょっと不親切なのでは。結局、サードパーティ製の互換バッテリー&チャージャーを購入しました。撮影に出向くときには、やはり予備バッテリーは必須でしょう。
【携帯性】
少々重いような気もしますが、サイズ的には凝縮されています。
昨今、大きく重いカメラばかり持て囃されていますが、「カメラは持ち歩いてナンボ」だと思う私には、これが限界です。
【機能性】
これまた PENTAX との比較になりますが、クリエイティブスタイルやピクチャーエフェクトのバラエティが少なく、細かい設定もできないし、RAWのボディ内展開もできないのがイマイチ。
無論、RAWで撮って現像すりゃ良いのだが、いちいちPCで操作するのも面倒なので、是非ともカメラ本体でもRAW現像できるようにして欲しい。
【液晶】
キレイで解像度も高いし、特に不満なし。そもそも、閲覧するためではなく、構図を確認するための存在なので、これで充分です。
液晶表示については、水準器を表示させると、撮影可能枚数などなど、その他多くが表示できなくなるナゾの制約を何とかして欲しい。
【ホールド感】
グリップは充分に大きく、持ち易いと思います。
【総評】
実は、もし Nikon1 シリーズが続いていて、Nikon1 V4 が発売されていたら、そっちを購入するつもりでした。
カメラは持ち歩いてナンボのもの。より軽くより小さい機種が理想だったんですが・・・。「大きい事は良い事だ」なのは確かなんだけれども、余りにも極端過ぎませんかね昨今の「センサーサイズ至上主義」的風潮は。
「凄腕プロが使いこなした1型センサー機と超初心者のフルサイズ機だったら、凄腕の1型センサー機の方が、よっぽど良い作品を撮影できるだろう」と言う整理をつけないと宜しくないのではないかと。「フルサイズでなければ、良い写真は撮影できない」的な風潮が、原理を知ったり上達したりを軽視しているような、写真の面白さを風化させているような、高価な機材を買わなければ無意味と言っているような感じがします。
この α6400 は、小型化と高性能のバランスが良く、サードパーティのレンズなども豊富で、万人にお勧めできる製品です。もっとお金をかけて、フルサイズ機を購入するよりも、そのお金でレンズを増やす方が、楽しい写真ライフが送れるんじゃないでしょうか。