トラッキングAFは凄いものの、あともう一歩が足りない
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フライングホヌ(トラッキングAF使用) |
くつろぐネコさん(動物瞳AF使用) |
コスモス |
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川辺に咲く彼岸花 |
ダリア |
電車(トラッキングAF使用) |
α6300からの買い替えです。
【デザイン】
天面がフラットで左にファインダー、レンジファインダーライクなデザインが好みならしっくりと来るのではないかと思います。(個人的にはクラシックデザインのカメラよりシンプルでスッキリしていて好印象)
【画質】
α6300と比べるとAF精度が高くなった分、画質が向上した印象があります。
また、富士フイルムのAPS-C機X-E3を所有していますが、α6300の頃はAF精度の面でX-E3の方がよい印象を持っていましたが、α6400になって精度が高くなり必要十分と感じています。
これが結果として画質向上に良い結果をもたらしているとも言えます。
ただ、残念なことに裏面照射型のセンサーでないためノイズやダイナミックレンジの面では画像エンジンがよくなることでα6300より向上していても、α7と比べてしまうとまだまだクリアさやノイズの面で差を感じてしまいます。
あとは色再現性。
作ったような色合いにならない点はもちろんのこと、赤系の色合いは飽和を感じさせることなくうまく処理できていて好感がもてますが、逆に黄色の再現性が弱くあっさりした色合いになってしまうのがちょっと残念です。
(この傾向はα6300でもα7でもあるのでBionzXの問題と感じています)
【操作性】
α6300と何ら相違があるものではありませんが、マイメニューで使用頻度の高い項目を登録しておくことができる点は進化しています。
また、タッチパネル対応となったためタッチAFやタッチパッドによるAFポイントの移動ができるようになったのは大きな進化です。α7iiiやX-E3のタッチ操作によるAFポイントの移動はモタモタしててとても使えるレベルではありませんが、α6400のタッチ操作はスムーズに動いてくれるためスマホ操作に慣れていれば違和感なくAFポイントの移動ができるでしょう。
この辺も地味ですが操作性として向上した部分と思います。
ただ、全般の操作性としては慣れている方なら問題無いでしょうが、初めて使う方にとってはカスタマイズしないとどうにもこうにも使いづらい印象しかありません。
そして欲を言えばフロントダイヤルが付いていれば他社のAPS-C機とも引けをとらない操作性になると思いますが、α7との差別化のためなのか未だにそれを実装しないSONYには疑問を感じてしまいます。
【バッテリー】
NP-FW50は持ちがいい方ではなく、連写を多用すれば枚数は稼げるものの単写で撮影するとなるとこまめに電源を切っても300〜400枚前後がいいところです。
特にリアルタイムトラッキングAFを使用するとバッテリーの消費は顕著です。
動体撮影や私のように静止物を撮影する場合でもリアルタイムトラッキングを使用する方は、2〜3個の予備バッテリーを用意しておいたほうが安心です。
【携帯性】
APS-C機ながら小型軽量で天面がフラットなこともあり、バッグの収まりもいい。
携帯性はとてもよいです。
【機能性】
α6400に買い替えたのはここの部分で、他の方のレビューにも書かれているので今更感はありますが、以下の2点が大きいです。
<リアルタイムトラッキングAF>
追尾したい被写体を合わせたいポイントでAF-ONすることでフレームから出ない限りは追尾してくれるため、動体だけではなく微風があるときの花の撮影などでも使えます。
同系統の色合いだと外してしまうこともありますが、かなりの割合で追尾して且つ精度もα6300の時のAF-Cより高め。(トラッキング時の枠の大きさが気になりますが・・)
レンズにもよりますがSIGMA MC-11を使用してもこのトラッキングAFで追尾し精度もそれなりに高い点は、とても使い勝手がよく使うほどにその利便性を強く感じることができます。
<瞳AF>
動物瞳AFにも対応しましたが、ネコやイヌを撮影する方には非常に便利です。
距離があって検出できないとウンともスンとも言いませんが、検出できればスッと合ってくれます。
逆に些末なことではありますが、改善して欲しい点としては主に以下のようなところが挙げられます。
・グレーカードの取り込みがセンターボタンなのが使いづらい点
・撮影後の再生表示に0.5秒とか0.2秒といった短い時間設定が無い点
・シャッター速度が最高で1/4000秒までで、高速な電子シャッター対応が無い点
【液晶】
EVFに関しては以前のα6300と同じです。
普通に撮るなら十分、ただ小さな物を撮影する場合は拡大表示で対応できるものの拡大すると構図がぶれる。
だからこそ大きく高精細なファインダーが欲しいです
また、色の再現性はα6300より向上した印象はありますがそれでもEVFの調整可能な範囲が少ない。
明るさも色合いももっと追い込める幅を持たせて欲しい、そう感じます。
【ホールド感】
レンジファインダーライクなデザインに加えてグリップがしっかりしていて握りやすいですが、小指余り問題があります。FEレンズで大きめのものを装着するとより顕著で、私は中華製L字プレートの側面を取り外して使用してます。
純正でプレートを出してほしいところです。
【総評】
α6300からα6400へ、外装に大きな変化は無いものの中身が進化しています。
しかし、このポテンシャルを引き出すにはファインダーのサイズや精細さ、操作性がネック。撮れば撮るほどに感じてきます。その意味ではα6400は中途半端。
APS-Cでの完成形を目指すならまだまだ潰していかなければならない課題がたくさんあり、今後の後継機にはそれを対策したものを出して欲しいところです。
この機種を検討するのであれば、リアルタイムトラッキングAFばかりに惑わされずあまり取り上げられない部分もしっかりと吟味してから購入した方がよいでしょう。