NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- 大口径の「Zマウント」を用いたフルサイズ(ニコンFXフォーマット)ミラーレスカメラ対応の標準単焦点レンズ。約0.4mまで被写体に近づいて撮影できる。
- 撮影距離を問わず、高画素デジタルカメラに対応する高い解像度を実現。また、大口径レンズならではの自然で柔らかな美しい"ボケ味"が得られる。
- 駆動力の高い新たなSTM(ステッピングモーター)を採用し、静止画・動画を問わず、一段と精度・静粛性を高めたAF駆動が可能。
120FPS Slow Motion ブリージング少なく動画で使いやすい
F10 1/125sec ISO100 爆速ではないけどAFスッと合います |
F2.5 1/100sec ISO2000 冬の陽光 素直なボケ味 |
F2 1/125sec ISO1250 高いマイクロコントラスト歪みの少ない描写 |
F2 1/125sec ISO160 シャドー部の精緻な描けわけに長けている |
F8 1/125sec ISO400 人物撮影で扱い易い焦点距離 |
F2 1/125sec ISO800 バランス良くホールドし易い |
発売後約1ヶ月使用したレビューになります。
【総評】
FマウントでもF1.8シリーズの画質は価格以上の写りを実現していました。ZマウントのF1.8はそれを軽く超えてきた感じです。
海外でも高く評価されているところが多いレンズです。
Camera Lens Review
https://www.digitaltrends.com/camera-lens-reviews/nikon-nikkor-z-50mm-f-1-8-s-review/
Photography Blog
https://www.photographyblog.com/reviews/nikon_z_50mm_f1_8_s_review
高いレベルでの優等生的なレンズで難しい事は考えなくても気軽に扱えるレンズです。画角的には寄って広角レンズ的に、離れて中望遠レンズ的に使えるレンズであり、絞り開放から高い解像力とクセのない素直なボケ味でファッション、ポートレート、コスプレ、スナップ撮影及び動画撮影に使いやすいと思います。
120fpsスローモーション動画リンクはこちら↓
https://youtu.be/Gg5mAssffpA
NIKKOR Z 50mm f/1.8 S 網中健太氏(メーカーサンプル撮影)インプレッション動画はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=KRSoRlLsQrw
【携帯性】
9群12枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり)で金属パーツが多用されている超贅沢構成です。
AF-S 58mm f/1.4Gは樹脂素材を多用しつつも385g、Z 50mm f/1.8Sは上記構成のため415gと見た目よりすごく軽いレンズではありませんがボディに対するバランスが良くホールドし易いです。
【操作性】
Z 35mm f/1.8SとZ 50mm f/1.8Sはほぼ同じ大きさです。
動画撮影の際、レンズ交換が容易でリグを組みやすいですしジンバルでのバランス調整もしやすいです。Ronin-Sだとモーターパワーが強く時間がない時には再調整なしでも使えます。調整するにしても微修正で済みますのでかなり時間短縮になります。
またフィルター径も62mmと共通です。NDフィルター等の共用が可能です。
カメラとの組み合わせも良く、グリップがしっかりしたZシリーズのカメラだとカメラ片手持ちで撮影も楽にできます。左手で扉やレフ板や衣装の一部を保持したり手早く撮影したい時などこのレンズの大きさ・重さ・画角が丁度良いです。
従来のゴムローレットでなく金属ローレットでZeissのようにヌルっとした感触になったのは嬉しいです。
ミラーレスではMFで画像拡大してピントを追い込めるメリットがありますが、その際このトルクはありがたいです。最近のニコンのGタイプやEタイプはこのトルクがスカスカだったのでZeissのZFやZF.2シリーズのようになってMFで撮る楽しみが増えたと思います。34万円のOtus 1.4/55は解像で突き抜けた銘レンズですがそれでもゴムローレットです。これだけ開放で解像しボケ味が素直でありつつ金属ローレットを採用しているということだけでも私は7万円の価値以上のものがあると思います。
最短撮影距離は0.4m。パーツのクローズアップショットを撮るには十分な性能です。
【機能性】
取り扱いに関しては、コントロールリング(フォーカシングリング)しか無いので簡単。クリック感のないコントロールリングはパワー絞りをアサインしたとき無音で(クリック音を出さす)絞り調整ができて快適です。収録中環境光の変化にもサッとコントロールリングで絞りを調整することにより対応できます。バリアブルNDフィルターだとレンズ先端にあるため調整時に撮影者の手が映像に写ってしまう恐れがあるためやりにくいですが、レンズ鏡筒にパワー絞りが備わっていると咄嗟の対応が取りやすいです。
動画でフォーカシングリングとパワー絞りを併用したいのでZ 24-70mm f/4SやNoct F0.95のようにコントロールリングをつけて欲しかったです(ダブルリング)。
収録中のフォーカスポイントの移動による画角変化(ブリージング)は良く抑えられています。モーターが2個入っているZ 35mm f/1.8Sの方がブリージングは良く抑えられていますがFマウントレンズに比べるとZ 50mm f/1.8 Sはかなり良いです。AFはFマウントに比べとても静かで音声収録に適しています。
【表現力】
ボケ味に関してはクリアでクセがない。見せたいピント面に自然と目がいきます。
(シャープネス)絞り開放f/1.8で周辺部までシャープです。f/4ぐらいでピークに到達。f/13で少し甘くなります。
(ボケ味)ピント面前後のデフォーカス部分への繋がりがナチュラルで綺麗。絞り開放で目にピントを合わせた時アップショットだと耳のあたりのボケ方が綺麗です。
(ボケ)開放f/1.8なので背景はf/1.2のように極端に大きくはボケません。それでもf/1.8としては十分すぎるほど綺麗です。AF-S 58mm f/1.4Gの絞り開放のように背景が滲むような溶け方はしません。
(軸上色収差)開放でよく抑えられています。EDレンズ2枚採用の効果が大きいです。
(周辺減光)周辺部は気にならない程度ですが光量は落ちます。f/3.2でほぼ消えます。ポートレートでは好みの落ち方です。
(歪曲)目立ちません(少し樽型)。
(二線ボケ)よく抑えられています。出てもあまり目立ちません
(玉ボケ)口径食は大口径標準レンズとしては普通。F2.8で丸く、F3.2でまんまるになります。年輪ボケは目立たないです。点光源に対しては淡く出る時もあります 。
(ゴースト・フレア)ナノクリスタルコーティングでよく抑えられています。
来年2020年にはF1.2の発売が予定されていますがキヤノンの最新RF50mm f/1.2L(950g 25万円)を考えるとニコンでもレンズサイズ・重量の増加が予想できます。
発売されたとしてもこの50mm f/1.8Sは基本性能が高く値段以上にオールマイティーに使えるレンズですのでジンバルに載せたりワンオペで撮影することを考えると引き続きZシリーズでのワークホース的なレンズになると思います。
- レベル
- アマチュア
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