70mm F2.8 DG MACRO [ソニーE用]
- 繰り出し方式のフォーカスを採用した標準〜中望遠域のマクロレンズ。すぐれた解像感とヌケのよさを実現している。
- 「コアレスDCモーター」の採用とアルゴリズムの最適化により、重量のある高性能レンズのAF作動もスムーズに行える。
- 専用のAF駆動制御プログラムと高速通信により、従来のマウントコンバーター「MC-11」では対応できなかった「AF-Cモード」などの対応を実現。
*カメラはA7 III。
● データ、使用感
・ シグマ用は515g、本機は575g(フード付き620g)もある。Eマウントでフランジバックが短くなった分、根元で伸びている。全長は14cm。
・ フィルター径は49mm、レンズ口径は実質26mm。ほぼ500円玉ほどしかない。しかし、決して軽快なレンズではない。
==>画像2
・ 最短撮影距離は25.8cm、フード先端から6cmほど。横フレームで被写体の34mmまで寄れる。
==>画像3
・ 近接すればするほど鏡胴は伸びる。フードを付けていると中で伸縮しているので、全長は変わらない。
・ AF駆動(A7 III使用時)
> フォーカスリミッターは3択 : Full/ 無限-50cm/ 50cm-最短。
==> 画像1
> AF-Sは近接時でサーチ駆動は起きやすい。ジージーーとうるさく、耳障り。
カメラのハイブリッドAFの弱点が無駄な動作を助長している。
> AF-Sは1m以上離れていれば、概ね機敏に合焦する。
> AF-CはAF-Sと違い、無駄なサーチ駆動は無くほぼ無音。
・ DMFが使えるのでピントリングを回すと、EVFで自動拡大し合わせやすい。
・ 拡大中のAFも使用できる。被写体を1mmの精度で局所をピンポイントAFできる。MC-11(& Canon レンズ)では、シャッター半押し時点で拡大が解けたり、DMFも効かなかったりするが、これはSONY純正と同じ。
・ 焦点距離70mmは、街角スナップ、ポートレート、料理、グッズにも使える。普通の50mmや80mm単焦点よりマクロが使える分、便利。近接でなければ概ね大袈裟なサーチ駆動は起きにくい。
・ SIGMAはいまだにジッパー付きの立派なレンズケースを付けている。保管時も、カメラバックでも、使う用途が無い。こんな無駄なコストに強い疑問。
・ 動画サンプル (AF-C)
動画途中でシャッター半押し入れても全く反応しない。普通のレンズなら直ぐにAF動作に行く。動画はあくまでゆったりした動きをキープし、大袈裟なサーチ駆動は起きにくい。
・ 手振れ補正
A7 IIIの手振れ補正は通常の「オート」で効いている。しかしマニュアルで焦点距離を入力して使う必要あり。検証ではその効果がある。
● 純正90mm F2.8マクロとの比較
AF駆動は静かで速い(値段は2倍)。しかし近接時のサーチ駆動はどうしても起きる。繰り返しになるが、これはA7 IIIの像面位相差の食いつきの非力さが要因。同じレンズでもキャノンやニコンのレフ機ならサーチ駆動は顕在化しにくい。
● 総評
光学性能は良いが、それ以外は低評価。それほどコンパクトでも無く、AFの無駄なサーチ駆動はA7 IIIでは近接で起きやすい。SONY FE 50mm F2.8 macroもサーチ駆動はうるさく、遅く、評判は良くないが、DCモーターを使っているとだいたいこうなるのだろう。15年前の技術である。高額でない理由がここにある。
協業関係にある雑誌、ネットメディアはこぞって「カミソリマクロ」と見事なキャッチコピーを使っているが、AF駆動は二流品だと思って買う必要がある。
*添付画像はトリミングあり。
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