『現代の技術でオールドレンズを再現』 コシナ フォクトレンダー NOKTON classic 35mm F1.4 ごえん吉さんのレビュー・評価

フォクトレンダーには様々な性質のMFレンズがありますが、Nokton Classicシリーズはまさに、現代の技術でオールドレンズを再現した、ということに尽きます。特徴は
◯絞りで変化する描写（解像）
◯低い逆光性能、盛大なゴースト、フレア
◯絞りで変化するボケ
でしょう。私はとても好きなレンズです。

【解像】
絞り開放のf1.4では遠景、近接に関わらず非常に柔らかい描写です。この開放での描写は個人的には非常に好感がもてます。
1/3絞り込みむだけで(f1.6）かなり解像感は上がルため、現代風のレンズ描写が好きな方でも f1.6からは十分に使えるレンズです。

【巨大な虹色ゴースト】
こちらも開放で盛大に出現します。とても美しいゴーストです。f1.6でかなり消え、f1.8ではほぼ消えてしまうため、このフレアを目的に撮影する場合は絞り開放が必須です。

【その他のゴースト】
こちらは絞り込んでも無くなりません。このレンズに逆光耐性を求める方はあまりいないと思いますが、この辺りは状況によっては注意が必要です。

【二線ボケ】
絞り開放ではかなり目立つ二線ボケです。個人的には嫌いではなく、二線ボケの割には騒がしい感じにはなりません。1段絞ったf2ではかなり改善され柔らかいボケになります。もう1段絞ったf2.8でさらに改善されます。
「味」という意味では開放のボケの質はおすすめです。

【色】
派手な色は乗りません。落ち着いた、柔らかい絵作りです。

という具合に、特に開放付近では現代のレンズ描写とはかなり異なり、絞り込んでも逆光耐性の低さなどが残るレンズです。
それでも本当のオールドレンズのような強烈なクセではなく、使いやすい範囲で「オールドレンズを再現した」レンズです。

AF、MFレンズ併せても、私が一番好きなレンズです。