『少しの油断がブレに繋がる』 富士フイルム FUJIFILM X-E3 単焦点レンズキット [シルバー] koothさんのレビュー・評価

フジは、撮って出しプリントの色味が親戚に評判よく、
FinePix F系を複数台使ってきた。
Xシリーズは、必要な時に都度レンタルしてきた。
今シーズン、新型コロナウィルスで外出自粛のGW中に、
FinePix F1000EXRのズームレバーにひびが入り、
フジ色確保のためにモデル末期の当機種単焦点キット（シルバー）を
量販店で購入。

レビューは、
以前レンタルした時の評価、並びに購入後の評価を交えて行っている。

【デザイン】
凝縮感があり、悪くない。
右手の親指の腹でスイッチ類を押さないように整理できているのも良い。
ただし、レイアウトの余裕はあまりなく、
ボディ色シルバーが正直安っぽい。
モデル末期で黒の流通なしゆえ、これは仕方がないのだが。

【画質】
丁寧に撮るなら★5の画質。気軽に撮るなら★3の画質。
理由は簡単で、手振れしやすいから。
小さなボディに対してメカシャッターの振動が大きいせいか、
以前レンタルしたX-T20などに比べて街撮りで手振れが発生しやすい。
フィルムシミュレーションは非常によく、
他人へのプリント渡しならプロビア、自分はクラシッククロームやACROSが好み。

【操作性】
癖はあるけれどある程度のカスタマイズはできるし、
困ったときのQボタンで何とかなる。
他の人に撮ってもらう時は、AUTOにレバー1つで切り替えられるのは高ポイント。

【バッテリー】
この世代のXはどれも皆、バッテリの持ちが良いとは言えない。
1日使うなら2本は予備バッテリーを持ち歩きたい。

【携帯性】
小型の単焦点をつけている限り、携帯性は悪くない。
また、この組み合わせだと被写体に緊張感を与えにくい。
通常のズームをつけると、携帯性はそれなりに低下する。

【機能性】
機能はXシリーズなのでてんこ盛りな印象。

【液晶】
気軽に撮るには充分な品質だが、現在の最新機に比べるとEVFは見にくい。

【ホールド感】
右手中心で構えると手振れしやすい。
左手中心で構えるとボディがやや小さい。
X-T30のホールド感の下ということで、★2つ半。

【総評】
MINIMALISM 必要な機能性能を極限まで研ぎ澄まし、本質だけを形にした
とメーカーページにはある。
極限まで研ぎ澄ましたゆえ、少しの油断がブレに繋がる。そんなカメラ。
これを軽減したいならX-T20/T30を使うだけでもかなり改善する。
手振れ補正レンズを使ってもよいが、
X-E3の唯一のメリットである携帯性は損なわれる。

当面は交換レンズやマウントアダプタを購入せずに単焦点キットで、
冠婚葬祭とフジ色担当、フィルムカメラとの同時持ち出し用としたい。

そしてXFレンズ群のレンタル用母艦としても時々運用したい。