本レンズは素晴らしいものだと思いますが、比較対象が上位にも下位にも多すぎます。
このレンズだけで他のレンズを足さないという使い方をするのが一番健全かつ生産的で、
その点ではα7?と同時の導入は非常におすすめできます。
広い焦点距離をカバーし、しかもある程度寄ることができる。このレンズのおかげで色々な写真を撮ることができました。
ありがとう。
■まさにGレンズ
24105Gの表現力についてですが、これはまさにGレンズというような写りだと思います。
Gレンズとは私の考えでは「特徴はないがしっかり解像している」というものです。
そして純正でこれに相当するレンズは35F18Fと85F18だと思います。
85mmについては圧縮効果で少し写りがよくなっているところがありますが、
35mmの特徴なくキレイに映る感じは、24105Gのそれに等しいです。
実際これらの単焦点は隠れGレンズなどとも呼ばれています。
24105Gについては特に解像面で優れているとされており、他のズームレンズと比較して四隅の解像がよいとされています。
実際そうだと思いますので、とりわけ記録写真的に使用しようとする場合にはうってつけのレンズです。
■なぜ入れ替えたのか
しかし実はこのレンズを手放しました。2470GMと入れ替えるためです。
お金があれば持っていてもよかったのですが、手持ちのレンズではこれとの交換が妥当でした。
最大の不満は、解像度が売りのはずなのに、少し細かい建造物などを撮影した際に
特に中央部について、どうも描写がゆるいのではないかと感じてくるようになったためです。
24105GがMTF上でパフォーマンスを発揮するF5.6や8.0で見てみたのでもうどうしようもありません。
四隅が強いかわりにセンター相対的に弱いというのはある程度事実な気がします。
もう一つの理由は標準域のGMの明るい写りに魅せられたことです。こちらの方が好みだと思ったので。
正直に言うと、24105Gとの違いは、(前述した中央のゆるさという点をのぞけば)
解像度というよりは趣味の問題もあるかな、と思います。
■ガチで考えるA036と24105Gはどちらがよいか
多くの場合、この比較こそがこのレンズを取り巻く最大の問題だ。
24105Gとタムロンのどちらが写りがよいかは、僅差でタムロンだと思う。
素人がコクのある写真を取りやすい。24105Gは前述の通り、誰でもきれいな写真が撮れるが、
作品っぽくなりにくい。記録写真っぽくはなる。
しかし、Gレンズのほうも、フォトヨドバシやCASYAPAを見るととても素晴らしい作例がある。
(意外と近年のGMや35mmの作例は悪いので、比較すると24105Gがとてもよいレンズに見える。)
つまりプロが引き出すとい点ではポテンシャルがあるレンズでもあるのである。
しかもソニーがスポンサードしている乃木坂46のアイドル番組「乃木坂工事中」で、
バナナマンがα7?と24105Gで縦横無尽にアイドルを撮りまくるという企画があり、
その作例がどいつもこいつも素晴らしいものだから、マーケティング大成功というか、
人物撮りにおいてもこの組み合わせに問題がないことが示された(他の望遠ズームも使っていたが)。
少なくともα7?やS?、R?以降の機種を使う上では問題のないレンズであろう。
タムロンの問題は、「大三元」という言葉が独り歩きしすぎているところな気がする。
これは24105Gの「純正」というキーワードに相当する。
それを除くと、カメラグランプリ記者クラブ賞も撮っているし、レンズ賞でも2位だし、
A036の評価はまさに頂点である。大村祐里子氏も曽根原氏も魚住氏も褒めている。
プロが評価するレンズである。一方24105Gはそこまでの風評を聞かない。
価格.comでA036よりもランキングで上だった頃が栄華だったと言える。
それでもネット上で情報収集すると、アフィリエイターの都合だろうが、
タムロンよりも24105Gの方が評価する声・ブログが上位に来る。
これは、本当にアフィリエイト上の都合だと思う。
美点は軽くて安くて明るくて個性的な写り。
難点は28mmスタートだというのと76mm以降がないこと、そして作りがタムロンだということ。
しかし一般ユーザーはタムロンであることに何の問題もないだろう。
75mmもあれば、意外と105mmまでの望遠域はなくても困らないものだ。
寄ってボカしたいという場合でしか85mm以上を使わなかったので、F2.8あれば私には問題なかった。
(しかし、当たり前だが24105Gは76mm以降を体験できるという強みがある。)
私は24105Gを持っていたという弱みがあり、どうしてもA036のアラを探してしまっていたが、
結論から言えば、最初に取る一本としてはむしろA036の方がオススメである。
*以下蛇足。
特殊な条件として、旅行によくいくのであれば24105Gである。
F4で暗いといいつつ、スローシャッターで取る夜景はとても綺麗だ。
そして絶対に24mmがあったほうがいいのである。
なにがあるかわからないから、105mmまで伸びることにも積極的なメリットが出る。
ライフスタイルとして考慮するべきは、もっぱら自分がどの状況を中心に生きているか、であるだろう。
あとはコスパを取るかブランド力を取るかとか、趣味の領域だ。
金額差は縮まってきたから、本当にそれらだけで決めてよいと思う。
どちらでもいいという意見は思考を放棄していて無責任だと思うから、A036を推しておいたが、状況によっては24105Gになる。
そして最終的にはどっちにしてもそこそこやっていくことができると思う。
私は24105Gを持ってても広角が欲しくなったので、それを考えるとA036を最初に買った方が、
焦点距離上のかぶりが少なくてよりコスパがいいとも思う。
24105Gは、これ以外のレンズは絶対に買わないぞ、と決めて使うなら本当に最高の相棒である。