『画質への追求を感じるカメラ』 富士フイルム FUJIFILM X-T10 ボディ [ブラック] SHIN★彡さんのレビュー・評価

XF56mm f1.2 r とともにこの一か月撮影した写真を載せます。

富士フィルムはやはり素晴らしい色味と素晴らしいレンズで、買って大満足です。

マイクロフォーサーズからの乗り換えなのでAPS-Cのf1.2のボケは感激です。

フィルムシミュレーションはクラシッククロームがお気に入りです。

写真に写っているのは友人です。

筆者は一年前にマイクロフォーサーズの一眼カメラで初めてカメラをはじめ、オリンパスPEN E-P5をずっと使ってきました。
より大きなボケや解像感、そして色味へのこだわりを求めて富士フィルムのカメラに興味を持ちました。
より軽いほうが良いのでX-T10を選択しました。レンズはXF56mm f1.2 r とオールドレンズのHelios44_2しか持っていません。35mm f1.4を近いうちに追加しようと思います。

【デザイン】　フィルムカメラのような独特のデザイン。オリンパスOM-DもフィルムカメラっぽいですがこちらX-T10はモードダイヤルがなくシャッタースピードダイヤルや露出ダイヤルがあり、絞りはレンズの絞りリングで変えるというスタイルなのでさらにフィルムっぽいです。

【画質】
マイクロフォーサーズからの乗り換えなので画質はよくなったと感じます。特に解像感や、簡単に白飛びしない階調性・ダイナミックレンジ。また、フィルムシミュレーションがかなり興味深いです。ほかのメーカーのピクチャーモードなどと比べてもクォリティが高く、発色はとても良いけど見ていて飽きないちょうどよいバランスだと感じます。個人的には彩度低めの落ち着いたクラシッククロームやプロネガスタンダードを多用しています。ネガフィルムやコダクロームなどの雰囲気を出せるモードを持っているのは富士だけです。撮って出しで素晴らしい色味なので大変満足しています。

【操作性】
独特です。他のメーカーとは全然違います。私はオリンパスからの乗り換えなので正直使いづらいです。E-P5の操作感はとてもよく、露出、絞りを直感的に操作でき、タッチパネル搭載なのでフォーカスエリアをタッチして決めることもできました。X-T10は絞りはレンズの絞りリング、露出は露出ダイヤル、フォーカスエリアはコマンドでやらなければならず、なかなか操作しづらいです。慣れの問題かもしれませんが、ほかのメーカーの方が使いやすいことは確かだと思います。それでも私は富士の色味に惚れて買ったのでどうにかして慣れようと思います。

【バッテリー】
一眼レフと比べるとバッテリーの持ちは悪いと感じます。ミラーレスの中では普通くらいかもしれません。

【携帯性】
ボディだけならば軽くて持ち運びしやすいです。
ただ、ボディだけ軽くてもレンズが大きくて重いのでそれを考えるとそこまで携帯性が高いとは思えません。
大口径レンズは大きくて重い、これは仕方ないと思っているので私は気にしていません。

【機能性】
きれいな描写のレンズが多く、魅力的なシリーズだと思います。ただ手ぶれ補正がないレンズが多いのが少し残念です。

AFは覚悟はしていましたが、微妙です。オリンパスやパナソニックといったマイクロフォーサーズは爆速でフォーカスしてくれますが、フジは一昔前感があります。マイクロフォーサーズはAFが迷う時ももちろんありますが頑張って復帰して合わせてくれますが、富士は一回迷ったら復帰できずに諦めてしまうことが多いと感じます。こういったAFの精度や速さはレンズにもよるものなので包括的に富士は、オリンパスは、とは言えませんが...。私が持っているのはXF56mmですのでもともとAF速度が速くないですし。

それから、AEなんですが、顔認証しているとき適正露出よりもオーバーしたりアンダーしたり暴れることが時々見られます。また、暗いところから明るいところに出たりして光量が大きく変化したときに露出が復帰するのが遅い気がします。2〜3秒画面が真っ白く白とびしたまま、なんてこともあります。

【液晶】
タッチパネルだったらよかった！それ以外は文句ありません。チルト液晶はGoodです。

【ホールド感】
ボディが軽量になるとホールド感は悪くなる、これは物理的な問題で仕方ありません。X-T10は小さくても十分なホールド感があると感じます。ただグリップをつけるとよりよくなるようなので検討しています。

【総評】
総合的なバランスがとても優れているとは思いません。

富士フィルムは画質(フィルムシミュレーション・人肌のきれいさ・優れた解像度・高感度性能)が他のメーカーに比べて突出して素晴らしいと感じます。個人的jにフィルムシミュレーション・と人肌の表現・緑色の発色は素晴らしいです。
人肌のしっとりとした表現がほかのメーカーだと表現できないと感じます。オリンパスはよく青みがかってしまいます。富士のオートホワイトバランスが優秀なのも原因のひとつかもしれません。緑色の発色はほかのメーカーだと少し黄色がかった色になってしまうところ、フィルム写真のように深い緑色で表現できるのが素晴らしいです。さすがフィルムメーカーです。

一方手ぶれ補正搭載レンズのすくなさ、AF性能の一昔感、不安定なAEなど機械としてまだまだ未熟なところはあると思います。
独特のダイヤル系も使いやすいか？と言ったら僕は正直微妙です。

誰もが使いやすいカメラか？と言ったらNoです。圧倒的な富士の表現力、色味に惹かれてそのためなら多少使いづらくても良い！というユーザーならば満足できると思います。そして私もその一人です。
やはり写真は表現力・色味で勝負したいです。操作しづらいダイヤル系も、一回一回のの写真を「撮る」という行為を大切にしてほしい、というメッセージなのかもしれません。

そう思って使っていこうと思います。