FE 28mm F2 SEL28F20 レビュー・評価

通勤カバンに常備	通勤スナップ	四角い被写体を正面から
最短撮影距離で定常光のみ	最短撮影距離でストロボ撮影	最短撮影距離でも皿が小さいと少々ツライか

現在、通勤カバンに常備カメラを2種類用意しており、何も予定が無い時は「PENTAX Q7」、何か撮れそうな時は「SONY α7R」を選んでいる。基本的にAFスナップを想定。通勤路での光景、公園の花、飯屋の料理などを撮る。
α7Rでは、当然ながらフルサイズ用レンズを使うことになるので、いくら本体がコンパクトでもレンズが大きくなりがち。そこでレンズの大きさだけで選ぶと「FE35mm　F2.8」しかない。ところがFE35mmは最短撮影距離が35cmなので料理撮影で寄れないと使いにくいだろう。仕方が無いので、少し全長が長くなるがこの「FE28mm F2.0」を選んだ。これならば最短撮影距離がAF時で29cmとまあまあ。

なお、私の評価はあくまでも画像を得るために必要な機材という立場で、完全に合理性だけを評価基準とする。

【デザイン・操作性】
ストンとした円筒なので特別取り回しが悪いとは感じられないが、ちょっと長いので通勤カバンの中での納まりが難しい。
それから、もし鏡胴根元にギザギザの滑り止めがあれば、レンズ脱着時に便利そうなのだが。
ピントリングは金属製で細かいギザギザがあるが、ゴムではないので手になじむ感じは無い。MFのほうが最短撮影距離が短いので、たまにMFで使うことがある。だから、いくら金属製がウケが良いとしても、ここはやはり実用性に徹してゴム巻きとすべきであった。
シリアル番号表記はラベルシールなので、使っているうちにいつかは剥がれる。ここは何とかならなかったのか。

【AF】
無音で速い。全長は変化しない。

【画質】
周辺の色収差が気になる。背景ボケの写真ならば気にならないかも知れないかと思ったが、やはりボケの中でも色収差は気になる。
湾曲収差については、四角いものを撮ってみたところ、無くは無いが、それほど目立つようでもない。
絞り込むせいか、ストロボとの相性は悪くない。料理をストロボ撮影してみたが、予想以上に（期待しなかっただけに）クッキリ写って驚いた。

【総評】
通勤カバン常備でスナップ用途となれば、小ささと最短撮影距離のバランスでこの一択しか無い。それはあくまでも消去法でたどり着いただけのことで、もしこれよりもコンパクトで最短撮影距離の短いAFレンズが現れれば、ソッコーで切り替えるつもり。やはりパンケーキレンズが欲しい。だが現状では、このレンズに頼るほか無い。文句を言いながらこれからも使っていくだろう。

フォーサーズにライカのレンズを着けて使ってましたので、それとの比較になります。
去年の暮れに購入しましたが、まだ数回しか使ってません。

部屋の中の物を撮るために広角な物を選んだつもりでしたが、小さく遠く写ってしまうのですね。使ってみるまで解らないな、と思いました。ワイドコンバーターを後で買うつもりでしたが、今はこれで充分と思ってます。フィッシュアイコンバーターのが面白いかと思い始めました。

風景を撮っても、もやって感じてなかなか気に入ったものになりません。絞りを変えたりマニュアルでピント合わせたりしましたが、上手くいきません。これは腕の問題かと思ってます。

ただ、夜の街とかの撮影は凄いと思います。手持ちでキリッと撮れます。

購入時、zeissの方が綺麗に撮れる、とお店にアドバイスもらったのですが、聞いとけば良かったと思います。一時期手放そうかとも思いましたが、他の方の作例を見るとこんな風に撮れるのか、と思うようになりました。今はもっと使ってみようと思ってます。

補正後	補正前

このレンズは、単焦点レンズですよね。
まさか、ここまで「レンズ補正（歪曲収差）」が酷いとは。
ズームならいざ知らず、単焦点で、ここまで歪曲されると・・・・
それなりの値段のレンズです、光学的にもう少し頑張って欲しかった。

補正無しでは、周辺が歪曲しますが、ポイントでの顔の形は許容範囲です。
処が、強制的に補正されると、肝心の被写体の顔が変形してしまいます。
＜再レビュー＞
顔が変形する状況がハッキリしないと思います。
実写のサンプルを再レビューでアップします。
梁の変形は、見事に修正されていますが、その弊害として、修正後の
左隅の人の顔が変形しているのがわかると思います。

試し撮りで、補正の影響を考慮した撮影が必要になるかと思います。

【操作性】
シンプルで使いやすいです。

【表現力】
逆光に弱く、黒くなってしまう事がよくあります。
当然ですがZEISSのレンズに比べると表現力は格段に落ちます。

【携帯性】
重くなくて良いと思います。

【総評】
SEL35F28Zの後に購入したのが悪かったのか
表現力が残念でした。
a7Rの性能を生かしきれていないと判断し売却しました。
全部が全部ではありませんが、レンズの性能と価格はある程度正比例するということを教えてくれたレンズでした。

買いたてホヤホヤのSEL28F20を、さっそく遠景で画質テストしました。
定量的なレポートではありませんが、ご参考までに。

テスト環境：　α7II、JPEG-STD、Std.輪郭強調-3、手ブレ補正OFF、
周辺減光補正OFF、倍率色収差補正OFF、歪曲補正ON。

f2.0　中央だけまあまあシャープだが、中間は甘い。周辺〜四隅はひどい。
　　　片ボケで上辺中央が良く、逆に下端は色収差も大きく、悪い。
　　　片ボケで左中間部が甘く、逆に右中間部はマシ。
　　　周辺減光は大きいがなだらかである。
f2.8　中央は充分シャープ、中間はまだ少し甘い。周辺〜四隅はまだひどい。
　　　周辺減光は目立たなくなる。
f4.0　中央〜中間は（下端を除き）充分シャープになる。周辺〜四隅はまだ甘い。
　　　まだ片ボケが目立つ。
f5.6　中央〜中間は充分シャープ、周辺もまあまあシャープ、四隅はまだ少し甘い。
　　　ここまで絞れば、片ボケは目立たなくなり、安心して使える。
f8.0　周辺まで充分シャープ。四隅もまあまあシャープになる。
f11 　四隅までシャープで均質。

・普段はf5.6以上に絞って使うべし。絞りを開けるのは周辺を気にしない時だけ。
　遠景をシャープに写すには、f8.0〜f11。
・輪郭強調を±0にすれば、1絞りぶんぐらいシャープに見せかけてくれる。
・安レンズであるが、絞ればそれなりに向上するので救いはある。
　同様なコンセプトのSEL16F28(初代NEXのキットレンズ)と比べれば、マシ。
・歪曲は補正をOFFにできないので不明。歪曲補正ONでは、ごくごくわずかに樽。
・開放近辺では周辺画質が悪すぎるので、遠景夜景や天体写真には向かない。
・かなり片ボケがあるが、上端(遠景)が良く下端(地面)が悪いので、実用上は良い。
　縦位置なら、右手を上にして撮るべし。
　片ボケはf5.6以上に絞れば目立たなくなる。
・部分によって画質が極端に変動する。MTFでもその傾向がうかがえる。
・まだ試していないので、ボケ味は不明。

・あまり誉められた画質ではありませんが、小型軽量のお手軽レンズとしては、
　オススメできます。（3600万画素機だとつらいかも。）

※Eレンズは大変個体差が大きいので、あくまで私がテストしたレンズでの評価です。