『MFTの一つの完成形』 パナソニック LUMIX DMC-GF7W-S ダブルズームレンズキット [シルバー] amapapapaさんのレビュー・評価

GF7は一眼というよりコンデジの高画質版といった感覚で購入しました。あまりに便利すぎて、実は二代目です（笑）マイクロフォーサーズ（MFT）のカメラはOM-D E-M10、PEN E-PL6、LUMIX GM1S、G7、GX7MK2、G8と使ってきましたので、これらとの比較も含めたGF7の感想を書きます。主な用途は日常の記録やこどものスナップ。組み合わせるレンズは12-32mmと15mm1.7。

【デザイン】
一眼レフ風にあたまがぼっこり出っ張っている、ちょっとレトロ風のかわいい見た目。GM1Sと比べると少し大きく、プラスチックを多用した、悪く言えば安っぽい、よく言えばカジュアルなデザインです。正直GM1Sはあまりに小さすぎて使いにくかったのですが、こちらは程よい大きさ。とはいえ、レンズ交換式にしては驚異的にコンパクトで素晴らしいデザインだと思います。また、キットレンズやLEICA 15mm1.7とのマッチングはとてもしっくりきます。

【画質】
GM1Sと同等の、MFTとして標準的な写りだともいます。センサーの小さいコンデジと比べると遥かに綺麗です。12-32mmはびっくりするほど小さい割に、広角側の開放からよく写ります。また、15mm1.7などの明るい単焦点をつければ、近接開放で大きめのボケを作ることも可能です。E-M10やE-PL6に比べると高感度耐性や解像感も高いように感じます。

【操作性】
カスタムファンクションキーが一つしかないので、カスタマイズ性は低いです。また、露出補正や絞り・シャッタースピードの変更などすべて背面のダイヤル一つで行うので、操作性はよくありません。ただ、背面ダイヤルはGM1Sよりクリックが固くなり使いやすくなりました。また、15mm1.7など絞りリングのあるレンズの場合、絞り優先で背面液晶は露出補正のみとなるので使いやすいです。基本はフルオートで使うように設計されたカメラだと思いますが、工夫次第でいろんな撮り方ができます。

【バッテリー】
コンデジや一眼レフと比べると、かなりもちは悪いと思います。GM1Sと共用なので、2本で使いまわしています。E-M10やE-PL6と比べても、驚くほどはやく電池が減っていきます…。

【携帯性】
これが最大の強みだと思います。MFTの長所の一端である「小型軽量」に特化したカメラです。ボディサイズはコンデジと同等、レンズは出っ張りますが、デザインもマッチした超小型の12-32mm、15mm1.7を付ければ、大きさを理由に持ち出すのを躊躇することはないと思います（ポケットに突っ込むのは無理ですが…）。これ以上小さくなると少し使いにくくなるので、ベストバランスだと思います。

【機能性】
ボディ内手振れ補正や4Kを除けば、現代のレンズ交換式カメラとして必要な機能はほぼ入っていると思います。180度チルトする液晶は、自撮りやローアングル撮影にとても便利で楽しいです。液晶をひっくり返すとオートで自撮りモードになったり、Fnキーがシャッターボタンになる点など、よく考えられていて面白い思います。最高シャッター速度が1/16000秒なので、日中に明るいレンズの開放絞りを使えるのも便利です。

【液晶】
LVFはとても精細で綺麗です。解像度も十分。タッチパネルや180度チルトも便利です。ただ、タッチパネルにうっかり触れると、とんでもないところにフォーカスポイントがいってしまうことがあります…こればかりは注意するしかないですね。それもあって、タッチシャッターは使っていません。

【ホールド感】
ボディの小ささ、薄さもあり、ホールド感は正直よくありません。これは仕方のないことなので、気になる場合は貼り付け式のグリップをつけるかボディケースに入れるといいと思います。私は小ささを優先してそのままです。レンズも小さく軽いので、それほど気になりません。

【総評】
MFTレンズ交換式カメラとしては最小・最軽量クラス。小型化により操作性が犠牲になっている部分もありますが、基本的な機能や画質は上位機種と同等です。工夫次第で初心者から中級者まで、様々なシチュエーションで使える懐の深いカメラです。
後継機のGF9が出て、もはや旧機種となってしまいましたが、4K機能と外観以外に大きな違いはありません。MFTの理念を体現する一つの完成形として、今でも一線で活躍できるいいカメラだと思います。