『EVFは微妙』 パナソニック LUMIX DMC-GM5-K ボディ [ブラック] てんでんこさんのレビュー・評価

2台持ちのGM1を1台処分して入れ替えました。以下、GM1からの変更点を中心とした感想です。

ジョグダイヤルがなくなり、代わりに＜水平回転＆押し込み＞ダイヤルになりました。ジョグダイヤルは評判が悪かったですが、それはスキルの問題ともいえ、個人的には、ほとんどの操作を1カ所で済ませられるGM1のほうが好きです。新しいほうのダイヤルは回転も押し込みも固く、やたら力が要ると感じます。おそらくボディーがとても軽いからでしょう。

なお、この変更の関係にともない、十字ボタンの上▲でisoが変えられるようになったこと、再生時に拡大状態のままコマ送りができるようになったことなどは改善点です。背面ボタンが１つ追加されたことも付記します。

一方、軍艦部のモードダイヤルにあったカスタムモードが２つから１つに減り、モードダイヤルを回すだけで別のカスタムモードに移ることができなくなってしまいました。必ずメニューに入っていかねばならず手間がかかります。設定可能なカスタムモードも以前の４つから３つに減りました。

GM5の最大の売りはEVFです。しかし、あまりに拡大率が小さくて中高年には見にくいと思います。視度調整のいささか狭いようにも思います。……と文句たらたらですが、望遠レンズ（35-100、45-175）を使うときはずいぶん助かります。EVFは左側にありますが、やはり左目で覗いたほうが安定します。EVFとモニターの切り替えのタイムラグは短く、イライラしません。比べるとオリは遅いなあ。

GM1とGM5のボディー高さはほとんど変わりません（GM5が2mmくらい高い？）。しかるにEVFを取り付けたしわ寄せでモニターサイズが小さくなってしまいました。GM1のモニターはわりと見やすかったのに残念です。ちなみにGM5のモニターサイズはオリのPL6までやPM2などと同じです。

GM1では親指置き場に困っていましたがGM5では親指レストができました。そして、そこから1cmくらい親指を左にずらすと操作ダイヤルがあり、その左にボタンがならぶという配置は使いやすい。この辺はさすがパナです。

バッテリーは小型ですが、小まめにメインスイッチを切っていると400-500枚撮れます。公称値は240枚？だったはず。でも、こういうのは、ユーザーの心がけひとつでずいぶん変わります。

当機にはブレ補正機能がありません。しかも、ボディーの軽さが災いしてブレやすいカメラです。例えば、25mmレンズを1/50sで切るのが限界です。オリレンズやパナの単焦点を用いるときはブレに注意が必要です。

GM1はそれまでの概念を変えた画期的なカメラでした。どうも見てもコンデジにしか見えないカメラで、フルサイズ１眼レフと同じ仕事がこなせましたから、じつ痛快でした。GM5はそこへEVFを搭載しているわけですから鬼に金棒だと思って予約購入しました。しかしながら、上記のごとくEVFはけっして使いやすくありませんし、そのしわ寄せがモニターサイズに来ています。

当機はやはり基本的にモニターで撮影するカメラで、必要に応じてEVFを装着するほうがいいと思います。それならEVFの拡大率も大きくできるし、モニターも従前の大きさにできます。次期ヴァージョンに期待します。

当機を「小さすぎる」と評するひとがいます。ひとそれぞれ感覚は違いますが、もっと気になるのは「大きなレンズを着けるとバランスが悪い」という意見です。個人的には大間違いだ思います。わたしはGM5でいちばんよく使うレンズは12-35mmf2.8で35-100mmf2.8もよく使います。これらのレンズを他のカメラに着けると重いですけど、GM5だとレンズだけを持っている感じです。バランスが悪いなどとは微塵も感じません。完全に左手で持っているからでしょう。このとき右手はほとんどフリーなのでとても操作しやすいです。

なお、小型の汎用ゴムグリップを着けています。ちょっとしたことでホールドが改善されます。純正品は重いし嵩張るし裏蓋が明けられないしで、いいところがありません。

当機は電子シャッターおよび電子先幕シャッター搭載です。そのため1/16000sまであり、明るいレンズでもほとんど開放で使えます。電子シャッターは幕速が遅いため、動体を撮ったときの変形が、フォーカルプレインシャッターより大きめ。とはいえ、それが気になるのは乗物くらいです。