『修行用レンズ（EM-1 mark2で使用しています）』 オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 [ブラック] 蠍座の蟹さんのレビュー・評価

素直で無難。クセが無くて使い安い。
でも簡単には「素晴らしい写真」は撮れません。
なぜなら、このレンズは「修行用レンズ」だからです。

【操作性】
AFの速度と精度は良好です。静粛性も高く、AF-S＋MFと組み合わせて使い安いレンズです。
EM-1 mark2のポテンシャルを引き出していますが、Proレンズよりも遅く、迷うこともあります。
このレンズの使い方としては、AF-Sでフォーカスを合わせた後、MFで微調整することが多いです。カメラ本体にMFをアシストする機能（拡大表示やピーキング）がありますので、MFを効率的に練習できます。

【表現力】
素直で忠実な、クセの少ないレンズです。何も意識しないでシャッターを押せば、主題のあいまいな写真しか撮れません。

マイクロフォーサーズのf1.8ですので、フルサイズのf1.4と比較するとボケ量は限定的です。フルサイズの単焦点レンズであれば、主題にフォーカスを合わせて開放で撮れば「それなりの写真」になります。このレンズでは、構図・色彩・少ないボケを効率的に・・・と考えて、足を使って撮る必要があります。

一方で、クセが少ないという特徴があり、撮影者の意図も反映させやすいと思います。LEICAレンズでは「意図してたことと違うけど、これはこれでOK」というケースがありますが、このレンズでは、そういうラッキー安打は少ないです。

【携帯性】
小さくて持ち歩きに最適です。カメラに付けっぱなしでも、十分小さいです。

【機能性】
最短撮影距離が25cmと短く、かなり寄って撮影できます。AFは、静粛・高速・正確で、普段使いには十分です。
暗いところでのAFが、もう少し強いと嬉しいですが。

【総評】
いわゆる標準レンズの王道です。
換算50mmの単焦点としては、ボケが少ない点が欠点と言えるかもしれません。
以前、Zeiss Planar 50mm/f1.4を使っていましたので、ボケが少ない点は不満です。感覚的にはTessar 45mm/f2.8に似ています。

「ボケの大きな写真＝素敵な写真」と思う方には、物足りないでしょう。

ですが「ボケ量の少なさをテクニックでカバーするぞ！」という方には、修行用レンズとして最高です。

f1.8ですので、ボケは少なくても明るいレンズです。そして小さくて軽くて静かなレンズです。
暗い場所、動きのある被写体、カメラを目立たせたくない場所など、所構わず練習できますよ。