広角端の周辺描写が物議?も、軽量でバランスが良い標準ズーム♪
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1.広角端の逆光時のゴースト。周辺部がまだ甘めか。(24mm, f11) |
2.28mm辺りの描写はとくに問題なさそう。(29mm, f11) |
3.35mm辺りの描写は素晴らしい。(33mm, f5) |
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4.50mm辺りの描写も素晴らしい。(50mm f11) |
5.街の切り取りスナップに。(70?、F6.3) |
6.望遠側のボケはちょっと硬めかも。(70mm, f11) |
【操作性】
鏡筒の前部分がフォーカスリング、カメラボディ側が幅広
のズームリングです。いずれも十分な幅で金属ローレット
仕上げで指掛かりもよく操作性は良好です。
AF時もフォーカスリングは動きません。
フォーカスリング、ズームリングの向きはソニーαA・
旧ミノルタレンズと同じです。鏡筒は自重で伸びません。
金属/プラスチックのハイブリッド製の花形フードには
ロックはなく、クリック感と共に固定されます。逆付け
収納できます。
AF/MF切替はボディ背面右肩のC2ボタンで押し+十字キー
で選びます。MF時は中央が自動で拡大され(MFアシスト)
正確なピント合わせができます。
その他の可動部やスイッチ類はありません。
【表現力】
・24mm広角端では開放f4で目立つ周辺光量低下があり、
f5.6でやや改善、f8で周辺部付近まで改善するものの、
四隅がf5.6より落ちて見えます。f11四隅もやや改善
しますがf16は変わりません。
・35mmでは開放f4で四隅に軽度の周辺光量低下があり
ますが、f5.6で改善し、f8でフラットになります。
・50mmでは開放f4で四隅に軽度の周辺光量低下があり
ますが、f5.6で改善し、f8でフラットになります。
・70mmでは開放f4で軽度の周辺光量低下がありますが、
f5.6でほぼ改善し、f8でフラットになります。
・24mm広角端では開放f4でコントラストはほどほど、
周辺部もある程度は解像しますが甘いです。f5.6では
コントラストが急に立ち上がり、解像もよくなりますが、
周辺部は甘さが残ります。f8で良像範囲が増えますが、
四隅の甘さが残ります。f11から四隅も改善してきます。
・35mmでは開放f4からコントラストも良好でごく四隅
に若干の甘さがありますが解像しています。f5.6では
コントラストもさらに向上し、四隅の解像も改善します。
f8以降、画質向上のための絞り込みは必要なさそうです。
・50mmでは開放f4からコントラストも良好でごく四隅
に若干の甘さがありますが解像しています。f5.6では
コントラストもさらに向上し、四隅の解像も改善します。
f8以降、画質向上のための絞り込みは必要なさそうです。
・70mmでは開放f4からコントラストもわるくありません
が、35,50mm域に比較すると若干柔らかめの解像感で、
四隅に甘さがあります。f5.6ではコントラストもさらに
向上し周辺部で改善しますが四隅は甘さが残ります。
f8以降で周辺まで解像します。
歪曲は自動で補正されます。実写でタイル地をとっても
全く問題ありません。EVF表示を含めミラーレスシステム
の大きな利点だと思います。
レンズ補正では歪曲収差補正はグレーアウトしていて、
オン、オフを選べません。ライブビュー画像も補正されて
います。16−35mmf4は歪曲収差補正はオンオフが選べる
ものの、オンでもライブビューは歪曲あり、撮影後画像は
補正済み、と本レンズと挙動が異なります。
逆光は絞るとウニのような光芒が出ます。わずかに
ゴーストも出ることがありますが、フレアは目立たず、
逆光にはわりと強いと思います。
望遠側のボケはやや硬め、少し二線ボケっぽいようです。
開放から使える中間焦点域に比べて、24mm広角端では、
周辺描写を整えるならf11程度までの絞り込み必要で
(それでも完全ではない)、周辺光量低下も併せて描写
の差がやや目立ちます。
(作例はα7S(1200万画素)のJpeg撮って出しです。
周辺光量低下補正、倍率色収差補正、歪曲収差補正オート、
ピクチャースタイルは【風景】です)。(写真1〜6)
【携帯性】
最大径x長さ:73x94.5mm 重量:426gとフルサイズ対応
のf4通し標準ズームとして、比較的軽量コンパクトです。
キヤノンEF24-70mm f4L IS は最大径x長さ:83.4x93mm
重量:600g、ニコンAF-S 24-85mm f3.5-4.5G ED VRは
最大径x長さ:78x82mm 重量:465gと近いですが、
f値可変で望遠端はf4.5(85?ではありますが)です。
α7S(446g)と合わせると、872g、NP-FW50(42g)込み
でも計914gと軽量のフルサイズセットにできます。
【機能性】
最短撮影距離は0.4m(最大撮影倍率0.2倍)と普通です。
キヤノンEF24-70mm f4L IS は最短撮影距離0.2m(同0.7倍)、
ニコAF-S 24-85mm f3.5-4.5G ED VRは最短撮影距離は0.38m
(同0.22倍)です。キヤノンEF24-70mm f4L ISの近接力が
が目立ちます。その分サイズは大きいですが
円形絞りが採用されています。
手ブレ補正機能があります。実感で3段ぐらいでしょうか。
ボディ内手ブレ補正のないα7初代シリーズユーザーには
うれしいです。
レンズは防塵・防滴に配慮した設計で、安心感があります。
【総評】
広角24mmから70?中望遠域をカバーするf4通しで小型軽量
のフルサイズ標準ズームです。同クラスでは最も携行性がよく
軽量のα7第一世代と合わせると1キロ以下のフルサイズ一眼
システムを組むことができます。なにを重視するかにもよりますが、
24−105?f4Gより237gも軽いのは魅力です。
ズームで使われることの多い両端、とくにかなりの絞り込みを
要する24mm側の描写が、ツァイスブランドで比較的高価なこと
もあり、厳しい評価につながっているようです。28mmからは
問題なさそうですが。
実写では良好な携行性とともに色乗りもよく気軽に使えます。
広角端は緻密な構成の都市風景や微細な風景描写などには
向かないかもしれません。中間焦点域はかなりの高画質です。
望遠端は四隅が少し甘いですが、実際はクローズアップ目的
の使用が多くあまり問題を感じていません。
広角端がもう少し・・で、満足度は4点です。