『281gしかないのに大口径高級レンズを下克上！』 SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z mi_na_miさんのレビュー・評価

ムスカリを最短撮影距離付近で	遠景・前ボケ・逆光どんな条件でも問題ありません	開放F1.8からピント面の解像度は非常に高いです
金属や錆の質感などの表現も得意です	モデル：雪音まりなさん

あまりに『神レンズ』と言うレビューが氾濫しているため、正直な話『初めて単焦点を使ったようなユーザー層（失礼な表現ですが）が過剰評価しているだけだろう』と判断し、手を出していませんでした。

55mmで開放F1.8という中途半端感に対し8万円級の価格は、Zeissというブランドネーム代が3万円くらい上乗せされていないか？と考え、ただコストパフォーマンスの悪い商品と決めつけ選択肢に入りませんでした。

それがSONYのWEBサイト αカフェで作例を覗いて見ると…何とも個性溢れる素敵な作品が沢山！
寄ってボケを活かしたものも、パンフォーカスの作品も、どれも素晴らしいものばかり。
一気に心変わりして自分も使ってみたくなり、購入に至りました。

届いて開封して驚いたのが、レンズ本体の小ささです。
フードは長さがあるのですが、本体だけなら驚きのコンパクトさです。
そして金属製なのに軽い（281g）！
α7?との組み合わせで1kgを切ってしまいます。
これこそミラーレス機の意義がある組み合わせだと思いました。
フィルター径が49mmなのも良いですね。

FE85mm F1.4GMも所有しているので、使い分ける程の価値を見出せるかが個人的な焦点でしたが、このサイズ感だけでもう期待以上でした。

AFは速くて正確、無音で文句のつけようがありません（FE85mm F1.4はシューシューと作動音がします）。

『寄れない』というレビューがありましたが、私はむしろ寄れると思いました。
最短撮影距離50cmですから、テーブルフォトには向きません。
作例を掲載しますが、程良くボカしたポートレートやスナップで本領を発揮するレンズではないでしょうか。
最短撮影距離付近ではグルグルボケ風になり、オールドレンズのような味わいもあります。

55mm F1.8というスペックを頭から排除して、丁度良い距離感や被写界深度をコントロール出来る様になれば、15万円・20万円するような巨大で高額なレンズの存在が霞むほどの写真作品を生み出す事が可能なレンズです。

要するにスペックに捉われず、自身の目的に合致するレンズを選択しましょう、と言う事だと思います。
それがミラーレス機であれば、システム全体を軽量コンパクトに出来れば尚の事、撮影に注力出来てメリットがあると思います。