『ボディキャップと思えば文句なし』 SONY E 20mm F2.8 SEL20F28 安くて結構！さんのレビュー・評価

フードを付けなければ、グリップ部分より出っ張らないレンズ全長。	E18-135と全長比較。	レンズキャップ並の収まり具合。

【操作性】

　操作するものはピントリングしかありません。

　レンズが短すぎてピントリングの幅も狭いから、手の大きいとピントリングが回し辛いと感じるかも知れませんが、α6700との組み合わせで合焦しないことは稀なので、ピントリングを回す機会がそもそも皆無に等しいです。

【表現力】

　αを名乗る前の薄型APS-Cボディ＝NEXシリーズに合わせ、とにかく薄く仕上げることを最優先にしたレンズのようです。平均的な性能としてはE18-135mmF3.5-5.6OSSより少しマシという程度です。開放値はF2.8、最短撮影距離は20cmなので被写体に近づけばE18-135mmF3.5-5.6OSSより背景をボカせますし、絞り開放でのシャープさもE20mmF2.8の方が上ですが、F8まで絞れば20mmF2.8の画質優位性はほとんど無くなります。

　E20mmF2.8は単焦点レンズとしてはボケ方が少し汚いように感じます。

　このレンズを購入する際、対極なコンセプトを持つシグマ23mmF1.4DC DNとかなり迷いました。

　表現力は比べるまでもなくシグマ23mmF1.4DC DNの方が圧倒的に上ですが、レンズサイズが決め手でした。23mmF1.4DC DNが、既に所有しているシグマ56mmF1.4DC DNより長くなってしまい、フードまで装着すると、いかにも写真撮ってますなサイズ感になってしまいます。

　外出先での稼働率を上げようと携帯性でE20mmF2.8を選びましたが、ボケがあまり綺麗ではなかったので（個人的感想）、シグマ23mmF1.4DC DNにしなかった事を、実は少し後悔しています。しばらく遊んでみたら、E PZ16-50mmf3.5-5.6 OSS　の更新版、ないしは20mm域が含まれる超広角ズームに乗り換えてしまうかもしれません。

　フルサイズ換算35mm前後のスナップシュータ―として、このレンズのライバルはリコーGR3、フジフィルムX100シリーズ、そしてキャノンEF-M22mmF2あたりではないでしょうか？

【携帯性】

　とにかく小さくて、軽くて、薄っぺたい。いったんボディから外してしまうとどこに閉まったのか分からなくなるほど、どこにでも収まるサイズです。

　フードを付けないE20mmF2.８をα6700に取り付けても、レンズ先端がボディのグリップより前に出ません。なんという収納性の良さでしょう。このレンズはボディキャップ代わりにボディに付けっぱなしにしておくのが最強な使い方かもしれません。

　あえてフロントレンズキャップも付けないで速写性最優先で。いっそのこと脱着式のフロントレンズキャップではなく、開閉式のレンズバリアを採用して欲しいですね。かつてのミノルタAF35-80mmF4-5.6、AF80-200mmF4.5-5.6のように。

【機能性】

　こんな短小レンズなのに、ちゃんとフードが付いてきます。キャノンさんは見習って下さいね。
　撮影時にフードを逆さにしないレンズはこれが初めてだったので、はじめは戸惑いました。フードを装着したままだとレンズ本体の倍近い装着全長になってしまうのが少々残念です。

【総評】

　10年以上前に設計されモデルチェンジもしていないのに未だに新品が3万円以上もします。ヤフオクなどで中古品も出回っていますが、良質なものを落札するのに2.5万円は必要になるので諦めて新品を買いました。安定して人気がある証拠ですから、ソニーさん、そろそろモデルチェンジしてみてはいかがでしょうか？

　α6700にボディ内手振れ補正があるからF2.8でもなんとか実用になりますが、暗所での使用を考えるとやっぱりシグマ23mmF1.4DC DNが羨ましくなります。

　APS-Cレンズとして携帯性と表現力のバランスが最も良いのはキャノンEF-M22mmF2だと思うので、モデルチェンジの際はもう少しレンズが長くなってもいいから開放値をF2.0くらいまで大きくして解像力の向上と美しいボケを求めます。