【操作性】
ズームと共にバレルが伸縮する形式はあまり好みではない。フロントを何気に何かに当てたり、ぶつけた際に光軸が狂うのではないかと心配になるので。実際には、ガタガタしていて光軸の精度には鈍感な設計になっているらしいので、実用上の問題はないと思うしそうでないと困る。数年使っているとどうしてもズームがスカスカになって重みで伸びてしまうのは、予想はしていたが、残念だ。インナータイプならそれも少ないので、この点は先代のレンズの方が良かったと思う。質感や内部構造がプラスチックそのものなのは価格を考えると評価できない。内部の一部に金属を使ってはいるけれども、そこは精度を考えると当然という箇所であるし。
【表現力】
通常の写真では、F2.8の高価な標準ズームとしては「並」、との評価は最初から今まで変わることはなかった。特に発色が良い訳ではないし、質感再現が良い訳でもないし、特に緻密な描写という訳でもないから。最大の弱点は逆光に弱いというところだと思う。先日も撮影の依頼で晴れた冬の日の地面の照り返しのあるシーンで使用したが、ハロだらけで使い物にならなかった。仕方ないのでTSE-24mm?に取替えてマニュアルで撮影したが、そちらの方が遥かに抜け良く発色良くピシッとした写りで見事にリカバリーしてくれた。本質的な性能に雲泥の差があるのは、ズームの宿命だろうか? 同様に夜景でもTSE-24mm?の方がずっと良い。このレンズは中間画角の画質もそれより汚いのだ。ただし、天体写真になると評価がガラッと変わる。悪くないどころか下手な単焦点レンズよりずっと優秀なレンズに化けるのが面白い。コマや倍率の色収差の少ない非常に素直な描写をしてくれる。この一点のためだけに放出するのをためらっている状態で困っている。
【携帯性】
プラスチックを多用して軽量なので、携帯は快適。太さはもう少し小さいと使いやすかったと思う。
【機能性】
ISはないけれども特段の問題は感じていない。しかし、ISありの製品と比べて光学性能が目に見えて良いという訳ではないので、そこはもう少し頑張ってほしかった。値段からすると特に。
【総評】
発売当初は、標準ズームとしてはびっくりするような高価な価格で世界中からブーイングがあったようだけど、今はそれなりに落ち着いているのだと思う。確かに光学性能は悪くはない。他社の類似ランクの標準ズームと比べると、未だに上回っていると思う。しかし、絶対的な光学性能だけで言うと、もっと暗くても実性能は上回っている他のレンズが存在するので、結局のところ、価格を考慮すると「並」という評価に落ち着いている。手放しで絶賛する人もいるかもしれないが、少なくとも私はそうは思わない。