『妖艶描写が得意』 富士フイルム フジノンレンズ XF35mmF1.4 R 南米猫又さんのレビュー・評価

絵が垢抜けて現代的 （ まつ毛にたやすく合焦 ）	全開放でもAF に不安なし	（参考） S5 Pro はXマウントよりシックな絵

親友の気の利いた配慮のおかげで入手。　
いい加減なワンショット目から爽やかな絵がポロン、　　…ウオッ！
感激が去らないうちにレヴューします。

廉価版のX-A1（ファインダー無し）のAF任せでも、ピント精度が極めて高く、
（AFエリア指定。　パーティーのスナップなどではきっと顔認識も便利。）
F1.4でもマニュアル補正不要。　
（角度により、瞳よりまつ毛にピントが来そうな場合、シャッター半押し後に
ほんの心持ち押し込んでいます。）

画質を気にせず室内ではバンバンISOを上げて気軽にスナップします。
それでも女の子が綺麗に写ります。
カメラ内現像で最高潮にもっていくよう設計されているのでしょう。　
つまり、カメラから独立した形のレンズ性能を語るべきではなく、
フジXマウントの一環システムとして評されるべきレンズです。
RAWはカメラ内現像が好ましいでしょう。

使用上のコツが2つあることに気づきました。
●　AFエリアの枠を「大きめ」にすれば目へのピント合わせはまず迷わない。
●　ピピッ！と鳴ったらシャッターを押す。　鳴らなければ押すな。
（ X-A1は「レリーズ優先・フォーカス優先」の選択機能がありませんが、
一度ピントが合うと、シャッターの指を緩めてもフォーカスロック状態が
すぐには解除されにくいらしく、似た構図の連続撮影ではツーショット目から、
アウトフォーカスでもシャッターが下りてしまう魔の状態が頻繁に起きます。
どのカメラでもこの魔は起こりがちですが、そのときX-A1はピピッと鳴りません。
間欠撮影ではピピッと鳴るのを待たずに、一気にシャッターを押し込んでも
ちゃんとピントが合うので、上記が原因だろうと感じました。
指の緩め方が半端なのかもしれません。）
この2点に気をつけると、自分の撮り方では百発百中でした。

個人的にはOVFを好みますが、ミラーレスの長所との組み合わせで、
XF35mmF1.4 Rは使い易い事この上ない大口径レンズです。
●　画面の隅々にまでAFエリアを移動させることができ、
AF でも構図制約から放たれます。　ピント精度は画面周辺でも高く、
F1.4全開放でもバシバシ決まります。
●　逆光ではOVFだとモデルの顔は暗くて見えません。
ミラーレスでは露出補正が反映して顔を見ることができます。
●　シーンは目まぐるしく変わるが、速写が物を言うスナップなどでは、
EVFや背面モニターでは設定値の仮想露出で見られますから補正が楽で、
慣れればけっこう適正露出に近い値が素早く選択できます。

画質には詳しくありませんが、X-A１との組み合わせでは、
同時に使用したS5 Proの絵と比べると、レンズもカメラも描写がモダン化され、
使い勝手の秀逸も含めて、新しい時代を感じました。
　
一方、レンズ鏡胴の質感は高く、プラスチック感がなく、
時代に逆行してる楽しさがあります。

使い易さ、粋な描写力、高いボディ質感のおかげで
大口径の魅力が存分に満喫できるレンズです。