NEX-7からの乗り換えですので、比較を中心にレビューします。
【デザイン】
基本的にはNEX-7と同じデザインですが、厚みが増したり、モードダイヤルのプリントが追加されたりなど、細部を比較してしまうと野暮ったさは感じます。
板にレンズを付けたデザインコンセプト自体は良いのですが、さすがにそろそろ見飽きた感もあります。
【画質】
屋外の風景を撮る場合など条件が良い場合はNEX-7と大差なし。
しかし人物撮影ではオートホワイトバランスの改善が非常に大きいです。
今まで黄色か青に転びがちでしたが、やや赤みを残した好ましい色合いとなってくれます。
またストロボ使用時にもオートホワイトバランスが反映される(されないように変更も可能)のも大きな進化。
後処理を前提としなくてもそれなりに満足出来るレベルになりました。
動画の面では4K24P(30Pはクロップされるので微妙)のおかげで解像度が大幅に上がりました。
高感度も2段ぐらい強くなっており、動画機としては以前とはまるで別物となりました。
【操作性】
fnキーから各設定に一括でアクセスでき、そこからダイヤルで直接設定変更出来るのは非常に便利。
メニューは煩雑ですが、マイメニューに使用頻度が高い項目を登録しておけば使いやすくなります。
どちらもカスタマイズ前提で、そのカスタマイズ可能な項目が微妙に痒いところに手が届かなかったりはしますが、及第点。
肝心なAFポイントの移動に関してはジョイスティックがなく、ボタンとダイヤルの同時押しなどスムーズとはいえず。
ただタッチトラッキングが優秀なので、もうそれでいいかなといった印象です。
ダイヤルのフィーリングは重くガチャガチャした感じで悪いです。
NEX-7の軽く爽快なフィーリングで意味もなくカリカリ回したくなったダイヤルとは大違いです。
実用面では固い方が誤作動防止で良いのは分かってはいるのですけどね…。
【バッテリー】
以前と変わらず。撮影会などでは1500枚ぐらいは撮れるので個人的には十分。
動画は連続で80分ぐらい撮れますし、給電しながらの撮影も可能。
【携帯性】
一回り分厚くなったとはいえAPS-C機としては十分コンパクトだとは思います。
ただこのスペックを生かすにはそれなりに良いレンズが必要なので…。
【機能性】
リアルタイム瞳AFで話題となった本機ですが、意外と瞳認識どころか顔認識もしてくれないなといった印象です。
どうやらウィッグ等の人外な髪色が苦手なようなので、2.5次元系の人は要注意。
とはいえNEX-7世代とは雲泥の差。顔認識時の露出制御をオフにすることが可能となったのも何気に便利です。
Imaging Edge Mobileによりスマホでの操作が可能となったため、QX的な使い方が可能となったのは嬉しいところ。
縦横切り替えがスマホに反映されないなどQXより劣る点はありますが、動画では便利です。
残念なのはα6000、6300であったPlayMemories Appの対応がなくなってしまったことでしょうか…。
【液晶】
EVFは以前より自然な色合いで若干綺麗になりました。
背面液晶は相変わらず小さく見づらいですが、180度チルトが可能となりました。
個人的にはそれよりバリアングルにして欲しかったところではありますが。
【ホールド感】
少しグリップが大きくなっていますが基本的には変わらず。小さいレンズであればホールド感は良いですが、メインで使っているSELP18110Gではホールド感は不足は否めません。
【総評】
いくつか不満点はあるものの性能は申し分ないです。
特に動画用途では以前とはまるで別物になりました。撮って出しならFS5IIやGH5Sなどにも負けないと思われます。
しかし満足度としては微妙です。
手ぶれ補正がないことを除きα6500より高性能でありながらエントリー機として売るソニーの販売戦略が不満。
α6500sのような動画専用機的なイメージであれば良かったと思うのですが…。
α6100、α6600が発表され、今後更に微妙な存在になっていくのは避けられないでしょう…。
道具としては文句なしですが、NEX-7の時のように所有欲は全く満たされないので、いまいち愛着は持てずにいます。