以下の内容はhttps://retroaudio.blog.jp/archives/cat_205571.htmlより取得しました。


流浪の雑誌「ステレオ時代」は7月に「ステレオ時代neo」として新創刊された。
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事情は本紙に掲載されているが、簡単に言うと通販のみの販売から再び書店での流通にするために新たな発行元が付いた、ということである。通販専売で2号発行されたが(Vol.22とVol.23)相当売れなかったらしい。書店流通がないと難しいということで、三栄という会社に引き受けてもらう形で「新創刊」となった。
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ふたたび書店流通するということは良いことなのだが、懸念もある。(後述する)

これを機会にこれまでを一覧にしてみた。


Vol.21まではネコパブリッシング、Vol.22とVol.23はエン・プランニング、neo は三栄が発行元である。


本誌の内容はこれまでとほとんど変わらない。有益な情報があると感じれば買うことになるだろう。
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懸念材料
ネコパブリッシングから直販に移行した時、広告には、はっきりと「季刊」と書かれていた。事実、Vol.22とVol.23は2022年12月と2023年3月に発行された。その続きであるneo Vol.1も2023年7月発行である。ペースはほぼ守られていた。
しかし、三栄に移ってから先は「不定期刊」となっており、neo Vol.1には次号の予告がなかった。

かつて澤村編集長が言っていた「売れなければ廃刊」という時代に逆もどりした感がある。
少し、心配である。

「ステレオ時代」Vol.22が発売された。
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予想通り書店での発売がなくなり、一部特約店とネット販売のみになった。
ただ変わったのはそれだけとも言える。
体裁や中身はこれまでと全く変わらない。
価格もVol.21と全く変わらず税込み1,650円である。(送料込み価格=良心的)

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今号の特集はYAMAHAのスピーカーNS-10M(通称テンモニ)のはずである。表紙にデカデカと書いてある。が、編集後記にも書かれているが事情があってテンモニの記事内容がやや乏しい。当初の構想通りならもう少し読めるものになったであろう。それは今後に期待というところだろう。
目次を見たら特集は「マクセル」のほうだった。
ボリューム的にもこちらは特集と呼ぶのにふさわしい。

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1987年2月のYAMAHA新製品情報 NS-10M PROがリリースされ同時に横型のNS-10M STUDIOが発売された

ステレオ時代フェーズ2はこうして始まった。
拍子抜けするほどこれまで通りである。
書店で中身を見てから買うことができなくなったが、むしろ安定的にリリースされるようである。
自分もこれまで通り内容次第で買うことにしよう。

2022年3月発売のVol.20で予兆はあった。
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ネコ・パブリッシングがCCCの子会社カルチュア・エンタテインメントに買収されたのは2021年2月のこと。(もともと2012年にCCC傘下には入っていた)
1年経って方針がはっきりしたのか、返品を前提に雑誌を作らない=「発行部数を減らす」ことを予告していた。(確かに今回のVol.21(2022年8月発行)は近所の書店では見かけなかった)
通常パラパラめくって、買うかどうか決めているので(内容次第で買わないことも多かった)実際の雑誌を見ないと買えない。Amazonでは買えないのだ。今回、県内唯一の紀伊國屋書店で平積みになっていたので、パラ見して購入した。
読んでいて衝撃の内容を見つけるのだが、それは後に譲ろう。
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今回のメイン特集はサンスイであった。サンスイがいかに自滅していったかが端的にまとめてあったが、そんな中でもごくわずかな技術者によって歴史に残る名機が作られ続けていたことを知った。(Zonotoneの前園さんもその一人らしい)

サンスイについてはサンスイ製品を専門に扱うメンテナンスショップがあったり、いまだに人気が高いが、最後期のプロダクトでも30年近く経とうとしている。そのままの形で実用に供するのは困難になりつつある。それは中古オーディオ全般に言えることだ。

いわゆるオーディオ御三家サン(Sansui)・トリ(TRIO)・パイ(Pionner)のすべてが当時の形では存続していない。放漫経営の末、労使の対立で自滅したサンスイ。お家騒動で分裂、創業者の春日兄弟がTRIOを辞めケンテック ケンソニック(のちのアキュフェーズ)を創立。TRIOはブランド名だったKENWOODに社名変更したのちJVC(ビクター)と合併JVC-KENWOODとして存続している。パイオニアはこの三社の中では桁違いに大きく、2000年代には100万円を超えるプラズマディスプレイKUROなどを作っていたが、時流は低価格の液晶に移っていき、結局このディスプレイ部門が足かせとなり、事業がままならなくなった。オーディオ部分はONKYOの子会社となったが、そのONKYO自体がほぼ消滅した。
ONKYOの消滅で日本のコンシューマーオーディオメーカーがほぼ壊滅した。(SONYやYAMAHAは残っているが、もはやオーディオメーカーとは呼べないだろう)明らかに時代が変化し、オーディオの形も変わったのだといえる。

その時代にそのような機器を使い、そのような音を聴いてきた、自分のような古い人間は80年代、90年代の機器を使い続けているが、これをノスタルジーとは呼びたくない。実際よい音だから選んでいるのだと言いたい。経時変化でその当時の音ではないかもしれないがよい音を出している。(そうでなければ使わない)

そんな人たち向けの雑誌が「ステレオ時代」だったのに…

Vol.21に澤村信編集長がネコ・パブリッシングを退社したことが書かれていた。通常の雑誌なら、編集長が変わり存続するものだろう。しかし、この雑誌はほとんど澤村さん(と牧野さん)の個人雑誌であった。毎号、「売れなければこれで終わり」という気概で発行されていた雑誌である。澤村さんが去ればネコ・パブリッシングから発行されることはないであろう。
(その証拠に澤村さん個人が別の形でも存続させると宣言している)

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ただ、普通に書店に並ぶ形にはならないような予感がしている。自分のような定期購読しない人間にも情報が届く形にしてほしいと願うのは、わがままでしょうか?

AUDIO BASIC誌は以前の記事で触れたが、2012年の10月(64)号で休刊になり、その後継雑誌(Gaudio)もすでにない。そのあたりのことはいずれ書くつもりだが今回は小ネタを少々。
自分所有の一番古い号は、20号(2001年秋)だ。以前この稿で取り上げた雑誌の箱買いをした際に手に入れたものである。
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下から20号、22号、44号
このときの雑誌の正式名称は「FMfan別冊オーディオ・ベーシック」である。これが22号になったときには「BSfan関西版別冊オーディオ・ベーシック」となっている。さらに44号では別冊表記がなくなっている。
このあたりの事情は編集長からのご報告や各号のEDITORS VOICEに記載されている。
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22号での変更はFMfan誌の休刊によるもので、関西版となったのはBSfanという名目は他の雑誌に使用していたからだという。独立した雑誌コードを取らなかった(取れなかった?)理由もうっすら書いてある。
伝統あるFMfan誌はこのころ休刊になったということだ。(2001年頃)他のFM誌が90年代に休刊になっていくなか良くもったというべきなのだろう。(ちなみに三大FM誌といえばFMfan、週刊FM{91年休刊}、FMレコパル{95年休刊}…。と書いてから「あれ?FM STATION{98年休刊}は…」と思った。四大FM誌というのが正しいのだろうか?)
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右側 43号の表紙イメージ 独立創刊号の文字がうっすら見える

軽く10年以上経ってから独立を果たしたAUDIO BASIC

 「BSfan関西版増刊」より独立。オーディオ情報誌。
「いい音で聴けば音楽はもっと楽しい」がテーマのオーディオ情報誌「AUDIOBASIC(オーディオ・ベーシック)」が「BSfan関西版」増刊より独立創刊になります。

(2007年書店向け情報サイトの創刊情報ページを転載)
新しく雑誌コードを取得した雑誌は「創刊」と呼ばれるのが一般的らしい。

43号が独立創刊号ということだが、44号に編集長のコメントが載っていた。
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これを読むと表紙に独立創刊号の文字があった43号には何の説明もなかったらしい。
44号にお詫びと説明が載っていた。ただ、このタイミングで「独立創刊」した理由については触れられていない。前回と同様BSfan誌が休刊したのかもしれないが、よくわからない。

メルカリ等でバーコード検索する際、別冊扱いのコードだとエラーになる。独立した雑誌コードが必要なのだろう。(一人前の雑誌ということ?)

AUDIO BASICは別冊での創刊から10年以上経ってようやく独り立ちできた。
その後5年で休刊の憂き目にあうのだが…

今回は雑誌ではなくてMOOKの「10年後も「定番」いい音を選ぶ」を取り上げる。
共同通信社のAUDIO BASIC別冊として発行されたものだ。 全体のトーンは表紙のデザイン(色合いや佇まい)に表れているが、読者年齢がやや高めの設定で落ち着いた感じである。紹介されているメーカーもややハイブロウ。特集も19世紀のギターだったり、ビートルズだったり、アナログオーディオだったりAUDIO BASIC本誌の読者より高い年齢層を対象にしているようにみえる。
MOOKなので不定期刊だが最初のもの(無印)は2006年12月発行。それから1年に1回4年にわたり発売された。

10年後も「定番」いい音を選ぶ

発行年

 

メイン特集

付録CD

価格

2006

12

無印

いい音と出逢える定番コンポ68

19世紀ギターの21世紀 

1,500

2007

12

2

いい音と出逢えるアナログコンポーネント64

マイスターミュージック傑作選

1,500

2008

12

3

The Audio Systemオーディオを「組む」愉しみ

なし

1,500

2009

12

4

ビートルズを「良い音」で聴くためのオーディオシステム

なし

1,500



初号(無印)は未見で内容がわからないが、特集記事の一つ:19世紀ギターの21世紀 「蘇るヴァーチュオーゾ」を担当した鶴田さんという人が書いた記事がウェブ上にあった。(その特集はカラー8頁だったようだ)
http://www.crane.gr.jp/CRANE_Back_No/AudioBASIC2006W/index.html

この号にはCDが付属されており、この特集とリンクしたギター曲が収められていたようだ。しかもそれ用に録音されている!お金がかかっているぅ。まあ、鶴田さんによると演奏家の方々への報酬は微々たるもの(=「ほとんどボランティア」)だったようだが)

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2007年発行の「2」
この号にもCDが付属されている。マイスターミュージックのサンプラーだったようだ。と、書いたのは現物を確認していないからだ。この号は中古で買った際、すでにCDは無い状態であった。
1(無印)の時は上記のように企画に合ったものをわざわざ録音して制作していたことに比べれば退行した。さらに「3」以降はCDの付録は無くなってしまう。(価格は据え置き1500円税込)
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2200712月発行。アナログオーディオとしてレコードプレーヤーと真空管アンプをフィーチャーしている。
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2000年代はiPod+iTunesによる音楽の聴き方に変化が訪れていた時代であった。CD-DAを圧縮してHDDに取り込み、持ち歩きどこでもどんな順序でも(なんなら所有するすべてのCDの曲を)聴ける時代が到来した。その下地の上にデータ配信(ダウンロード)によるハイレゾ音楽が視聴の中心となっていく(2010年代)ライトな視聴に関してはサブスクリプションによるストリーム配信が主流となっていく。(2010年代後半)

2007年とはどういう時代だったのか、音楽再生がデジタル一択(それもiPod一強)家庭でのオーディオがV(ヴィジュアル)を伴う5.1chサラウンドに大きく軸足を移していた時代である。ピュアオーディオを勢は勢いを失いそのダメージは今も尾を引いている。そんな中でピュアオーディオ勢が発見したのが「アナログ」オーディオだったのだ。2008年には日本でもiPhone3Gが発売されスマホ時代が開幕し、相いれないアナログと2極分化していく起点といえる時代であった。

本号の特集では2007年時点での商品の紹介はもちろんレコードプレーヤーの基礎的知識を手厚くとりあげ非常に良い内容である。初心者にも再入門組にも有益な記事が多かった。
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真空管アンプの記事に関しても十分なボリュームがあった。
まあ、10年以上前の記事なので今、わざわざ手に入れるほどのものかといえば、(もっと内容の新しいもの(特に製品情報)もあるので)そうではないと思うが手許にあると便利ではある。(ちなみに自分は何度も読み返している)

 

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2008年発行の3はメインの記事がコンポの組み合わせ。30万円から100万円の予算でコンポの組み合わせの提案が掲載されていた。今となっては現行モデルが少なく、あまり参考にならないであろう。

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この頃はまだCDの需要もあり、高音質(と言われていた)新素材CDの特集があった。

 

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2009
年発行の4の特集は「ビートルズ」である。2009年といえばビートルズのすべてのCDがリマスターされリリースされた年である。オーディオ雑誌でも盛んに取り上げられていたが、不思議とこの時の事を覚えていない。当時、ビートルズのCDを買った記憶もない。あれから11年経ちレコードリリース50周年のイベント(「サージェントペパーズ…」以下のアルバムすべてで50周年記念リミックス版が制作された。ただし「レット・イット・ビー」は除く)もすべて終了している。それでも人気が衰えないのはすごいことである。
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この号では「後世に残したいサラウンド文化遺産50」という記事があった。この頃まだDVD-AUDIOSACDの多チャンネルものが多くリリースされていたことがわかる。過去の名盤をリミックスして5.1chサラウンド化。付加価値をつけて売るということが盛んにされていた。ビートルズの「LOVE」については本稿でも取り上げたことがあるが、オリジナルを大きく逸脱するものもあったようだ。現在DVD-AUDIOは絶滅しSACDは高音質の2chシングルレイヤーのみ生き残っている?そもそも家庭内でサラウンドを聴ける環境がある人はどれほどいるのだろうか。10年前にはそこそこいたと思うが今となっては…

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「10年後も「定番」いい音を選ぶ」はAUDIO BASICより特集のボリュームが大きくて深堀だった。年1回の刊行で丁寧に作ってある感じがした。掲載されていた商品が果たして10年後に定番になっていたかは微妙なところだが(オーディオ市場のシュリンク具合は10年前の想像をはるかに超えるだろう)広告の少ないこういったMOOKは現代にこそ必要だと思う。(価格は倍くらいになってしまうかもしれないが…)





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