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この本を読んで腑に落ちたことがある。(「腑に落ちない」の方が慣用的に使われるが、「腑に落ちる」も誤用ではないらしい)
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FM誌は勃興から終息まで、わずかな時間しかなかったのがはっきりしている。一番長くて35年間(FMfan誌)である。そしてこの期間はカセットテープ(コンパクトカセット)の隆盛と丸かぶりしていたのだ。別表参照

NHK-FMが正式に開局したのは1969年のことだが、試験放送はそれ以前から行われていて、ステレオの実験放送が始まったのが1966年のことである。そのタイミングでFM番組表を掲載したFM誌が登場した。FMfan(1966)
70年代に入り民放FM局が開局したが、大阪と東京だけと言いう状態が長く続いた。
80年代に入り地方に民放FM局が続々開局し、FM東京を中心としたFM局の系列化(JFN)が進んだ。
80年代後半から90年代の初頭にかけてJ-WAVEを嚆矢とする新たなスタイルのFM局が勃興した。ほとんどトークを入れず1日中音楽だけをかけているような形態の局が出現した。その結果番組表は意味をなさなくなった。90年代に相次いで廃刊の憂き目にあうのはそういう事情である。

最後発のFMステーション誌が発行部数トップに立ったのは大判の雑誌サイズを利用したカセットインデックスが人気だったためだが。エアチェックをしなくなるとカセットインデックスづくりも廃れていった。

以前本稿でも扱ったことがあるが、1986年から1990年までの間がカセットテープの黄金期(TDKの場合ノーマルグレードだけで5品目存在した。AE>AD.>AD-X>AR>AR-X)だったが、エアチェックしなくなる時期と被っている。90年代前半から95年まではそれでもCDダビングで持ちこたえている感じだったが、それ以降は急速に終売に向かっていった。「FMエアチェック」から「CDダビング」へカセットの用途は変わっていくのだが、それも長い期間ではなかった。90年代後半からのMDの普及、CD-Rへのコピー環境の普及、00年代のiPodの出現がカセットテープの息の根を止めた。

週刊(とあっても隔週刊)単位で音楽またはオーディオ関連の記事が載る雑誌が4誌も出版されていたというのはなんと豊潤な時代だろう。(その中心コンテンツが共通の番組表だったとしても)インターネットなど無く、貴重な情報源が雑誌だった。という時代であった。

本書によれば最後発のFMステーションは若年層に食い込み小中学生といった若い読者が多かったようだ。自分はFMレコパル派でFMステーションを買ったことはなかったが、鈴木英人の表紙絵や大判サイズの誌面など店頭で異彩を放つ雑誌という認識だった。
基本FMステーション誌は「使う」雑誌で、切り取られる前提の造りであった。中古市場に完全な状態で見つかることは少ないと書かれているが、確かにそうかもしれない。そういった意味ではきちんと消費された幸せな雑誌だったと言える。

クロム(クロームとも)テープとハイポジション(TypeⅡ)というのは厳密には違うらしい。

ブリリアントシリーズKRとAVILYN 磁性体のSA
当初(1970年代初頭)、クロムテープと呼ばれる二酸化クロム(CrO2)を磁性体に使用した製品が登場した。(TDKでいえばKRがそれにあたる)古いカセットデッキににはCrO2やFeCr(フェリクロム=TypeⅢ)といったモードの表記のものがある。
数年後に、二酸化クロムを使用せず、クロムテープの特性に近い磁性体が開発された。
TDKでは酸化鉄にコバルトを吸着させたAVILYN(アビリン)という磁性体を開発し、SAで採用された。それ以降二酸化クロムを使用したテープは作られていない。(二酸化クロムの毒性問題や摩擦によるヘッドの摩耗、開発メーカーであるデュポン社の特許回避などのため)

そもそも、クロムテープはノーマルテープと何が違うのか。
・中高域の特性に優れ、ノイズが少ない。
・バイアスを深めに設定する必要がある。(専用モードで使用する)
・保磁力が高い(ノーマルとの比較、メタルテープの比ではない)
・MOL特性が狭めのため歪みがでやすい。(録音レベルを上げにくい。そのかわりノイズがもともと少ない)
・価格が高い。(ハイグレードノーマルとは差がない。低価格ハイポジ(SF、SRなど)とは逆転していたかも)

1975年のSA(AVILYN採用)はクロムテープの特性を保持しながらそれ以上の中低域性能を持ち、ハイポジションテープの嚆矢となった。他社も追随し、純然たるクロムテープは作られなくなった。

謎のグレードHX
1983年はカセット業界のエポックの年だ。MaxellがベストセラーとなるUDⅡを発売した年だからだ。この低価格で高性能なハイポジテープの出現はカセットテープの使い方を根本から変えていく。他社はその動きに追随していくことになるのだが、TDKが低価格ハイポジを出せたのは1985年になってからである。(次項参照)それまでUDⅡは市場を席巻し続ける。
TDKが1983年に出した(ハイポジ)モデルはHXだった。1代限りで終わった謎モデルで、使ったことはない。噂ではSA-Xを超える高級モデルだったそうだが定かではない。UDⅡと同じ年というのが不運だったのかもしれない。

青い悪魔=SF
ネットで青い悪魔と恐れられる存在がSF(1985)である。
マクセルUDを分化してノーマルのUDⅠ(1983)とハイポジのUDⅡ(1984)をリリース。中でも低価格高性能なUDⅡはバカ売れした。当時シェアトップのTDKは看過できなかったのだろう。SAの下のグレードのハイポジSFを発売した。SAと差をつける必要があったからかどうかわからないが、性能が低すぎて「青い悪魔」と呼ばれていた。(初代SFは他にはないスカイブルーのインデックスカードとブルーのカセットハーフを採用していた)
SFはH窓を採用した2代目の後、SRと名前を変えた。

AD TypeⅡの登場とハイポジの終焉
SRは上位モデルのSR-Xリリースなどバリエーションを増やしたが、1994年、その座をAD Type2に明け渡した。超優良ブランドADの名を借りて…ということなのかわからないが、10年前にMaxellがUDで行った事を再現しただけのように見える。(ADの分化)専用ブランドの消滅はハイポジの終焉を暗示していた。(TDKハイポジの代表モデルSAはその最終型10代目を1994年に発売した)

CD~(ホニャララ)の時代
カセットテープの用途はFMラジオのエアチェックから、LPレコードのダビング、そしてCDのダビングへと変わっていった。CDはカーオーディオでもCDウォークマンでも聴くことができ(この辺りはレコードと違う)カセットを介さなくても持ち出しできるようになった。
が、相変わらずカセットにダビングして聞いていた。その大きな要因はCDの価格の高さとレンタルCDの普及だったろう。定価の10分の1程度のコストで借りられ複製を作ることができた。(アナログコピーで音質劣化は避けられないが)
この時代、CDの録音に特化したCD~という名の商品が頻発した。(SONYのCDix(1988)、Maxcell CD‘s、CD capsule等々)

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1993年モデル 40,46,50,54,60,64,70,74,80,90,120のバリエーション
TDKでいえばCDingシリーズである。ポジションによりⅠからⅣ(Ⅲはない)まであった。特徴は時間を細かく設定したことである。CDingⅡがハイポジである。
CDing初代(1990)のラインナップは50,54,60,64,70,74の6種類。(すべて両面の録音時間さすがにCD時代に46分はないのですね)LPだと、どうしたって半分くらいでひっくり返すので、A面B面均等な感じになるが、CDには裏面というものは無いので良きところでテープをひっくり返す必要がある。総演奏時間が60分だとしても60分テープに入るとは限らないのだ。そのために細かく64分や70分テープが必要になってくる。

ちなみに2002年のCDing(最終型)では10分から150分までの12種に増えていた。他のグレード(AE以外すべて)が終売になり、これしかなくなったからだと思われる。
時間のバリエーションは
10、46,50,54,60,64,70,74,80,90,120,150
「もう、CD関係ないじゃん」という感じである。

ステレオ時代特別編集の「カセットテープコンプリートブック」は1993年までしか詳細な新商品の記載が無いのだが、今回理由がわかった。(TDKの場合だが)1995年以降製造が海外にシフトして、純粋な国産品とは言えなくなってしまう。
それでも95年当時は国内で製造したテープをタイで組み立てるという形だったが、CDingの最終型(2002)はテープも韓国産となった。(この頃は他の磁気メディアもイメーションだったか?)

最初に買ったカセットテープはTDKのD★C60だった。70年代後半のことだった。
インデックスを兼ねるパッケージ(台紙)が赤とオレンジのストライプのそれは地方でも普通に手に入るテープだったと思う。
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D初代のパッケージ(図版はステレオ時代Vol.20から)
片面30分、両面で60分。(時間のバリエーションもそんなになかったはずである)プラスチックのケースはインデックス側が透明、本体側が黒色だった。(中身は見えなかった)黒色のプラ部分は当初、模様のない、やや光沢があるプラスチックだったが、後にブロック状の筋が入り艶消し様になった。(強度アップのため?)

DとCの間の★
DとCの間の★(D★C60)には当初から違和感があったが、早晩、普通のハイフォンになった。(D-C60)その後なぜだかハイフォンとCが無くなった。(D60 1981)

当時、LN(ローノイズ)グレードのDの上に音楽用LH(ローノイズ・ハイアウトプット)グレードとしてのSDがあり、こちらはDとCとの間の星印が二つ(上下に)ある。さらに上の磁性体にマグネタイトを使用したスーパーLHグレードのEDには星印が三つあった。ブリリアントグレードと言っていたKR(クロムテープ)では☆(中抜きの星印)になっている。星の形、数でグレードを表現しようとしていたのがわかる。

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(同上)
ただ、この時代音楽用と言ってもさほど普及していなかったと思われる。SDやEDの実物を見たことが無いからだ。(年齢のせい?)音楽用として爆発的に普及したのがAD以降だと思われる。

1977年AD登場。(自分12歳)
SDはSuper Dynamicの略(DはDynamic)だったがADはAcoustic Dynamicの略だった。リニアフェリックス磁性体を採用し高音域の再生に特徴があった。より広域の再生ができ音楽用として優れていた。そしてその割にDとの価格差が少なかった。
ステレオ時代の記事によるとオープンリールテープ用に開発されたADSDの磁性体は高域が出すぎで採用されず、コンパクトカセットサイズにカットしたら良い感じになった。らしい。(追記:これはSDの話でした)
また、略称(AD)が先に決まっていて後付けでフルスペル(Acoustic Dynamic)をこじつけた。らしい。
普通の録音用途(ラジオのエアチェックなど)ではD、レコードのダビングにはADをといった風に使い分けできるようになった。次第にAD以上のテープを常用していくことになる。
よく使っていたのは品番のハイフォンとCが無くなりAD46とかAD60とかの表示になった第三世代(1981)あたりか。
この後、第五世代(1986)で窓が大きくなりテープ全体が見える形になる。(マクセルに追随?)第七世代以降、窓がカセットの幅いっぱいだが上下は2㎝程度しかない形に落ち着いた。

ノーマルのエキストラグレード
同じノーマルテープでもさらに上のエキストラグレードED(1973)はOD(1979)さらにはAR(1984)に進化し最高位グレードのAR-X(1985)まで進化した。
TDKの特徴としてグレードごとのカセットハーフのデザインに差が無く(メタルテープのMA-Rは別格)、品名も近いので高級感が今一つということがあげられる。(この点Maxellは上手。UDとXLシリーズは明らかなグレード差を感じる)ただ、テープの違いは明確で聞けばグレードの違いを感じられる。(真面目なメーカーのイメージである)

ノーマルグレードの種類が最も多かったのはDがDSを経てAEになった1986年(~90年AR-X廃止まで)。
AE>AD>AD-X>AR>AR-X ノーマルテープに5品種、存在していた。
今は昔である。

Panasonicのポータブルカセットプレーヤーである。外観が比較的きれいだったので購入した330円のジャンク品。
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この手の商品は駆動用のガム電池が希少なため動作確認が困難である。この個体には単三電池用のボックスが付いていた。電池による動作確認ができる状態でジャンクなのだから動作はしないんだろうとおもいながら購入した。(まれに全く動作確認せずにジャンクにしている場合もある=この場合は普通に動作したりする)
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使用する電池は単三1本。通電の確認(電池の容量チェック)を行うとランプが点灯した。リモコンはないので本体のボタンで再生してみるが不動だった。早送り巻き戻し等の動作もしなかった。この際にモーターが動いているかどうか確認したが、正直わからなかった。
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ポータブルカセット不動の一番多い原因は駆動用ゴムベルト切れだが、この個体がその症状かどうか現状ではわからない。バラシてゴムベルトを交換してみるしかないところだが、パナ機特有の設計で駆動系と制御系の基板を分離しないとゴムベルト交換ができない。そして、そのためにハンダを数か所はずさなければならない。当然戻すときにはハンダ付けが必要になる。

特別な細くて小さいゴムベルトが必要になるが、これは以前(今年7月の「DCD-1600の蓋を開ける」記事参照のこと)買ったラジカセ用が使用できるかもしれない。某サイトによると0.5㎜幅のベルトで31㎜と24mmのベルトが必要なようだが、機種によっては32㎜と24㎜と書かれている。1㎜違いの別部品を準備していたということか。かなりシビアな部品ということなのだろうか。

まずは、使えるベルトがあるかどうか確認してからだが、バラシて見ようと思っている。使えるようになったらうれしいけれど…(いつになることやら)
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この写真ではわかりにくいが正面パネルが分割されて畳まれるギミックがある 凝ってる~

TC-K600を実家から持ってくるとき、同時にカセットテープを棚からひとつかみ持ってきた。
まるでタイムカプセルのようで、ほとんどのものがある年代の曲を編集した自作コンピレーションになっていた。90年代前半のものが多かったが、下っても1999年のrough laughあたりまでで多分2000年以降はカセットで録音はしていない。(20年ぶり)今回はレコードを録音するのでそうなると軽く30年以上ぶりとなるだろう。

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使用するテープはSONY CDiXⅡ

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録音するのはカリフォルニアシャワー 渡辺貞夫

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クリーニングした上で録音に望む

レコードの録音はCDと違って録音レベル設定にコツ※があるが、今回レコードプレーヤーがフルオートなので録音をしながら録音レベル設定を行うこととした。(TC-K600は3ヘッドデッキなので録音したその音をリアルタイムにモニターできる)最初に適当に合わせて録音を開始、ソースのレベルであわせると5メモリ程度でレベルオーバーするが、録音したものをモニターしながら少しずつあげて、6メモリ程度まで上げてもオーバーしなかった。もちろん音も聞きながらだが、歪まないギリギリのレベル調整を行う。設定した後、再度頭から録音するというやり方だ。(確実だが時間がかかる)

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DOLBY-B ON  BIASは調整なしで…レベルメーターはピークホールド付き

録音自体はうまく行ってカセットテープは出来上がった。音質もまあまあ、レコードよりはSNは悪いが十分に聞くに耐えうるものになった。しかし、使いみちが思いつかない。
今の環境ならレコードを聞く、と思う。カセットは持ち出し用途(ウォークマンや車載再生機)があれば有効なのだが…うーん。

※レベル設定のコツ=レコードの音量の大きいところは溝が深いので光を当てると、より白く見える(上の写真参照)。その部分を再生してレベル設定を行う。今回はA面すべてを録音・再生しながらレベル設定を行った。(同じ作業が2回必要)



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