以下の内容はhttps://retroaudio.blog.jp/archives/cat_111357.htmlより取得しました。


買うつもりは無かった。
稼働可能なレコードプレーヤーが複数あり、直近で買った(ジャンク)AT-LP3も普通に使えていて、特に不満があったわけでは無い。
購入したOCNオンラインショップ(旧NTT-X store)の価格も88,800円(クーポン値引き後)と特別安くも無かった。

ではなぜ買ったのか?
今回のOCNオンラインショップのものは限定でATN150Saがセットになっていた。(ショップの写真にはAT150Sa=カートリッジ本体が掲載されており、誤解を生みそう)品名と型式からいってカートリッジ本体は無く、針だけである。(実際そうだった)

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AT-LP7本体の実売価格程度でシバタ針の交換針も手に入るというセットだったのだ。
ATN150SaはVMシリーズになる前、AT-100系時代のカートリッジ用だが、VMシリーズでも使用可能である。そして、腐ってもシバタ針である。

ちなみに現役時代のメーカー希望小売価格は針だけで62,370円。カートリッジとセットなら10万円を超える価格だった。現在OCNオンラインショップでは単品価格が49,918円。(ただ、これにもからくりがあって、ナイトセールでは20,118円引きのクーポンを出し、実質29,800円で買える。この辺りが妥当な価格なのだろう)

つまり…シバタ針欲しさに買ってしまったのだ。自分のような駄耳では区別がつかない可能性が高いのに、である。

簡単に書いてはいるが実は大変な逡巡の上での購入だった。
実際このセットを見つけたのは1月の末(23年末からこのセット販売をやっていたようだが…)であり、実際に購入に踏み切ったのは3月の半ばだ。その間に売切れれば仕方がないと思っていた。残念ながら売り切れることはなかった。予定数12とも書いてあったが、それは嘘っぱちか、本当に全然売れていないかのどちらかであろう。
ま、とにかく買ってしまったのだ。

つづく


オーディオテクニカのレコードプレーヤー、OEM元を妄想する

オーディオテクニカが「レコード復活」の機運の高まりに合わせるように、新ラインのレコードプレーヤーライン(3機種)を発売したのは2016年から2018年にかけてだった。
ちなみにテクニクスのダイレクトドライブモデルSL-1200GAEの発売(SL-1200シリーズの復活)は2016年のこと。これは相当に話題になったがテクニクスブランドの復活とセットだった。

その時も少々奇異に感じていた。3機種のラインナップがあまりに性格が違うからだ。
AT-LP3(2017)はフルオートプレーヤーでベルトドライブ、ストレートアーム、電源内蔵(メガネ型インレット)。
AT-LP5(2016)はダイレクトドライブでJ字型トーンアーム、USB出力、電源内蔵(三本インレット)。
AT-LP7(2018)はベルトドライブ、J字型トーンアーム(高さ調整機能付き)、POM製プラッター、ACアダプター。
通常、ダイレクトドライブを採用するメーカーと、ベルトドライブを採用するメーカーはわかれている。(最近はそうでもないのだが…)この三機種をオーディオテクニカが製造したとは思えないのだ。

この三機種に共通するのはオーディオテクニカ製のカートリッジを搭載していること。上位二機種は(もしかしたら)オーディオテクニカ製のトーンアームを搭載していること。そして、フォノイコライザーを搭載していること(AT-LP3とAT-LP7はMC対応)だろう。

AT-LP3とAT-LP7は同じベルトドライブといっても構造が全く違う。AT-LP3のベルトはプラッターの内側にモーターを置き、プラッターの内側にある壁にベルトを掛けるが、(駆動するベルトが見えない)AT-LP7のそれはプラッターの外側にモーターがあり、プラッターの最外周にベルトを掛ける、高級機に見られる構造となっている。(差別化?)

各機種のOEM元または元機種に関する考察

AT-LP3に関してはほぼ想像がついていている。
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AT-LP3のベースモデルはDENONのロングセラーモデルDP-300Fだと思われる。
2006年に発売され、なんと現在でも同じ型式(かたしき)で販売しているという驚異のロングセラーモデルである。(価格は発売当時35000円程度だったものが現在53000円となっている)
ターンテーブルの名門DENONはダイレクトドライブ組(過去にはACモーターを使用していた)なので上位機種はすべてダイレクトドライブを採用している。この機種より下のグレード(と新しいBT搭載モデル)はベルトドライブなのでこれ自体が他社からのOEMなのかもしれない。(現行フラッグシップのDP-3000NE以外は自社生産する力がないのかも)

根拠は次のような共通点があること。
・フルオートであること。
・全く仕様が同じストレートアームのトーンアームを使っていること。

レバー類の配置がやや違うし、トーンアームの塗装や交換針の型式が違うが、中身は同じものであろう。(カートリッジはオーディオテクニカのOEMである)
やや違う点は内蔵のフォノイコライザーがAT-LP3の方はMC対応(もしかしたらこれはオーテク製?)であるということ、本体のデザインくらいである。


AT-LP5はどうか?
50000円台のダイレクトドライブモデルである。インフレが進んで現在ではなかなかない。
ただ、5年前のこの機種の発売当時では割とあったと思う。
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2017年発行の誠文堂新光社「アナログレコードの魅力を引き出す機材選びと再生術」というMOOKにAT-LP5は取り上げられているのだが、この中にほぼ同価格のダイレクトドライブモデルとしてオンキヨーのCP-1050(2015)が掲載されていた。オンキヨー自体はそもそもアナログプレーヤーをラインナップするメーカーではなく、この機種も実に30年ぶりの新製品だったようだ。これも何処かからのOEM供給であったことがうかがえる。(トーンアームの形状からDENON製だと思われる)

この機種との共通点が見出されば、AT-LP3同様DENON製といえるのだが、決定的なところはなかった。
雑誌に掲載されたセンタースピンドル付近の写真を見る限り、同じとは言えなかった。
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AT-LP5
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CP-1050
ただ、アルミダイキャスト製のプラッターは同じに見える。グレーな感じである。
結局特定はできなかった。
ネットには「CP-1050はDENON DP-500Mと同等」とする情報もある。ボタンの位置やスペック上の性能などから同じメーカー(DENON)製の兄弟機種と思われるが、「同等」とは言えないだろう、一番大きな点はプラッターで33㎝を超える大型プラッターを搭載しているDP-500Mは一クラス上の性能を有していると言える。プラッターの重さや大きさは音に直結する。(車のバネ下重量を下げるためのアルミホイールが有効なのと同じ)


AT-LP7は?


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最上位にあたるこの機種は実売価格が約9万円とAT-LP5の倍近い価格だった。
前述のようにプラッター外周にベルトを掛けるタイプのベルトドライブだ。
特徴的なのはプラッターで重量級の工業用プラスティックのPOM(ポリオキシメチレン)を使用していた。
POM製のプラッターと言えば独ClearaudioのPerformanceシリーズを思い出すが、あちらは40万円近い価格で、プラッターの厚みが40㎜(こちらは20㎜)別物であろう。ベルトのかけ方もサブプラッター方式である。
他の特徴としてはダストカバーがヒンジなしの「ただ上に被せる式」である。この辺りから探っていけば同等の機種を特定できるかもしれない。が、今回は見つけられなかった。





タグにこのような表示がある、ジャンクのレコードプレーヤーを買った。

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赤いヘッドシェルが印象的なオーディオテクニカのAT-LP3である。

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オーディオテクニカのこの機種はベルトドライブなのでベルトの伸びが原因だろうと思った。8,800円の価格は微妙と言えば微妙。(販売末期には20,000円を切る価格で売っていたような気がする)ただ、上記症状以外、見た目の状態は良さそうだったので購入した。

プラスチッキーで質感は高くはないが、スタティック・バランス型のトーンアームを備え(カウンターウエイトがある)カートリッジ交換が可能である。そういう意味では正式なレコードプレーヤーと呼べる製品である。以前取り上げたPioneerの入門機PL-J2500は、レコードは聴けるが…というプレーヤーだった。
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どちらもフルオートだが、トーンアームの動きはだいぶ違う。針が降りるスピードもこちらはゆっくり降りる。(演奏終わりの戻りに関しては大きな違いは無いが…)
PL-J2500との違いで言えば、どちらもフォノイコライザー内蔵であるが、AT-LP3の方は切り替えでバイパスできる。つまり、アンプのフォノ端子(アンプのフォノイコライザーを使用)ライン端子のどちらも使用できる。さらに、AT-LP3の内蔵フォノイコはMCカートリッジにも対応している。

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筐体は大きくしっかりしていて、脚部も大型の高さ調整機能が付いたものが4つしっかりついている。

この個体、実際に聴いてみるとひどい状態で、ムラもそうだが、最初の動き出しでプラッターを手で回すアシストが必要な時もあるくらいだった。(それは物凄く重いプラッターを持った超高級機の作法)ベルトのテンションは一見あるように見えるがやはり伸びているのだろう。

ベルト交換をした。
オーディオテクニカのサイトで純正品を購入できる。ベルトは税込み1100円だった。サイトには8000円未満は660円の送料がかかるとの記載があったが、実際の送料は440円だった。
物はついでで、カートリッジカバー(110円)も購入した。この機種にはアームレストにトーンアームを留める仕組みが無いため、落ちて針先を傷つける恐れがある。(通常で落ちることはないと思うが地震などではわからない)カバーをつけておけば安心である。(110円で買える安心)

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ベルトの交換をする際に比べてみたら、見てわかるほど伸びていた。

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本体の取説には1年程度で交換を推奨と書いてあった。
VictorのAL-E11なぞはいつのものか不明だが問題なく使えているし、PL-J2500などは一般ユーザーがプラッターをはずせない=ベルト交換ができない仕組みである。一年でダメになるというのはいかがなものか、まあ消耗品と割り切ればそれでも良いが、安定供給を続けてほしいものだ。

交換後安定した回転で、ベルトの問題だったといえる。
使い勝手は同等だが、質感と音はこちらが上なので、PL-J2500がお蔵入りする事態になってしまった…

次回予告 「オーディオテクニカのレコードプレーヤー、OEM元を妄想する」

たまたま、このタイミングで手に入れたレコードプレーヤーPL-J2500はフォノイコライザーアンプ内蔵であった。(前回の記事参照のこと)AUX端子に直接接続可能である。(通常のフォノ端子には接続できない)
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EX-S5には1系統のAUXが装備されており、「これを接続するしかないじゃん」状態であった。

 

接続してみた。

前回記事でも書いたがPL-J2500はレコードらしさを感じられるよい音のプレーヤーである。EX-S5との組み合わせでミニマムなシステムを構築できる。

音出ししてみると、音が小さい。
他のデジタル機器と比べるとアンプの目盛りをプラス4~5程度しないと同じくらいにならない。ただ、これはネガティブ要素ではなくアンプの美味しいところを使えるというポジティブ要素になりえる点である。他のソースへの切り替えの際に大きな音が出て驚いたりする可能性はあるが、デメリットはそれくらい。

今回比較のために山下達郎の「Greatest Hits!」CD版とLP版(2023リマスター重量盤)を同時に鳴らして聴いてみた。

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CDは流石のSNでほとんど問題がない。LPは高音域がシャカつくかと思ったが、そんなことはなかった。CDの音声は真ん中に塊ができる感じで、LPは適度な拡がり感を感じることができた。聴く音楽によっても異なるであろうが、CDの音はやや画一的で面白みに欠けるとも思った。

単純に二つの機材を繋げるだけでアナログ再生ができることはメリットであろう。LP片面が20数分で終わることを考えればその他の便利機能は必要ないような気もする。
アナログをデジタル変換(リアルタイム)してUSBメモリに記録することもできるが、まあ使わないであろう。(USBメモリ自体が使いにくい)

その昔、「プレーヤー」といえば「レコードプレーヤー」を意味していた。入力する音楽ソースが他にテープ(デッキと呼ばれた)とラジオ放送(チューナー)くらいしかなかったからである。
名機PL-70Lを作った名門pioneerのレコードプレーヤーにはPL-の頭番号が付されている。(“PL”AYERのPL?ちなみにTRIO/KENWOODはKP-=KENWOOD PLAYER?、DENONはDP-=DENON PLYER?だった。YAMAHAは全く違うGT-=Gigantic & Tremendousだったが…)

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ジャンク扱いで2189円

今回購入したレコードプレーヤーにもPL-が冠されている。
名機に連なる製品である。と、言いたいところだが、どうもそうではなさそうである。すくなくともpioneerで設計製造されたものではないだろう。外側のデザインと言い、スペックといい、長年オーディオテクニカが販売していた低価格機と瓜二つである。
ボタン、レバーの配置も同一、何よりもトーンアームとそれを支える支点のデザインが全く同じである。他社でも同じ仕様のものがあるので、どこか(オーテクとは限らない※アイワらしい)で大量に製造しているOEM品なのであろう。(そうでなければこんな価格で販売できなかったであろう)
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トーンアーム部分

この機種の特徴としてはフォノイコライザーが内蔵されており直出しのラインはアンプのAUX(等PHONO以外の端子)に繋げる。96年から2010年代に販売されていたようで、PHONO端子のないアンプでも使える仕様になっている。と、いうかPHONO端子をもつアンプを使用している人はこんな低価格機は使わないであろう。


低価格機ではあるが…
以前同じようなグレードのVictor AL-E11の項でも書いたことがあるが、低価格機でも音は割とまともである。というか、むしろよい音と言えるのではないか。機構が単純なのが功を奏しているのかもしれない。(針圧調整など必要ない、というかできない)カートリッジが鈍感なのか雑音を拾いにくく、音を楽しめる。(交換できないカートリッジとのマッチングが良いのかもしれない)

音は良いのだが、質感がまるでなっていない。オート機能でレコードの頭までトーンアームを動かすのは良いのだが、そこからレコード面に針を落とすとき、ストンと落ちる。これまでのオート機は油圧ダンパーや空気のダンパーでゆっくり降りるようにしていたが、この機種にはそれがない。簡易で軽量なトーンアームとはいえ、その重量をカンチレバーだけで受ける形になる。見ているといささか不安になる。

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簡易なEX-S5とはベストマッチ



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