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オヤイデのMMCX用ケーブルをペイペイフリマにて1299円で購入(中古品)
ペイペイフリマの商品説明には型式がHPC-MX/P-35G(R) と書かれていた。
オヤイデのMMCX用イヤホンケーブルの現行モデルは確かHPC-MXs(Sが付いている)である。商品写真をみるとプラグ形状が明らかに違っていた。型式が違うので違う製品と考えるのが妥当なのだが…得体が知れない。
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HPC-MXsのミニプラグ側端子はプラスティック成形のL型プラグである。本品は金物のストレートプラグである。明らかに違う。Sの有無でプラグか違うのか、と思っていたのだが、そうではなかった。(後述するが「S」の有無には別の意味がある)

自分が持っていた古いオヤイデのカタログに同じ(ように見える)ストレートプラグの製品が載っていた。その製品はHPC-SEという品名で、品名から想像できるが当初SHUREのSEシリーズ用に開発されたリケーブルであった。発売は2012年6月でSE215specialEditionが発売された年にあたる。だいぶ古い話だ。

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ただこの製品の3.5㎜プラグは「P-35SR」(ロジウムメッキモデル)という表記があり、本品の「P-35G」(金メッキ)とは異なっている。もともとP-35SRもP-35Gもオヤイデが単品で販売しているミニプラグパーツである。価格も違う。見た目は一番近いがHPC-SEではないということだ

そもそもHPC-MX/P-35G(R)という製品はオヤイデのカタログに載っていない気がする。

公式にオヤイデのパッケージ商品として売られていたのは下記の三製品

その違いをまとめた表を作ってみた



HPC-SEは線材に当時オーディオ用として広く使われていたPCOCC-A(古川電工製)を使用している。しかし、2013年に製造中止になり設計の変更を余儀なくされた。
2014年に発売開始されたHPC-MXは線材が「精密導体102SSC」に変更されている。それが一番大きな違いだが、同時にミニプラグ側がゆるやかにカーブした「モールド(成形)樹脂端子」に変更された。MMCX側も十字スリットが入ったものに変更された。
MXとMXsの違いだがミニプラグ(成形)の形状が緩やかなカーブから大きめのL字型に変更になっている。その他はMMCX端子がミリ単位で変わっている。(オヤイデ談)
品名が表す通りMXsはMXのマイナーチェンジモデルということらしい。


MXs登場の意味

MXが登場したのは上記の通り、線材が変更になって新設計のモデルが必要だったからである。それではMXsへのマイナーチェンジが必要だったのはなぜだろう。
実はMXはリリース後しばらくして、断線のため、自主回収と交換を行っていた。
その部位は3.5mmミニプラグ部分。成形されて緩やかにカーブしていた部分だった。そのためその部分をマイナーチェンジしてMXsがリリースされたのではないか。
MXsではより直角に近い大き目のL型形状が採用されている。


下衆の勘繰り

さて、今回購入したHPC-MX/P-35G(R)であるが、型式から考えて「HPC-MXのミニプラグ部分がP-35Gに変更されているもの」と考えられる。(R)はケーブルの色Redである。

ここからは想像(妄想または下衆の勘繰り)だが上記のようにミニプラグに問題があったとすれば、その部分を交換して(問題のあったミニプラグを切ってP-35Gに付け替えて)製品化したものではないか?つまり、販売できなくなった製品を改良し売るためのリファービッシュ品の型式なのではないか、ということだ。

その傍証といえるのが販売経路と商品の扱い方である。この製品はオヤイデのカタログに載っておらず自社の通販でも販売されていない。商品はビニール袋に「HPC-MX/P-35G(R)」というシールが貼ってあるだけのバルク品形態である。
また、この製品を扱っているのは自分が知る限りONKYO DIRECTのみである。価格は1,980円。HPC-MXの価格が5000円を超えていたことを考えると格段に安い。「訳アリ商品」の疑いがある。(オヤイデを語った偽物の可能性も排除できないが、ONKYO DIRECTならそれは無いかと…)


検証

安価に売っているなら納得した人が買えばそれでよい(リファービッシュでも関係ない)と思うが。少し調べてみた。
線を切って繋ぎなおしたなら、ケーブルは、少しは短くなっているであろう。
実測してみた。HPC-MXの長さはカタログ値120㎝である。
HPC-MX/P-35G(R)の長さは…120㎝だった。
切断・交換のリファービッシュ説には無理があるのかもしれない。

プラグ類を子細に眺めていると、疑問が生じた。

上記の表のようにHPC-MX以降MMCX用プラグの仕様が変更になり十字スリットが入ったはずである。
本品を見てみるとスリットが無いように見える。
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念のため他社製品(NiceHCK BlackDawn)の該当部分を見てみるとスリットを確認できた。
こうなると全くわからなくなる。

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十字スリットがHPC-MX以降の機種には採用されているので、無いのはHPC-SEのみである。HPC-SEのプラグを安価なP-35Gにリファービッシュした可能性が浮上してきた。
HPC-SEのケーブル長は130㎝である。切断して繋ぎなおしても120㎝は確保できるであろう。
ただ、それなら型式がHPC-SE/ P-35G(R)となるはずである。うーん。


結論

結局、このケーブルの正体は「全くわからない」というのが結論である。
HPC-SEとHPC-MXは線材が異なっているので別物と考えるべきだ。今となってはPCOCC-Aを採用していたHPC-SEの方がやや貴重ともいえるが、たぶん大差ないのだろう。

実際このケーブルを使ってみたが、前述のNiceHCK BlackDawnとの比較では、音がタイトになった感じがした。(BlackDawnは芳醇)
設計が古いせいか、ややタッチノイズがある。BlackDawnは布巻なのでタッチノイズはない。
HPC-MX/P-35G(R)のMMCX用プラグはキッチリ収まるが、外す際に相当な力が必要だった。これが個体差なのかスリットの有無が原因なのかはわからなかった。

大きく印象が変わらないなら買い換える必要は無いように思う。2000円程度の価格ならこの赤色が好きなら買っても良いとは思う。(以前この稿でも書いたがオリジナルケーブルの質がもともと高い)

今井美樹の「PIECE OF MY WISH」がニュービーズのCMに使われ、絶賛ヘビロテ中である。1991年リリースなので、実に30年以上前の曲である。だが、耳に残る名曲なのである。

今井美樹の時代
モデル出身の今井美樹は当初、歌手より女優に軸足がかかっていたように思う。最初から2枚目のアルバムまではアイドル歌手的な制作スタイルだった。(80年代は実にアイドルの時代であった)
3枚目のアルバムから少々様相が変わっていく。このアルバム『Bewith』(1988)から上田知華、柿原朱美が参加し、今井美樹の音楽の方向性が固まっていった。このアルバムは大ヒットしオリコン1位を獲得した。(本格的に歌手への転換)
次のアルバム『MOCHA』(1989)は『Bewith』の方向性をより進めたアルバムで今井美樹の作家性の萌芽が見える。
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mocha(カセットテープ)
この4枚から最初のベストアルバム『Ivory』(1989)がつくられた。選曲は今井自身が行い、シングル曲が収録されなかったりした。初期の大ヒット曲「瞳がほほえむから」(アルバム未収録)はこれに納められている。

しかしながら、今井美樹がアーティストとして開眼したのは5枚目のアルバム『retour』(1990)だったと思う。
全12曲中、自身が作詞した曲が4曲あり、「半袖」と「輝く星になって」はライブ音源を使用している。それは相当なクオリティであり、それを収録するのは自信の表れだろう。
作曲陣ではそれまでの上田知華、柿原朱美に加えKANが参加している。
『retour』(フランス語で「蘇生」の意)の名前にふさわしい新たに生まれ変わったようなアルバムである。
ここからの3枚のアルバム(残り2つは『Lluvia』(1991)『flow into space』(1992))が“名作の森”期にあたる。
7枚目のアルバム『flow into space』でその後を変える出会いがあった。布袋寅泰の参加である。ここでは2曲の作曲のみだが、1993年のシングル「Bluebird」以降サウンドプロデュースの中心的存在になる。(布袋時代のはじまり)

『A PLACE IN THE SUN』(1994)と『Love Of My Life』(1995)ではサウンドプロデュースをそれぞれ坂本龍一、菅野よう子と共同で行うが、次のアルバム『PRIDE』(1997)ではプロデュースと全ての曲の作曲も行うようになった。
そこで生まれたのが今井美樹最大のヒット曲「PRIDE」(1996)である。CD最も売れた時代にシンクロしたともいえる。

布袋時代が好きな方も当然おられると思うが、自分的にはそれ以降はあまり聞かなくなっていった。今井美樹は90年代前半のアーティストのイメージなのである。

今井美樹のキャリアの中で『IvoryII 』が最強なワケ
前述のように『Ivory』はファーストアルバムから4番目のアルバム収録曲とその間のシングル曲からチョイスされている。『IvoryII 』は5枚目のアルバムから7枚目のアルバムの収録曲とその間のシングル(「PIECE OF MY WISH」はこれにあたる)からチョイスされている。自分が「名作の森」期と呼んでいる時期と全く被っているのである。それは最強なのである。

女友達への応援ソング
竹内まりや(薬師丸ひろ子)の「元気を出して」やドリカムの「サンキュ」や岡本真夜の「宝物」など女性同士の友情を歌った名曲は数あれど、今井美樹にもそんな曲があった。
「幸せになりたい」である。(『retour』収録)自分はこの曲が一番好きかも知れない。
「離婚した友人が東京で新生活を始める」という歌で、アッパー系である。サビの「渋滞は毎日〜」の部分でぐっと来る。
90年代初頭はまだまだ離婚が人生の汚点になり得た時代。全く違う環境に身を置く友人を気遣う歌である。友人ともども「幸せになりたい」のである…

この曲は今井美樹の作品を20作以上(しかもほとんどの主要曲を)手掛けた上田知華が作詞作曲し、今井美樹の曲で唯一レコーディングに参加(コーラス)した曲である。思い入れが感じられる。

この曲も『IvoryII に収録されている。

『IvoryII 』収録曲
1 retour
2 夢の夜
3 カ・ケ・ヒ・キ・27
4 幸せになりたい
5 雨にキッスの花束を
6 Tea For Two
7 半袖
8 PIECE OF MY WISH
9 Bluebird
10 The Days I Spent With You
11 Lluvia
12 amour au chocolat
13 雪の週末
14 Blue Moon Blue Re-Mix
15 flow into space

現在では『Ivory』と2枚組にした 今井美樹 | Ivory&IvoryII 【SHM-CD】という製品もあるようだ。
さらに30周年記念盤 今井美樹 | Premium Ivory -The Best Songs Of All Time-というものもあるらしい。
キャリアが長いので様々な形態のベストがあるようだが、自分はオリジナル『IvoryII 』が1枚あれば良いと思っている。(リマスターには懐疑的なので…)

ドイツ・オーストリア系の作曲家の作品を中心に(売れる有名曲はその限りではないが…)録音を重ねたカラヤンが例外的に何度も録音したのがロシアの作曲家チャイコフスキーの「悲愴」だ。スタジオ録音だけでも7回行っている。ロマンティックで盛り上げどころ満載の曲だが、チャイコフスキー最期の交響曲でもある。初演を本人が指揮したが、その9日後急死した。(あまりの急死だったため様々な憶測を呼んだ)

名曲なので様々な指揮者、オーケストラが演奏を行っている。自分も好きな曲で気づいたらいくつかの音源を所有していた。ちょっと整理してみよう。

①メンゲルベルク指揮 アムステルダムコンセルトヘボウ管弦楽団 1937
②カラヤン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 1956 EMI

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③カラヤン指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 1971 EMI
④カラヤン指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 1976 DG
⑤カラヤン指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 1984 DG
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⑥バーンスタイン指揮 ニューヨークフィルハーモニック 1964 SONY
⑦バーンスタイン指揮 ニューヨークフィルハーモニック 1986 DG
⑧ムラヴィンスキー指揮 レニングラード管弦楽団 1960 DG
⑨マルケヴィッチ指揮 ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 1953 DG
⑩ペトレンコ指揮 ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 2012 BPO
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まだあるような気もするが、確実にフィジカルメディアを所有しているのはこれぐらいである。

メンゲルベルク
①は第二次大戦前の歴史的録音。メンゲルベルクは戦後、ナチ協力者として追放されるのでその録音としては後期にあたる。それゆえか録音の質は悪くない。(当然モノラルである)19世紀にルーツがあるロマン主義の指揮者でテンポを自在に動かしている。

カラヤン
カラヤンは前述にように7回録音しているがこの②~⑤に関してはそれぞれ録音する理由があった。
②50年代フルトヴェングラーから排除されていたカラヤンは、ベルリンで振ることはできず、イギリスのオーケストラ、フィルハーモニア管で録音を行っていた。EMI(ウォルター・レッグ)との蜜月時代である。(ただ、54年にフルトヴェングラーが急死すると、彼の代理でアメリカツアーに帯同し大成功をおさめ、まんまと常任に就任する)
③ベルリンフィルを掌中におさめたカラヤンが、70年代、最高の状態で録音を行ったもの。録音は「イエスキリスト教会」
④同じ70年代、同じベルリンフィルだがレコード会社がEMIからDGに変わっている。初めてチャイコフスキー交響曲全集(初期も含む)に取組みDGの録音陣で「フィルハーモニー」で録音されたもの。
⑤80年代に入り関係が冷え切っていたベルリンフィルに変わり、ウィーンフィルでデジタル録音を行ったもの。
どれが良いかは好みである。一般的には④の評価が高いようだが、自分はそれよりほんの少し若い③の方が好みである。
⑤は晩年に近い録音だが、スピードはむしろ上がっている。ウィーンフィルだから?デジタル録音ゆえか音が大きい。

バーンスタイン
いずれもニューヨークフィルハーモニックだが、中身は大きく違う。
⑥は普通の演奏だが、ニューヨークフィルハーモニックを完全に手中に収めているのがわかる。
⑦はとにかく遅い演奏で、人によってはグロテスクに感じるほど。
どれほど遅いかというと、第四楽章などはカラヤンの倍の時間かかって演奏している。
違和感はあるものの、自分的には有りだと思う。

ムラヴィンスキー
ソ連時代のロシアの指揮者。⑧は手兵のレニングラード管弦楽団と西側でのコンサートのついでにDGに残した録音。(4,5,6の後期三部作を録音した)鉄壁のアンサンブルでよく訓練された軍隊のような演奏。演奏が完璧すぎてあまり情緒的ではない。

マルケヴィッチ
ムラヴィンスキー同様に旧ソ連時代のロシア人(キエフ出身なので現在で言えばウクライナ人)指揮者。幼いころにスイスに移住し、西側での演奏活動をしていた。レコードはEMIやDGに多数残されている。
⑨はDGでリリースされたウィーンフィルとのもので50年代ということでモノラル録音である。⑧よりは情緒的である。厳しい表現もあり、これがロシア的ということか?

ペトレンコ
現在のベルリンフィルの首席指揮者。(ロシア人)
⑩は就任前(決定後)にライブレコーディングされた音源である。あまり特徴のない演奏で「安全運転なのかな」という感じである。ベルリンフィルの上手さは際立ち、音もとても良い現代の録音ではあるが…
2019年就任なので日にちが経っているがあまり話題に上らない。小粒過ぎたか?
(ハンス・フォン・ビューロー→ニキシュ→フルトヴェングラー→ボルヒャルト→チェリビダッケ→フルトヴェングラー→カラヤン→アバド→ラトルの次ではねえ…)
ロシア人が多い。ロシア音楽はロシア人でなければ共感できない的なことをライナーノート等で見かけるが、ことチャイコフスキーに関して、それは当たらないと思う。ロシア的な旋律は出てくるが、音楽のつくりは西欧的だ。
バーンスタインの86年版ライナーノートにも「バーンスタインはユダヤ人だがルーツはロシアにあり、深い共感がある」みたいなことが書かれていたと思うが、無理やり感がある。ロシア的な旋律を奏でるのはロシア人にしかできないということはないと思うが…

ベストはカラヤン?
メロディーメーカーとしてのチャイコフスキーの良さを引き出しているのはカラヤンの演奏③(71年版)だと思う。第三楽章の推進力は相当なものだ。
バーンスタインの⑦(86年版)が遅いのは指揮者のフィジカルの問題ではなく、この曲の持つ深い悲しみとか諦観を表現するためなのだろう。明らかに異様だし、まるで別の曲に聞こえるところもあるのだが、言いようのない凄みがある。バーンスタインの録音の多くはライブレコーディングなのでオーケストラの実力が試されるがニューヨークフィルハーモニックはよく粘っていると思う。第四楽章の最後、音が静寂に飲み込まれる感じでいつ終わったのかわからないくらいである。
共感されないことを承知の上でバーンスタイン⑦(86年版)をベストとしよう。





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