中華イヤホン沼にハマって久しいが、また買ってしまった。
名機の誉れ高いKZのZS10 ProX(2022)だ。

その昔、中華イヤホンの“雄”といえばKZだった。
そのKZ、2020年のZSN ProXとZST Xという2大1DD+1BAモデルのダブルリリースを頂点に地位が低下していく。(他のメーカーが躍進した)
BAの代わりにESTを使ったモデルで往時の勢いを取り戻すかと思われたが、“ESTの音がほとんど出ていない問題”が暴露され再び失速する。2022年頃の話だ。
同族ブランドCCA NRAのクラウドファンディング専売問題(2021末)も日本でのKZ離れに拍車をかけた←悪いのはクラファンのプラットホームを利用して暴利を貪って売り逃げしたクラファン母体だが、それを許し日本での自由な販売を完全に(Amazonはもちろん、アリエクでも日本向けの販売のみ)ストップしたKZ側への不信感は根強いものがあった。
その2022年にリリースされたのが今回買ったZS10 ProXだった。混迷を極める中、かつての人気機種ZSシリーズのブラッシュアップ版で凌ごうとした、という説がある。
確かに2022年当時で1DD+4BA(両耳で10ドライバ)モデルというのは中途半端な感じがしたものである。多ドラは既に16ドライバ(片耳8=1DD+7BA)に到達ZAX(2020)し、評価も定まっていたからである。

KZ ZS10ProX誕生まで
ZSシリーズは2016年のZS1(2DD)に始まる、KZの歴史ある由緒正しきシリーズである。2016年中にZS2(2DD)ZS3(1DD)をリリース。(つまり同じ年に3機種。このころはこんな感じだった)
2017年には2DD+2BAというマルチドライバに進化したZS5、ZS6がリリースされた。
2018年にはZS10がリリースされ1DD+4BAの形が出来上がり、売れ筋の1DD+1BA(U3000)モデルより少し高い価格帯のモデルとして定着した。
2019年にはZS10 Proがリリースされた。そして同年ZSX(1DD+5BA)がリリースされ本格的にミドルハイを担うモデルが登場した。ZSXの正統進化版ZAX(2020・1DD+7BA)ZAS(2021)がリリースされるに至り、ZS10シリーズのリリースは無くなった、と思っていた…
2022年突然の復活
ZAS(1DD+7BA)の後継機が出ないまま、過去のブランドが復活した形だ。(ZASの後継ZARは2023年のリリース)
19年のZS10 Pro以来、3年ぶりの復活であった。
本来ならZS10ProXはZS10Proの正統進化版となるはずであった。だが、そうはならなかった。
KZの特徴は「下品」とも言われるほどのドンシャリである。中音域のボーカルが埋もれるほど低音域と高音域をブーストしたド派手な音作りのメーカーであった。2020年に発売したZSTxやZSN ProXあたりまでその傾向が強かった。
しかし、ZSN10ProXでは前作と同じ1DD+4BAとはいえドライバが変更になり音の傾向も大きく変わった。相変わらず低音域の量は多いが、強さは控えめになり高域も量より質で(弱ドンシャリといわれている)高精細感が高まった。派手といえば派手だがうるさくない高域になった。
2021年以降、他メーカーの勃興により音のニーズが多様化し、普通に良音なイヤホンが市場に出回り、KZの販売にも影響を与え始める。そんな中でZS10ProXは発売された。1DD+4BAの使い慣れた構成で新しく音を追い込んで作られた感じがする。ドンシャリ感は薄まり、精細感が高まり、十分に良音といえるイヤホンに進化した。(名機といわれる所以である)
その後
KZの名付けルール(無印→Pro→ProX→Pro2)からすると、「Pro2がリリース?」があるかもと、おもっていたら、2024年にZS10Pro2が登場した。
現在のトレンドである音質調整用のDIPスイッチ付きモデルが選べるようになった。調整すると極端な結果になるようだが、効果が感じられないより“まし”だろう。(調整できる)聴いてはいないがProXの傾向とも違う音質のようだ。(「新しいほど良い」といった正常進化をしないのがKZだ=同一シリーズでもモデル毎に性格が異なる)
同時に5BA+1DD(最近はこう表記するようになった)のZS12ProXがリリース。絶えて無くなっていた1DD+5BA(ZSX)の系譜が復活した。よくみればZSXもZS○の系譜ではないか。なぜその時にZS12にしなかったのだろう?
今回の名づけがProXだったのでZSXはZ12Proが本当の名前だったのかも知れない。ZSXの直接の後継機種が発売されていないので今後はZS12系として続いていくのかもしれない(名付けルール的にはZS12Pro2が次機種)
ZSシリーズとしてはZS6以来のフルメタルボディ。DIPスイッチ付きモデルも選べる。
同時期に発売されたZS10Pro2と同傾向の音作りのようだ。
ZS10Pro2が発売された後もZS10ProXの評価が下がらないのはちょっとうれしい。
自分の中の評価ではZAX(1DD+7BA)=PR2(平面ドライバ)>ZS10ProXだが…




