2022年3月発売のVol.20で予兆はあった。
ネコ・パブリッシングがCCCの子会社カルチュア・エンタテインメントに買収されたのは2021年2月のこと。(もともと2012年にCCC傘下には入っていた)
1年経って方針がはっきりしたのか、返品を前提に雑誌を作らない=「発行部数を減らす」ことを予告していた。(確かに今回のVol.21(2022年8月発行)は近所の書店では見かけなかった)
通常パラパラめくって、買うかどうか決めているので(内容次第で買わないことも多かった)実際の雑誌を見ないと買えない。Amazonでは買えないのだ。今回、県内唯一の紀伊國屋書店で平積みになっていたので、パラ見して購入した。
読んでいて衝撃の内容を見つけるのだが、それは後に譲ろう。
今回のメイン特集はサンスイであった。サンスイがいかに自滅していったかが端的にまとめてあったが、そんな中でもごくわずかな技術者によって歴史に残る名機が作られ続けていたことを知った。(Zonotoneの前園さんもその一人らしい)
サンスイについてはサンスイ製品を専門に扱うメンテナンスショップがあったり、いまだに人気が高いが、最後期のプロダクトでも30年近く経とうとしている。そのままの形で実用に供するのは困難になりつつある。それは中古オーディオ全般に言えることだ。
いわゆるオーディオ御三家サン(Sansui)・トリ(TRIO)・パイ(Pionner)のすべてが当時の形では存続していない。放漫経営の末、労使の対立で自滅したサンスイ。お家騒動で分裂、創業者の春日兄弟がTRIOを辞めケンテック ケンソニック(のちのアキュフェーズ)を創立。TRIOはブランド名だったKENWOODに社名変更したのちJVC(ビクター)と合併JVC-KENWOODとして存続している。パイオニアはこの三社の中では桁違いに大きく、2000年代には100万円を超えるプラズマディスプレイKUROなどを作っていたが、時流は低価格の液晶に移っていき、結局このディスプレイ部門が足かせとなり、事業がままならなくなった。オーディオ部分はONKYOの子会社となったが、そのONKYO自体がほぼ消滅した。
ONKYOの消滅で日本のコンシューマーオーディオメーカーがほぼ壊滅した。(SONYやYAMAHAは残っているが、もはやオーディオメーカーとは呼べないだろう)明らかに時代が変化し、オーディオの形も変わったのだといえる。
その時代にそのような機器を使い、そのような音を聴いてきた、自分のような古い人間は80年代、90年代の機器を使い続けているが、これをノスタルジーとは呼びたくない。実際よい音だから選んでいるのだと言いたい。経時変化でその当時の音ではないかもしれないがよい音を出している。(そうでなければ使わない)
そんな人たち向けの雑誌が「ステレオ時代」だったのに…
Vol.21に澤村信編集長がネコ・パブリッシングを退社したことが書かれていた。通常の雑誌なら、編集長が変わり存続するものだろう。しかし、この雑誌はほとんど澤村さん(と牧野さん)の個人雑誌であった。毎号、「売れなければこれで終わり」という気概で発行されていた雑誌である。澤村さんが去ればネコ・パブリッシングから発行されることはないであろう。
ただ、普通に書店に並ぶ形にはならないような予感がしている。自分のような定期購読しない人間にも情報が届く形にしてほしいと願うのは、わがままでしょうか?










