以下の内容はhttps://retroaudio.blog.jp/archives/2021-02.htmlより取得しました。


自分が一番気にしているオーディオ誌が「ステレオ時代」だ。ただ発行時期がわかりにくく買い損なうこともしばしば。まあ、内容次第で毎回買うわけではないのでそれはそれなのだが…
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オーディオ現行機ではなく過去の機種にスポットを当てる、ユニークなオーディオ誌である。当然だがオーディオメーカーの広告がほとんどない稀有な雑誌である。表四(裏表紙)だけはオーディオメーカーの広告で、自分所有の号では1冊を除いてすべてマランツの広告だった。(1冊はオルトフォンだったが、この号はレコードプレーヤー特集の一角でオルトフォンのSPUカートリッジが取り上がられていた=オーディオ誌としては正しい)
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マランツはパッと見、いつの広告かわからない。(機種の顔がほとんど同じため)
メーカーの広告がないということは忖度なしの記事が書けるということだ。(このことについては「ゴールデン横丁というブログ?の中の「ステレオ時代ゴル横支部」というところに編集長の澤村さんが書いた記事「ステレオ時代でございます」に創刊の経緯等が詳しく書いてある)
ムック形式の本で売れなければこれ一冊で終わりということで、創刊号(2013年12月)には澤村さん(と牧野さん)の思いが詰まった(全部入りの)内容になっている。
圧巻は巻頭のNEC A-10(プリメインアンプ)の特集でこの時点で30年前(1983年発売)のアンプをとりあげるなど正気の沙汰ではない。しかも、オーディオメーカーとしてはマイナーなNECの製品だ。
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この記事で初めて知ったことが多いのだが、A-10初号機(無印)は約200台しか生産されなかったそうだ。中身に30万円近いコストがかかっているのに、10万円以下の価格設定だった。(そりゃ作れない)
当然、A-10初号機にはお目にかかったことはない。中古市場で見かけるのはⅢやⅣが多いようだ。
A-10Ⅱは下位機種であったA-7をグレードアップしてリザーブ電源を強化したモデルで、コストダウンと性能の底上げをバランスさせた機種となっている。それでも超弩級の電源が搭載されており、当時でも好事家の間で話題の機種であった。(一般にはそれほどでもない?)
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この機種を正面切って取り上げ、当時の中身とデザイン両方の開発者にインタビューをした、立体的な特集は読みごたえがあった。(多分この号の後でA-10の中古価格は上がったのではないだろうか)

その他、中古オーディオを本格的に扱った「総額9万円以下で組む」や…
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ラジカセ
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コンパクトカセット(テープ)
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レコード
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その後、連載記事となる「ブランドストーリー」はアキュフェーズ
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と、全部入りである。この他にもiPodや真空管ヘッドホンアンプ等の記事があり、トレンドにも目配りしている感があった。

前述の「ステレオ時代ゴル横支部」の中に「牧野さんと実質二人で作ったので刊行が遅れた」という記述があった。ほとんど個人雑誌のような作り方をしているので、このような濃い内容なのだなと思った。ある意味幸せな雑誌である。

この創刊号は一時期中古市場でプレミアがつき5,000円近い価格で売っていたが、今はそんなことはないのではないかと思っている。新古書店あたりでは単なる古雑誌として売られることもあるので見つけたら買いである。

ハードオフの店頭でバラバラに売られていたLPを買った1110円だった。
なんらかのコンピレーションだと思ったが、10
枚セットで箱に入っているのが元々の姿だと、調べてわかった。(同じ名前で12枚セットのものもあるらしい)箱にはCBSソニーのロゴがありCBSソニーの企画だとわかるが、レコードの原盤はオリジナルのものが使われている。

自分が買ったのは4枚だが、2枚はCBSソニー、1枚はアルファ、もう1枚はワーナーパイオニアだった。

10枚でいうと6枚がCBSソニー、2枚がアルファ、2枚がワーナーパイオニアだそうだ。(12枚組はそれにキャニオンの2枚がセットになる)

今回買ったのは「迷い道」「異邦人」「雨やどり」「あの日に帰りたい」の4枚。それぞれのLPは収録曲をタイトルとし、ジャケットの表側はおしゃれな写真(直接関係がない)にタイトルだけが印刷されている。(共通フォーマット)


迷い道

A

1

迷い道

渡辺真知子

2

カモメが翔んだ日

渡辺真知子

3

風来坊

ふきのとう

4

路地裏の少年

浜田省吾

5

最後の一葉

太田裕美

6

九月の雨

太田裕美

B

7

青春時代

森田公一とトップギャラン

8

冬が来る前に

紙ふうせん

9

霧雨の朝突然に

バンバン

10

ジャングルジム

五輪真弓

11

シンシア

よしだたくろう&かまやつひろし

12

落陽

よしだたくろう


これを聴くと渡辺真知子は一時代を築いていたよなと思う。今回買ったLP中では他に「ブルー」と「たとえば…たとえば」が収録されていた。買わなかったものの中に「唇よ熱く君を語れ」(最近カネボウのCMでカバーされていた)が収録されていた。このアルバムの「迷い道」と「カモメが翔んだ日」を加えると彼女の主要曲がほぼ網羅されるのではないか。

・このアルバムを買った理由は太田裕美の「九月の雨」が収録されていたからなのだが…

・今回、いろいろ調べていて「冬が来る前に」の紙ふうせんは、元赤い鳥のメンバーであったこと。そして、赤い鳥の残りのメンバーがハイファイセットであることを知った。(あれ?白鳥英美子は?とおもったがトワエモアでした)

異邦人

A

1

異邦人

久保田早紀

2

幸せのすきま

森山良子

3

風を感じて

浜田省吾

4

男たちのメロディー

SHOGUN

5

春雷

ふきのとう

6

SACHIKO

ばんばひろふみ

B

7

きみの朝

岸田智史

8

思いつばさ

岸田智史

9

ブルー

渡辺真知子

10

たとえば・・・たとえば

渡辺真知子

11

残り火

五輪真弓

12

さよならだけは言わないで

五輪真弓

 

・これは「異邦人」が収録されていたから購入。1980年の曲。この頃、世の中シルクロードブームだった。中東イメージのイントロを持つこの曲は三洋電機のCMに使われブレークした。と記憶している。曲もそうだが久保田早紀が美しかった!当時テレビで見ることは稀だったがきれいだった。(脳内良化イメージ?)

・ショーグンの「男たちのメロディー」は自分ら世代には特別な曲で、ドラマ「俺たちは天使だ」の主題歌だった。

雨やどり

A

1

雨やどり

さだまさし

2

秋桜(コスモス)

さだまさし

3

桃花源

さだまさし

4

ガールフレンド

上田知華+KARYOBIN

5

パープルモンスーン

上田知華+KARYOBIN

6

クィーンはまぶしい

松野こうき

B

7

ひとり咲き

チャゲ&飛鳥

8

ドウ・ユー・リメンバー・ミー

Yuki

9

メランコリー・キャフェ

Yuki

10

絹のシャツを着た女

加藤和彦

11

ルムバ アメリカン

加藤和彦

12

THIS IS THE SONG FOR COCA-COLA

矢沢永吉

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・「雨やどり」はさだまさしがソロになって最初のヒット曲。観客の声が入るライブ音源?歌詞の内容や歌い方からコミックソング?的な感じだがなかなかどうして名曲です。

同じテイストの「関白宣言」がタイトルや歌いだしの歌詞からフェミニズム団体に糾弾されていたが、「ちゃんと聞けよ。全然違うやろ、バカじゃないのか」と思っていた。(全部聞けばむしろ逆なのに…)きちんと理解できないことにコミットしてはならないと思う。その人たちの底の浅さを露呈していた。

・矢沢永吉のコカ・コーラのCMソングといえば「Yes Coke Yes」と「Yes My Love」のメロディで歌ったのをまず思い出すが(どっちが先か覚えていない。どちらかが替え歌)この「THIS IS THE SONG FOR COCA-COLA」はそれより前の曲。

 

 

あの日にかえりたい

A

1

あの日にかえりたい

荒井由美

2

ルージュの伝言

荒井由美

3

中央フリーウェイ

ハイファイセット

4

海を見ていた午後

ハイファイセット

5

ベルベット・イースター

荒井由美

6

翳りゆく部屋

荒井由美

B

7

Mr.サマータイム

サーカス

8

アメリカン・フィーリング

サーカス

9

愛で殺したい

サーカス

10

冷たい雨

ハイファイセット

11

スカイレストラン

ハイファイセット

12

フィーリング

ハイファイセット

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アルファ原盤の1枚。A面はすべて荒井由実の曲。若いころから天才である。
・翳りゆく部屋は1976年リリースだが原型は1968年14歳の頃に書いた「マホガニーの部屋」という曲だそう。天才である。

・ハイファイセットは前述のようにもと赤い鳥の三人で結成されている。彼らのキャリアの前半はほぼ荒井由実の楽曲で占められている(少なくともヒット曲は)ただ、最大のヒット曲「フィーリング」は洋楽の原曲になかにし礼が訳詞をつけたものだった。

・サーカスは似たような男女のコーラスグループだがこちらは4人組。ABBAと同じ編成だがこちらは三兄弟といとこという親族グループ。ハイファイセットと同じアルファレコードだったということは今回知った。


LPのコンピレーションを買う意味
実際、ヒット曲だけ聞くというのは邪道のような気がしている。が、アルバムを聴くほど好きじゃないという人の曲はこんなコンピレーションでしか聞けないともいえる。荒井由実とハイファイセットの混合というのもコンピレーションならではだと思う。
当然だがここに収録されている曲はレコードリリースを前提に録音されている。レコードがアーティストがOKを出した音だといえる。古い曲はレコードで聴くのが正しいのである。もちろんリマスターの方がよい音ということはありえるのだが、レコーディングした当時の思いはレコードに封入されていると思うのだ。(なーんて、ただ安かったから買ったことをばらしてはいけない)

※キャニオン盤には松山千春が数多くフィーチャーされているが、目をひいたのは松原みきだった。昨年(2020年)なぜかアジアで大ブレークした「真夜中のドア」が収録されていた。店にあったら間違いなく買ったと思うので、このセットは10枚組だと推測している。

※最初に書いておかなければならないのだが、タイトルの「奇跡?」はアオリで、新品を手に入れたわけではないので奇跡でも何でもない。ジャンク品をジャンク品価格で買っただけである。ただ、本体以外の付属品に関しては未使用で(多分)全部揃っている。これは奇跡的ではないかとは思っている…あと第三世代についてだが、iPod shuffleiPod nanoiPod touchそれぞれにG3が存在するが、オリジナルiPodG3である。

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このブログにおいてiPodネタは閲覧数が伸びない鬼門である。が、今回のネタは書かねばなるまいと思っている。もはやiPodはオワコンで誰も興味がないのかもしれないし、iPod3世代と言ってもなんのことかもわからない世代もいるであろう。

 

簡単にiPodのおさらいを

iPodはスティーブ・ジョブズがAppleに復帰し、成し遂げた功績のひとつで、新しいコンセプト(iTunes to go)のデジタルオーディオプレーヤー。(もともとはMacをハブとするためのアイディアだったが)iTunesというソフトと一緒に使うことが前提の機械だった。初号機は2001年、当時としては破格の5GB HDDを搭載したものでMacとの連携が必須という厳しい条件であったが大ヒットした。(iMacが好調だったということも影響している)

翌年にG2をリリース(windowsに対応)。G32003年にリリースされた。その後スタンダードになる30ピンのドックを搭載したのはG3からだ。それまでデータの転送はAppleが推進していたFirewire経由だったがG3からはUSBPCの世界ではスタンダードだった)になった。

それ以降の機種と異なり4つの物理的ボタンを持ち、人によってはG3の使い勝手が良かったと言わせるものとなっている。(一般的にはより洗練されたG4以降のクイックホイールの方が使いやすいと思うが…)
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ホイールの上側にボタンがあるのはこの機種だけである

2004年にクイックホイール搭載のG4となり、カラー液晶のiPod photoを経て、オリジナルiPodの完成形ともいえるG5がリリースされたのが2005年の事である。(同時期に液晶無しのiPod shuffle第一世代が発売されている)

オリジナルiPodはさらなる大容量化をおこない、第六世代のiPod classicとなる。(世の中にはクイックホイールを搭載したiPodすべてをclassicと呼ぶ輩がいるがそれは間違いである。Appleは第六世代をリリースした際にその機種の商品名としてiPod classicと名付けた。Classicと呼んでいいのは第六世代だけである)

デザイン的にiPodは縦横の比率が黄金比(11.618)となるように設計されていたが、iPod classicで崩れた。iPhoneに関しても当初モデルは同様の比率で作られていたがiPhone5で液晶の大型化が図られ崩れた。この時点でスティーブ・ジョブスは存命でこの設計変更を容認していたと思われる。

長くなったがこのiPod G320039月リリースの機種であるということだ。実に18年前の機種である。

今回購入したものは元箱に、買った時のまま付属品を保管してあったと思われる。本体とUSBケーブルには使用した形跡があったが、イヤホンやリモコンは未開封だった。

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現在のイヤホン類は透明バンドで巻いただけだが、当時は封入されていた。未使用は一目瞭然である。
この当時の価格は47,800円。それにふさわしいパッケージとなっている。
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自分はiPod 5.5GAppleストアから買ったがそのパッケージは体積比で4分のⅠぐらいの大きさで、本体以外はイヤホンとUSBケーブルぐらいしか入っていなかった。(とAppleのシールか)

G3の時代、価格もそれなりだが、説明書が数冊、ソフトウェアを供給するCD-ROM1枚、イヤホン、専用リモコン、クリップ付きキャリングケース、DockFireWireケーブル、FireWireアダプタが付属していた。
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肝心の本体だが、やはりUSB経由での充電がうまくいかなかった。バッテリーがダメになっている可能性が高いと思っていたが、Wikipediaによると充電はFireWire経由とあるのでそのせいかもしれない。つまり、まだ動作確認ができていないということだ。そういえばMacBookProのiTunesに接続し一瞬認識するもすぐ「取り外した」になった。これは、データ転送はできても充電はできていないことを意味するのかもしれない。

時間をかけて検証していこう。

今回は雑誌ではなくてMOOKの「10年後も「定番」いい音を選ぶ」を取り上げる。
共同通信社のAUDIO BASIC別冊として発行されたものだ。 全体のトーンは表紙のデザイン(色合いや佇まい)に表れているが、読者年齢がやや高めの設定で落ち着いた感じである。紹介されているメーカーもややハイブロウ。特集も19世紀のギターだったり、ビートルズだったり、アナログオーディオだったりAUDIO BASIC本誌の読者より高い年齢層を対象にしているようにみえる。
MOOKなので不定期刊だが最初のもの(無印)は2006年12月発行。それから1年に1回4年にわたり発売された。

10年後も「定番」いい音を選ぶ

発行年

 

メイン特集

付録CD

価格

2006

12

無印

いい音と出逢える定番コンポ68

19世紀ギターの21世紀 

1,500

2007

12

2

いい音と出逢えるアナログコンポーネント64

マイスターミュージック傑作選

1,500

2008

12

3

The Audio Systemオーディオを「組む」愉しみ

なし

1,500

2009

12

4

ビートルズを「良い音」で聴くためのオーディオシステム

なし

1,500



初号(無印)は未見で内容がわからないが、特集記事の一つ:19世紀ギターの21世紀 「蘇るヴァーチュオーゾ」を担当した鶴田さんという人が書いた記事がウェブ上にあった。(その特集はカラー8頁だったようだ)
http://www.crane.gr.jp/CRANE_Back_No/AudioBASIC2006W/index.html

この号にはCDが付属されており、この特集とリンクしたギター曲が収められていたようだ。しかもそれ用に録音されている!お金がかかっているぅ。まあ、鶴田さんによると演奏家の方々への報酬は微々たるもの(=「ほとんどボランティア」)だったようだが)

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2007年発行の「2」
この号にもCDが付属されている。マイスターミュージックのサンプラーだったようだ。と、書いたのは現物を確認していないからだ。この号は中古で買った際、すでにCDは無い状態であった。
1(無印)の時は上記のように企画に合ったものをわざわざ録音して制作していたことに比べれば退行した。さらに「3」以降はCDの付録は無くなってしまう。(価格は据え置き1500円税込)
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2200712月発行。アナログオーディオとしてレコードプレーヤーと真空管アンプをフィーチャーしている。
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2000年代はiPod+iTunesによる音楽の聴き方に変化が訪れていた時代であった。CD-DAを圧縮してHDDに取り込み、持ち歩きどこでもどんな順序でも(なんなら所有するすべてのCDの曲を)聴ける時代が到来した。その下地の上にデータ配信(ダウンロード)によるハイレゾ音楽が視聴の中心となっていく(2010年代)ライトな視聴に関してはサブスクリプションによるストリーム配信が主流となっていく。(2010年代後半)

2007年とはどういう時代だったのか、音楽再生がデジタル一択(それもiPod一強)家庭でのオーディオがV(ヴィジュアル)を伴う5.1chサラウンドに大きく軸足を移していた時代である。ピュアオーディオを勢は勢いを失いそのダメージは今も尾を引いている。そんな中でピュアオーディオ勢が発見したのが「アナログ」オーディオだったのだ。2008年には日本でもiPhone3Gが発売されスマホ時代が開幕し、相いれないアナログと2極分化していく起点といえる時代であった。

本号の特集では2007年時点での商品の紹介はもちろんレコードプレーヤーの基礎的知識を手厚くとりあげ非常に良い内容である。初心者にも再入門組にも有益な記事が多かった。
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真空管アンプの記事に関しても十分なボリュームがあった。
まあ、10年以上前の記事なので今、わざわざ手に入れるほどのものかといえば、(もっと内容の新しいもの(特に製品情報)もあるので)そうではないと思うが手許にあると便利ではある。(ちなみに自分は何度も読み返している)

 

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2008年発行の3はメインの記事がコンポの組み合わせ。30万円から100万円の予算でコンポの組み合わせの提案が掲載されていた。今となっては現行モデルが少なく、あまり参考にならないであろう。

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この頃はまだCDの需要もあり、高音質(と言われていた)新素材CDの特集があった。

 

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2009
年発行の4の特集は「ビートルズ」である。2009年といえばビートルズのすべてのCDがリマスターされリリースされた年である。オーディオ雑誌でも盛んに取り上げられていたが、不思議とこの時の事を覚えていない。当時、ビートルズのCDを買った記憶もない。あれから11年経ちレコードリリース50周年のイベント(「サージェントペパーズ…」以下のアルバムすべてで50周年記念リミックス版が制作された。ただし「レット・イット・ビー」は除く)もすべて終了している。それでも人気が衰えないのはすごいことである。
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この号では「後世に残したいサラウンド文化遺産50」という記事があった。この頃まだDVD-AUDIOSACDの多チャンネルものが多くリリースされていたことがわかる。過去の名盤をリミックスして5.1chサラウンド化。付加価値をつけて売るということが盛んにされていた。ビートルズの「LOVE」については本稿でも取り上げたことがあるが、オリジナルを大きく逸脱するものもあったようだ。現在DVD-AUDIOは絶滅しSACDは高音質の2chシングルレイヤーのみ生き残っている?そもそも家庭内でサラウンドを聴ける環境がある人はどれほどいるのだろうか。10年前にはそこそこいたと思うが今となっては…

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「10年後も「定番」いい音を選ぶ」はAUDIO BASICより特集のボリュームが大きくて深堀だった。年1回の刊行で丁寧に作ってある感じがした。掲載されていた商品が果たして10年後に定番になっていたかは微妙なところだが(オーディオ市場のシュリンク具合は10年前の想像をはるかに超えるだろう)広告の少ないこういったMOOKは現代にこそ必要だと思う。(価格は倍くらいになってしまうかもしれないが…)


いよいよ音出しである。

まずはデフォルトの状態(RIAAカーブ)で聴いてみる。

悪くはないというのが感想である。解像感もありHifiな音である。自分は真空管の音というのをよく知らないので、これが真空管の音なのかどうかわからない。が、一つ言えることは普段使っているSU-V900(プリメインアンプ)の内蔵フォノイコライザーとあまり変わらないということだ。

もともと、Panasonic(Technics)の音はHifi指向で微細な音も幅広く再現する方だと思っていた。(=色付けが少ない。そういう意味で優秀なフォノイコライザーといえる)わざわざフォノイコライザーを追加するような不満があるわけではなかったのだ。

それでも以前YAMAHAのフォノイコライザーHA-5を聴いた時(過去記事参照の事)には違いはわかったものである。(HA-5は上下の帯域の元気が良くメリハリの利いた音だった=これはこれでアリである)

今回LXV-OT10を聴いてみて突出して良いとか、特徴があるとは思わなかった。ということだ。

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VARIABLE EQUALIZERと書いてある

それでは肝心のEQ機能についてはどうだろう。LOWHIGHのつまみがあり、それぞれプラス・マイナス5dbの調整ができるという。

これは他の方が言っていたことだが、「少し動かしても変化を感じず、大きく動かすと気持ち悪い(音になる)」この言い方が正しいと思う。変化があることは大きく動かした際にわかるが、そこまで動かすとおかしな音になる。たが微妙に動かしただけでは変化を感じることができない。少なくとも自分の耳ではよくわからなかった。(自分の耳が悪いだけかもしれない)

自分がこのLXV-OT10を買った理由は前々回に書いたDECCA=LONDONffrrカーブをシミュレートするためだったのだが、この機種はその目的のためには使えない。(このままでは)

元々そんな目的で使えるように設計されていないからである。個別のEQカーブをシミュレートするという使い方は最初から排除されており、「(レコード毎に)聴感でいい感じに合わせてね」というのがこの機種の設計思想である。その理由は「各社のEQカーブというのは曖昧なもので個別のレコードによって違う」からだそうだ。(本誌に書いてある)

それは真実かもしれないが、だとしたらそれをフォノイコライザーでやる必要はあるのだろうか。このHIGHLOWを個別に修正する方法はアンプのトーンコントロールとなんら変わらない。

例えば「ffrrカーブを再現する場合LOWの目盛をこのくらいHIGHをこのくらいにすればできますよ」といった情報が開示されていればそれは価値のあるものになったと思うが、そんな情報もない。(そもそもできるかどうかもわからない)

自分の場合このまま使い続けるか微妙である。(エイジングで大化けする可能性は残されてはいるが…)

 

 

ではこの機種を買うべき人とはどのような人なのか考えてみた。

 

ION AUDIO MAX LP等の安価なレコードプレーヤーユーザーのアップグレードパスとなるか?

日本のアナログレコードユーザーの裾野を拡げた安価(1万円前後)でアンプ+スピーカ-付属のプレーヤー。ユーザーは多いと思うが、この機種はフォノイコ内蔵でRCA出力はLINE接続。つなぐことはできない。そもそも、1万円のプレーヤーに2万円のフォノイコライザーは価格バランスが悪い。

 

②大量の古いレコードを持ちEQカーブを調整して聴きたい人。

一見安価に調整できそうだが、11枚最適解を見つけなければならない。となると現実的ではない。そもそも、そのようなコレクターは既にこだわりのシステムを持っているのではないだろうか。

 

1990年代以降のアンプを使っていてPHONO端子がない。(たとえばケンブリッジオーディオのTOPAZ AM5など)

→フォノイコライザーを所有

例えばAT-PEQ3(実売5,000円程度)からのアップグレードを考えたい場合。品質的に大きく変わらない可能性がある。ただMC型のカートリッジを使いたい人には有効なアップグレードパスになるかもしれない。前回の記事の通り、頻繁に切り替えて使うのは現実的ではないが。

20,000円クラス以上のフォノイコライザーを使っている場合はアップグレードにはならない気がする。

→これからレコードプレーヤーを購入

現代のレコードプレーヤーは10万円をこえるオーディオ指向のもの以外は、フォノイコライザーを内蔵しているものが多い。(その音を聴いてから判断すればよいと思う)

フォノイコライザー単体に20,000円出すつもりなら製品版でそこそこのものが買えると思う。ただ、このクラスだとMMカートリッジ専用になると思う。MCカートリッジを使いたい人には選択肢に入る可能性はある。ただ、個人的にはMCカートリッジを使うような人にはもう少し値の張るフォノイコライザーを使ってほしい。

フォノイコライザーに2万円出せるのであればアンプごと買い換えるという選択肢もある。現在の最廉価群のプリメインアンプにはフォノ入力があるタイプがままある。YAMAHAA-S301やマランツのPM5005などは価格.comでの価格が23,000円程度でMM専用だがフォノ端子がある。アンプに直結できる方が電源も含めて有利なことが多い。

 

いろいろ書いたが、このフォノイコライザーを買うべき人が見当たらないのだ。

 

フォノイコライザー単体に2万円支払う人はビギナーではないと思うし、エンスージアストはこのクラスは歯牙にもかけないだろう。いきおい中堅クラスということになるのだが、その人たちは既にレコードを聴けるシステムを構築しているのではないか。買い換えるほど魅力がある製品なら別だが、とてもそうは思えない。真空管の使用とEQがこの機械の売りだがどちらもさほど有用ではない気がしている。(個人の感想です。あしからず)

真空管を無しにしてでも10,000円程度で売ったらそれなりに魅力的な商品になったような気もするが…




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