以下の内容はhttps://retroaudio.blog.jp/archives/2020-06.htmlより取得しました。


重量機アンプPanasonic SU-V900(前々回参照)でAKG K701(前回参照)を鳴らしてみた。

まずどのくらい音量が取りにくいか、iPod(5.5th)直差しで聞いてみた。(曲はアデルのRolling in The Deep
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ボリュームの80%くらいで普通に聴けるくらい。音量が上がれば普通に聴ける。圧縮音源と思えないくらい細部の再現性は良い。
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次にポータブルアンプのnuforce icon-mobileをかましてみる。30pinのアナログ出力から繋いで聞くと、さすがにiPod直差しより余裕のある再生音となる。ただ、音の傾向はフラットな感じで直差しと大きくは変わらない。
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ここからは音源をCDに変えて聞く。

CDプレーヤーのヘッドホン端子につないで聴いてみる。音量はそれなりに取れているが音の解像感は不足気味である。
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通常使っているヘッドホンアンプxDuoo TA-02(真空管アンプ)で聞くとさらに解像感が上がりK701の実力がよくわかる。iPodでは気づかなかったバックのクラップがはっきり聞こえる。電源を入れてすぐは、やや膨らんだ音像でエコーがかかったように聞こえたが、30分ほど使っていると締まった感じになった。全体的に好ましい印象。
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さて、いよいよSU-V900だが、さすが本格アンプの操作感、通常よくあるヘッドホンを指したらスピーカーへの出力が止まるという仕様ではない。(ヘッドホンアンプが独立している?)

スピーカーの切り替えノブで、スピーカーへの出力をコントロールする。ヘッドホンとスピーカーの聴き比べが容易である。
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スピーカー出力との聞き比べではK701の方が細かい音の再生が得意と感じた。(まあ耳のすぐそばで再生しているのだから当たり前か)

TA-02との比較では十分な解像感を保っているがやや硬い印象。音量は十分とれている(この辺りは余裕だろう)単独で聞いていると全く問題のない実力だと感じた。

(比較ではTA-02の方がやや好きかな)

AKG K7012006年頃から輸入されるようになったヘッドホンで当初の販売価格は8万円台だった。2010年代には5万円程度に下がったが依然高嶺の花だった。

現在の販売価格は15,000円程度(サウンドハウス価格)。伝統ある有名ヘッドホンの中ではむしろ安い方となっている。この変化には当然理由があるのだがそれは後述しよう。

AKGは知る人ぞ知るオーストリアの音響機器メーカー。マイクとヘッドホンが有名。プロ用のモニターヘッドホンの印象が強く、地味だが質実剛健なイメージだった。2005年に開放型のヘッドホンK701を販売し世界的なベストセラーになり、今に至るまで製造販売されている。日本では「けいおん!」の中で秋山澪が使っていたことから「みおホン」の愛称で知られるようになる。当時その界隈の人たちがこぞって買っていたようだ。(5万円以上していたと思うが…)
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Made in Austriaの文字が見える

AKGはそれより以前、1990年代にハーマンインターナショナルの子会社となっている。そしてそのハーマンは2017年韓国サムソン電子に買収されている。この辺のくだりはAKGブランド(実質サムソン製)のイヤホンEO-IG955の記事でも触れていたかもしれない。

さてK701が安くなった理由だが、2010年代半ばから製造が中国に移管され、製造費用が削減されたことが大きいと推測される。以前は母国オーストリアで職人の手造りと言われていた(あくまで噂)
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Q701の表示MADE IN CHINA(P.R.C)と記載がある

インターナショナル企業であるハーマン、はたまたサムソンが効率や利益を求めて製造を移すのは十分に考えられることである。

未だにオーストリア製にこだわる人もいるようで(気持ちはわからないでもないが)中古市場では価格差が若干あるようだ。だが、品質に差があるとは思えない。


ちなみに1枚目写真のK701(白)は最近購入したもので、ジャンク品(動作に問題はなかった)とはいえ2,800円だった。隔世の感がある。また2枚目の写真のQ701(黒)はK701の派生(クインシー・ジョーンズ)モデルで中古で11,000円程度だった。
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箱付き台付きで2800円だった

自分は開放型が好みに合っていてほとんど開放型しか使わないのだが、K701(またはQ701)はその中でも断トツの品質を誇る。解像感、定位感、分離感すべてにおいて最高クラスである
。AKGにはモニターヘッドホンの系譜があるのだが、開放型でもモニターとして使える性能を誇る。側圧は弱めだが頭上にサポートがあるので問題ない。(人によってコブが痛いという人もいるが)
唯一の欠点はインピーダンスが62Ωとやや高め、音圧感度が93dbとやや低めのため音量が取りにくいという点だ。(といってもK701の品質のために必要なスペックでK701の欠点とは言えないのだが…)
iPod直差しだと十分な音量が取れないのは事実である。そこで必要になってくるのがヘッドホンアンプということになり、Panasonic SU-V900をヘッドホンアンプとして使うという話が出てくるのである。ああ、やっとつながった…

今一番使っている寝室システムを入れ替えた。このシステムはテスト環境を兼ねているので常に入れ替わり組み換えが宿命づけられている。(大袈裟!)

最小限度のシステムで(ソースはCD、とレコード。それにアンプとスピーカーのみ=最低限度まるでスリーピースバンドのよう)組み換えが容易だった。

ここ1年を見てもアンプがマランツPM-4000からオンキヨーR-200、間に雑誌付録のLXA-OT3をたびたび挟んで、ヤマハSR-100XからMX-35DSP1000の組み合わせの後、デノンのAVC-3890となっていた。

AVC-3890は多機能なAVアンプでPhono入力があり、当然デジタル入力が可能でHDCDのデコーダーも備えている。PUREオーディオモードも備えているのだが、使っているうちに不満が出てきた。

用途が2chオーディオ用途に限られるのに7つものアンプやV系があるためにやたら大きい筐体が邪魔であった。それとこの個体に限ってかもしれないがやたら発熱が多い。これからの時期心配である。
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ということで新しく何かを買ったわけではないが、機種の入れ替えを行った。元々使っていなかったが、サンスイのAU-α907NRA導入に伴い完全に使い道のなくなったSU-V900を寝室におろし本格的に使うこととした。それに伴いCDプレーヤーもKENWOOD DP-990GSに変更した。
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SU-V900201810月に購入した際取り上げたが、もう一度おさらいしておこう。

1989年製のSU-V900SONYTA-F333ESx1986)が惹き起こした798戦争時代のアンプである。(この辺りは333ESxの系譜の稿でも書いたが)Gシャーシに大型トランスを持った重量型アンプはとてもこの価格では売れないような物量が投入されハイコストパフォーマンスな機種だった。当然他社も追随し(各社体力があったんですな)同価格帯で物量投入合戦が始まった。そんな中重けりゃ良いみたいな風潮もあり、ひたすら重量増を目指していた部分は否めない。このパナソニックブランドのアンプは総重量21㎏。左右完全分離のパワーアンプ部を持ちそれぞれに大型のトランスを持っている、そりゃあ重いわという仕様である。内部の写真はネット上にいろいろあるので見ていただきたいのだがX-PROと書かれた大型コンデンサを中心に完全に左右分離された内部は、普及価格帯のアンプとはとても思えない。このコスパなのに売れたという話は聞かない。不思議なことである。

もっぱらの噂ではPanasonicブランドだったのが良くなかったのではないかと言われている。現代の読者には何のことかわからないと思うが、Panasonicは当時の松下電器産業が持っていたブランドの一つで、現在は社名(でブランド名)になっている。当時国内向けのブランドは「ナショナル」であり、オーディオは「テクニクス」であった。(松下電器産業が社名である)「パナソニック」というのは「ナショナル」ブランドで売ることができない海外向け商品に付けられていたブランドと理解していた。それをそのまま国内で販売していたのである。オーディオブランド「テクニクス」があるにもかかわらずである。そりゃマニアから低く見られても仕方なかったと思う。しかし、この内容をみれば、当時の家電メーカーの雄が本気で作るとこうなったという渾身の一台であったことがわかる。(世界戦略モデルだったのかも?)SONYTA-F333シリーズを脅かしうる実力を持った一台であった。(スペック的には完全に凌駕している?)

おかげで中古市場でも見かけることは少なく、少ないからと言って希少価値があるわけでもなく比較的安価である(不人気のため)発売から30年が経過し、いまから探して買うというのは現実的ではないとは思う。

さて久しぶりに使ってみてどうだったか。大型のボリュームノブはアルミ製で重量がありボリュームの回転トルクも高級機のそれである。その他のノブもアルミ製で手抜き無しである。ソースダイレクトのボタンが大ぶりのためやや建付けが悪い感じだがそれはご愛敬である。

音は直前のAVC-3890との比較になるが、低域に余裕があり、深い低音がでている。スピーカーはNS-BP200なのでそれほど伸びるとは思えないが明らかに低域が充実している。

89年というのは微妙な年で再生メディアの中心はCDに移りつつあったが、レコード再生(フォノイコライザーやヘッドアンプ)にも妥協無しである。おまけ程度のAVC-3890とはわけが違うぜ(AVアンプに酷ないいかた)という感じである。

別ブログで書いたが、AKG K701(音量が取れないので有名)を購入したので、次回SU-V900のヘッドホンアンプとしての実力を試してみたい。

前2回と同時に買ったtheジャンクレコード。その最終回である。
Small Facesのデビューアルバム、その名も「Small Faces」である。(DECCA盤。彼らは後にこのレコード会社と揉めて移籍し、同名のアルバムを再度リリースするが、中身は別物)
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アイドルグループのようなジャケ写

1966年リリースということだがこの個体が1966年製かどうかは確信がもてない。
ビートルズの当時のアルバムは裏面の糊代が表側に出ている(裏から見て糊代が見える)仕様だがこれはそうではない。
1966年といえばビートルズ年表ではアルバム「リボルバー」をリリースした年である。以前の記事で「リボルバー」の年代特定をした際に調べた限り「リボルバー」のオリジナル盤は外糊代である。
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現在と同じ糊代が内側にあるタイプ

もう1点、ジャケットの表示はMONOだが、レコードのラベルはSTEREO表記。
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たまにあることだが、大抵はラベルの方が正しい。が、このアルバムはどう聞いてもMONOのような気がする。

輸入盤あるあるだが、レコードは紙のスリーブに入れられており、ホコリ防止の袋には入っていない。
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レコード盤面の状態は前2回同様劣悪である。キズ部分が白くなり、すぐにそれとわかるひどい傷がついている。
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こんな傷はどうやったらつくのか?

そのほかにも無数に傷がついている。マトリクスの表示部分にとがったものでひっかいたような痕跡がある。まあ、状態が悪いということである。

聴いてみた。
モノラル盤だからか小傷のノイズがあまり気にならない。さすがに上のような傷の部分では繰り返しノイズが入るが、聞けないほどではなかった。
そして、このバンドのことは知らなかったのだが、凄く良い。
ビートルズと同時代でブリティッシュインベンションの一角を担っていた(はず)のバンド。その時代の英国音楽シーンの勢いがよくわかる。
ジャンクレコードのジャケ買いにはこんな出会いがある。(やめられないわけです)


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おまけ BEAT SOUNDSの記事 2006年に40周年記念盤がでたらしい

前回のTHE WHO TOMMYと同時に購入したレコード。これも見事なジャンクレコードだった。

2枚組の「アメリカングラフィティ」サウンドトラック盤(1973)
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帯からしてジャケットの向きがおかしい感じだが…
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これが正しい

この個体は日本ビクターが製造した国内盤だがレーベルはMCA。前回のTOMMYと同じだが、ラベルデザインは70年代の黒に虹デザインが使われている。
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レコードの盤面の状態は良くない。とにかく汚れがひどい。

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実は以前にも同じタイトルを購入したことがあって、それも状態が悪かった。今回のものはそれよりはマシといった程度だった。
ジャケットは二つ折りのダブルジャケットだが両個体とも端が裂け始めていた。この頃の紙の品質の問題だろうか?(国内盤なのに?)
視聴した。
これもキズ由来のノイズ多数。オールディーズの曲なのでノイズは味、とはならない…



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