以下の内容はhttps://retroaudio.blog.jp/archives/2019-10.htmlより取得しました。


(ラウド)スピーカーに使われている磁石にはフェライトマグネットとアルニコマグネットがある。現在の主流はフェライト型でアルニコマグネットを使用しているものは少ない。音質的にはアルニコの方が有利と言われているが主にコストの関係でフェライトマグネットが主流となっているようだ。
ビクターでスピーカー設計を行っていた渡邉勝氏(現クリプトン)がインタビューの中でアルニコマグネットの価格は全盛期の20倍になったと語っていた。クリプトンは渡邉氏の思想に基づき密閉型、クルトミューラーコーン、アルニコマグネット使用のスピーカー(SX-500の仕様ですな)を作り続けている。

今回機会があってアルニコを使用している(と思われる)スピーカーを聞き比べた。
聴いたのは次の三機種、Victor SX−521、Victor SX-300、YAMAHA NS−05
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いずれも本稿で取り上げたことがある

ここでアルニコ使用に関して歯切れがわるい理由を説明しよう。
NS-05とSX-521 に関しては公式に使用が謳われているのだがSX-300に関しては資料がない。
どころか前述の開発者渡邉氏のインタビューで「・・・アルニコを使ってみたくて企画したのが「SX-500」ですね。ただ、どうしても「SX-3」よりも価格が上がってしまうからと、営業部は大反対。当時でもアルニコはフェライトの3~5倍の価格でしたからね。それでフェライトを使ったもう少し安い「SX-300」っていうモデルも発売したんだけど、結局は「SX-500」の方が売れたんですよ・・・」と語っている。これではフェライトに決定じゃん。だが、ここに1枚の画像がある。

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オークションに出品された際の画像

SX-300のウーファーとして出品されたHSA1620-01Mの画像である。これが本当にSX-300 のウーファーと言う確証は無いのだが型式まで記されていることを考えれば正しいような気がする。そして、壺型のこの形はアルニコ型の特徴である壺型ヨークではないだろうか。少なくともフェライトではない。
ということでアルニコ三兄弟に仲間入りとした。

ようやく試聴。アンプはsansui AU-α607XR CDはオレンジペコー「ポエティック・オー」

前にも書いたがSX-521(スコーカーだけがアルニコ)はツィーターが鳴らないジャンク品(未修理)で分が悪いのだが、一応聴いてみる。

SX-521はさすがの低域の伸びを示すも、もっさり感が拭えない。ツィーターが無いためなのかはっきりしないが・・・ちなみにSX-511も所有しているがこちらはそんな印象はない。

SX-300は最近の記事でも書いたが、中高音域、特に高音域が素晴らしくキラキラしている。低域も165mmのウーファーとしては頑張っている。やっぱこれかなーと思っていたが・・・

NS-05を聴いて、驚いた。すごく良いのである。最も口径の小さいウーファーと容積の小さいエンクロージャー(唯一バスレフ型)だが、中音域の品位が高い。もちろん低域が伸びているわけでも、高音のキラキラ感もないのだが、分厚い中音域で勝負している。細長いおもちゃ的な外観で損をしている。
特に女性ボーカルとの相性が良いのかもしれない。
ちなみにこの個体、前の記事の通りニコイチしたので両方共Lチャンネルである。(まともな状態で聴いてみたいものだ)良品があれば確保したいものだがほとんど無理になってきている。(殆どの個体でツィーターの断線の症状がある。または、それを修理した個体が多い)

今回視聴したものはそれなりに良いのはわかったが、アルニコだからなのかどうかはわからなかった。






2000年にリリースされた27曲入りのビートルズ「1」は英米のチャートで1位になった曲ばかりを集めたコンピレーションでAppleから発売されている。(ポールも認めた公式のアルバムということだ)
前回も書いたが2009年のリマスターを経て2011年版「1」が発売された。
そして、2015年再びリリースされたのが2015年版の「1」だ。

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左が2000年版(オーストラリア製)右が2015年版

2015年版にはSound Producerとしてジャイルズ・マーティンの名がクレジットされていて、リミックスを担当したと書いてある。リマスターではなく、リミックスである。
ジャイルズ・マーティンはジョージ・マーティンの息子で親子協業で行ったシルクドソレイユとのコラボ企画「LOVE」(2006)ではじめてビートルズ作品のリミックスを行った。
「LOVE」は本稿でもだいぶ前に取り上げたが、かなり自由に楽曲のリミックスを行っていて、アンソロジーで取り上げられたデモ音源も使用して全く別物に仕上げた楽曲もあった。なによりDVD-AUDIO版も発売されビートルズ作品ではほとんど無い5.1chサラウンドの音が聞ける。「LOVE」は賛否両論があったが、企画物ということでまあ許される感じだった。
この後ジャイルズは本格的にビートルズ音源のアップトウデートに乗り出す。この「1」(2015)を皮切りに「サージェント・ペパーズ…」50周年記念盤(2017)、「ホワイトアルバム」50周年記念盤(2018)、「アビーロード」50周年記念盤(2019)とオリジナルアルバムのリミックス作業を着々とこなしている。

その走りがこの「1」だった。
オリジナルのアナログテープに戻ってリミックスを行い、主に定位がおかしかったステレオ音源の修正を行っている。
初期の作品のステレオは左右に楽器とボーカルを分離していたり、トラック数の少なさから不自然なミックスになっているものがあった。(この時代モノラルが主流でビートルズもモノラルのミックスダウンには立ち会ったがステレオの方はジョージ・マーティンにお任せだったようだ)

今回SHM-CDとCDの比較をしようと聴き比べたが、リミックス後の2015年版は全くの別物で比較はできなかった。個人的には音が悪いと評判のよくない2000年版のほうが音に勢いがあると感じた。別物なので2枚持っている意味はあるなと思った。(考えて買ったわけではないと思うが…)

前回の記事で悔い改めて、実際に聴いて確かめようと思い探してみた。結果、どちらも持っているアルバムがあった!
ビートルズの「1」である。輸入盤と国内盤を持っていた。(なぜ2つあるのか定かではない)輸入盤にはSHM-CDは無いのでこれで比較できると思ったのだが、そうはいかなかった。
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上が輸入盤、下は国内盤(紙ジャケ仕様)

間違いなく国内盤はSHM-CD仕様
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ロゴが印字されている

なぜ比較できなかったか、その答えを知るためにはこのアルバムの歴史を知る必要がある。
ビートルズ「1」は2000年にリリースされバカ売れしたアルバム。(自分所有の輸入盤はこのときリリースされたもの)
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ジョージ・マーティン(序文)、マーク・レビンソン(録音データ)の名前が見える

ビートルズのアルバム群は1987年にジョージ・マーティンによってCD化された。(初期のアルバムはモノラルで発売)それから「青盤」「赤盤」のCD化の際や「アンソロジー」の発売に合わせリマスターが(アンソロジーでは一部リミックスも)実施された。1999年には「イエローサブマリンソングブック」が発売されピーター・コビンによるリミックスが行われた。(リミックスは禁断の技)
2000年の「1」の発売の際、再度デジタルリマスタリングが行われ(Peter Mewの名前がある)新たな音源となっていた。
2009年に有名な全アルバムのリマスターを完成させ、以降それがスタンダートなる。その音源を利用した「1」は2011年に発売となる。
自分所有の国内盤(SHM-CD)は実は2015年盤である。
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これは一体何なのか

次回に続く

最近買った「HAYLEY sings JAPANESE SONGS」というCDにSHM-CDの表記があった。
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HAYLEY WESTENRAという名前だが日本ではヘイリー名義だった

SHM−CDは高音質を謳ったCDで確か2007年頃から販売されていたと思う。
前項で取り上げていたHDCDより新しい時代の高音質(というフレコミの)CDだ。

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ロゴはこれ

SHMとはスーパーハイマテリアルのことで、CDの読み取り面のポリカーボネートの材質を見直し、より透過性を高くし、ビットの読み取り精度を上げて高音質にする。といった製品。ユニバーサルミュージックと(当時の)日本ビクターが共同で開発した技術。(同じような思想で作られた高音質というフレコミのCDにSONYのBlu-spec CDがある)
CDのデータそのものは同じもので当然通常のCDプレーヤーで再生可能。

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ここにもロゴが…

ヘイリーのCDに解説書(ペラ1のもの)が入っていたが、自信満々で高音質を謳っていた。
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解像度と歪感の音質特性が倍近い評価(社内評価)

なのだが、実際は音はほとんど変わらない(と言われている)←追記を参照ください。

SHM-CDがリリースされた当初、高音質と評判だったCDは実はそれ用にリマスターしたものという噂がある。(あくまでも噂だが…)つまり、高音質はスーパーハイマテリアルの恩恵ではなかったということである。
原理的にその修正で認知できるほど音が変わるとは思えない。そんな音の変化を感じられるほどの高級プレーヤーなら読み取り精度は元々高いはずで、読み取りに変化が起こるとは到底思えない。←追記を参照ください。

その証拠に現在はこの仕様のCDは作られていない。完全に過去のものとなっている。←追記を参照ください。

販売量が下がっていたCDをなんとか盛り上げようとした苦肉の策だったのだと思う。
まあ必死なのはわかるが・・・


2019年10月21日追記

SHM-CDの音質について「変わらない」と断定的に記載していましたが、実際に「変化はある」との見解をいただきました。CDとSHM-CDを聴き比べた結果で仰っておられるので正しいと思います。
自分で比較せずネットの情報だけで書いてしまいまいました。「変わらない」ということは撤回したいと思います。
オーディオの世界で微細な違いが音に影響すること(たとえば電源ケーブル、たとえばスピーカーケーブル…)を実感としてわかっていたはずなのに、ありえないと断ずるのはやはり間違いだったと思います。
また、SHM-CDは現在でも販売されているようです。過去のものという言い方は間違いでした。

申し訳ございませんでした。




そのCDはMONDO GROSSOのアルバムでタイトルは「BEST」
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「HDCD学びなおす」では、あまり有用な情報もないままに(音についても懐疑的な結果だった)尻切れ終了していたが、国内盤のHDCD(としっかり明記された)アルバムを発見したので、いろいろ調べてみた。
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HDCDのロゴが見える

国内盤で数少ないHDCDと明記したアルバム。どのような出自をもっているのだろうか。

その前に、MONDO GROSSOとは何者か。知る人ぞ知る大沢伸一のアーチストネームだが、以前はバンドであった。大沢伸一はプロデュ―サーとしてBIRDや信近エリを手掛け、多くのアーチストに楽曲提供するなど多彩な活動を行っている。

このアルバムの基本情報。

リリースは2000年8月23日 フォーライフレコードより発売(FLCF-3797)

大沢伸一は1999年にSONYへ移籍しているので、フォーライフ側の企画でフォーライフ時代の曲を集めて作られてコンピレーションだと思われる。

1993年デビューし、1995年以前はMONDO GROSSOは5人組のバンドだった。1996年以降はソロプロジェクトとなる。もっとも一般に知られた曲はSONY移籍後、Birdをフューチャーした「LIFE」(2000年アルバムMG4収録)だと思われる。

今回、このアルバムにはバンド時代の曲を中心に集められている。MONDO GROSSOの曲だとは知らなかったが聞いたことがある曲が複数含まれていた。MONDO GROSSOの浸透度は(知名度に比べて)高いと感じた。楽曲のクオリティも非常に高く、価値ある一枚だった。肝心の音質だが(CDとしてしか聞けていないが)良い音だったと思う。HDCDを選択するということはアーティストまたはプロデューサーが意識高い系と考えられるので普通のCDより高音質と思う、のは考え過ぎか。

以前のHDCDの記事で録音時にエンコードすると書いていたが、このコンピレーションは93年から97年までの録音されたものなので、リマスターを作成する過程でエンコードを行ったと推測される。

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マスタリングのエンジアは小泉由香氏(Orange)

小泉さんのディスコグラフィを見ているとHDCDは1998年に現れて2001年頃まで制作されていたのがわかった。限定的なマイナー規格だったのか?うーん、よくわからない。



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