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眠りのことはクロモジに任せてみようか

今週のお題「睡眠」

 

何年か前に思い切って家庭用のミニ蒸留器を買った。その頃アロマウォーターにハマっていてローズウォーターを買ったりしていたけど、ピュアな物はとにかく高い。庭のバラを蒸留したら自分で作れるんじゃないかなと思ったのがきっかけだった。

 

この断捨離の時代に、生活必需品でもない、いわゆる趣味の物を新たに購入するのに迷いもあったが、いざやってみたらなんか理科の実験みたいですごく楽しかった。それからは庭の金木犀やラベンダー、ローズマリーなど、気軽に蒸留を楽しんできた。

 

蒸留の詳しい手順はこちらに書きました。↓

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今回蒸留したのは「森のアロマ」と呼ばれる和ハーブのクロモジだ。大嘗祭の儀式でもクロモジの香りが使われると知って、いったいどんな香りなのか興味を持った。残念ながら庭にはないので、ミニ蒸留器リカロマの販売元であるリカシツで蒸留用のキットを購入した。

開封した途端、上品ないい香りが広がった。見た目はこんなに地味なのに、この葉っぱと枝に神聖な力が宿っていそうな感じ。やっぱり和ハーブにはどこか懐かしい、心身の奥の奥が呼び覚まされるような感覚がある。

蒸留のやり方は簡単だ。まず大きいビーカーに水を入れて台を置き、その上に小さなビーカーを載せる。その周りにハーブや花を入れて蓋をしたらセット完了。いよいよコンロのスイッチをオンに、緊張の瞬間だ。

水がぐつぐつ沸騰してきたら、上の蓋に氷を入れる。クロモジの香りや成分を含んだ水蒸気がどんどん上に上がって来る。すると氷で冷やされて、蓋のカーブを伝わって真ん中に集まり、ポタポタと水滴になってビーカーに溜まるという仕組みだ。

部屋中にいい香りが広がって、目をつぶるとまるで森の中にいるみたいだ。20分ぐらいで底の水がなくなってきたらスイッチを切る。ガラス容器が十分に冷えてから中のビーカーを取り出す。

 

25gの乾燥クロモジから、約100mlのクロモジ蒸留水が取れた。左のスプレーボトルに移したら完成。

この香りをなんて説明したらいいんだろう。爽やかなのは間違いないけど、レモンやミント系の爽やかさとは違う。少し甘さや渋みも感じられて奥深いのだ。心身に染み渡ってくるような心地よさ。森の中で深呼吸しているような安心感をもらえる香りだ。

 

香りの秘密はリナロールという香り成分で、鎮静作用があり「睡眠中の途中覚醒を防止して、安眠をもたらす効能がある」という。確かにできたてのクロモジ蒸留水を、目を閉じて自分に向けてシュシュッとスプレーしたら、まるで「おうち森林浴」をしているような心地よさだ。瞼の向こうに木々や鳥の声、澄んだ空気が広がって「安心な場所」へいざなわれるような不思議な感覚になる。

 

ところで私が最初にクロモジを知ったのは、「日本のハーブセラピスト」講座で学んでいた時だ。「クロモジは古来から神聖な木として儀式で山の神に捧げられた」という記述の後に「江戸時代には歯ブラシや楊枝としても活用された」と出てきて驚いた。

 

神聖な木がなぜ爪楊枝に?

 

そんな素朴な疑問を持ち、また「黒文字」という名前の由来も面白かったので、多くの和ハーブの中で記憶に残ったのだ。

 

元々は仏教伝来時に、お坊さんたちが強く爽やかな香りのするクロモジの枝を利用して歯磨きをしていて、それが歯のお掃除をするための爪楊枝に繋がったという。今でこそクロモジには抗菌・消炎作用があることがわかっているけれど、当時の人たちは実際に使いながらそんな効果を実感していたのだろう。

 

探してみたら、うちにもクロモジの楊枝があった。名前の由来になった、黒い文字のような斑点が見える。気品があるなぁ。

千利休は、庭先に植えたクロモジの木の枝を折り、その場で小刀で削って楊枝にし、和菓子にそえて秀吉に出したというけど、どれほどいい香りがしたことだろう。さすがの秀吉もリラックスしたのでは。

 

さて、クロモジを入れたチンキも作ってみた。八ヶ岳で活動されている矢崎綾子先生のワークショップでの課題だ。アカマツ、クロモジ、ホーリーバジル、高麗人参の4種を使って冬の身体を整える。

消毒した瓶に、薬草を入れウォッカをひたひたに注ぎ、2週間おいて漉したらできあがり。

チンキは植物に含まれる有効成分をアルコール液に溶出させたもので、長期保存もできるし、ハーブティーより即効性があるのでよく作っている。

 

クロモジの蒸留水とチンキの完成だ。

私は眠るのが得意じゃない。交感神経優位というか、布団に入っても思考の旅がなかなか終わらないのだ。今までいろんなアロマやお茶、音楽、枕などを試してきた中で、このクロモジの香りを嗅いだ瞬間、何とも言えない特別感を抱いた。潜在意識が覚えているというか、回帰する感覚というか。

 

寝る前にお白湯にチンキを数滴たらして飲む。そして蒸留水をシュシュっと全身に浴びる。クロモジの香りに包まれながら本来の場所へ帰っていくように、いつの間にか眠りの世界へ入っていく。この「いつの間にか」ができなくて毎晩苦労しているけど、クロモジにゆだねてみたら、うまくいきそうな予感がしている。

 

私の他にもクロモジに魅了されている方がいた。ハーブ王子こと山下智道さんは

クロモジのフローラルウォーターを常に持ち歩き、クロモジの枝を入れてホットワインを飲むのが、贅沢なひと時と感じる。(「野草と暮らす365日」より)

とクロモジ愛を語っている。クロモジの枝を入れたホットワイン、なんて粋なんだ。

 

 

 

 

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