前回満潮で断念した、蕪島の特攻艇基地跡を再訪!
干潮でついに上陸し
四式肉薄攻撃艇「マルレ」格納庫跡を歩く!
今回は、一般には立ち入ることができない
個人所有地の一角に、
戦後80年となる2025年(令和7年)夏に、
特別に許可をいただき足を踏み入れることができました。
先日ご紹介した北九州市門司区・蕪島のマルレ(四式肉薄攻撃艇)の格納庫跡。
せっかく訪れたものの、満潮で渡れず、対岸から眺めるだけで終わってしまいました。
「いつか必ずリベンジを」と心に誓っていたのですが──ついにそのチャンスがやってきました。
今回は干潮のタイミングを狙って再訪し、ついに島に上陸。
島内部に眠る格納跡を歩くことができましたので、現地レポートをお届けします。
(マルレとは)
マルレとは、日本陸軍の「四式肉薄攻撃艇(よんしきにくはくこうげきてい)」で、秘匿名が「連絡艇」。その頭文字から㋹(マルレ)と呼ばれていました。
マルレは、全長5.6 m、全幅1.8 m、満載排水量約1.5 t、長さ5mのベニヤ製で、自動車用の60馬力程度のエンジンを積んだモーターボートです。
このマルレは、艇体後部に250 kgまたは120 kg2個の爆雷を装備し、最高速力・23~25 キロで敵艦に体当たりします。
航続時間は3.5時間でした。
マルレは、フィリピン・ルソン島の戦いで初めて実戦投入され、1945年(昭和20年)
1月9日に、約70隻がリンガエン湾内の米軍艦艇に突入し損害を与えたとされます。
こうしてマルレは約3,000隻が生産されました。

(海軍は「震洋」)
ちなみに、同じような特攻用に海軍が開発したモーターボートは震洋(しんよう)があり、「マル四」と呼ばれていました。

(戦争末期、日本各地に配備)
終戦間近になり戦局が悪化すると、本土決戦備えて日本の太平洋岸の多くの海岸には、連合軍の上陸部隊・支援部隊を迎え撃つために海軍の「震洋」や陸軍の「マルレ」の基地が作られました。
今回訪れた福岡県北九州市門司区の瀬戸内海側に浮かぶ小さな島・蕪島(かぶらしま)もその1つです。

(🏝️ 干潮のわずかなチャンスで上陸)
福岡県北九州市門司区大字大積の岬東旗にある蕪崎の満潮時に陸続きになる蕪島、ここにマルレの格納基地があります。
蕪島は、小さな島で、普段、海に囲まれていて、干潮のときでないと島に行くことも、近づく事が出来ません。
しかし干潮のときだけ、岩場が現れて島まで歩いて渡れます。そこで、潮位表を調べ、時間を見計らって再訪し島の入口にたどり着きました。

この小さな島に、1945年(昭和20年)年5月、陸軍の海上挺進第三十四戦隊・第四海上挺進整備隊が編成されました。
そして大積の浄光寺に本部を置いた陸軍海上挺進隊の暁部隊が、自然の洞窟を利用した蕪島水上特攻基地と呼ばれるマルレの格納基地を建設しました。
現在、陸軍の四式肉薄攻撃艇(よんしきにくはくこうげきてい)」を配備する格納の穴、10本が残っています。

(🔦 洞窟にある格納庫)
下の写真の 右の3つが格納庫で 1番左の穴は島をトンネルのように突き抜けて、島の反対側に通じています。
島の1番左にある、島をくり抜いて反対側迄通じていトンネルのような部分です。
大人の人が立っているので、それと比較して穴の大きさがわかると思います。
高さは5メートルくらいでしょうか・・・・

近づくと洞窟の前にはコンクリートの塀があります。
これは建設当時の物だそうです。もともとは高さ3メートルほどあったそうです。

コンクリートの塀を上から見た様子です。
建設当時は、鉄筋が不足していたため、鉄骨がなく、代わりに、とがった石を混ぜて繋ぎ材とし、それを漆黒で固めて作ったそうです。しかし、年月の経過とともに、朽ちてしまい、さらに風化していて一部が表に出ているのを見る事が出来ました。

洞窟の中へ足を踏み入れました。
引き潮なので中に入ることができました。
壁面は削られた痕跡が残っていて、自然の岩肌と人工的に削った跡が混じっています。
トンネルになっていて反対側が見れます。

こちらが反対側です。


こちらから覗きました。覗いた先に、コンクリート塀があるのがわかります。

この島から少し離れた崖にも格納庫がありました。逆光で見にくいので赤で囲みました。


暁部隊は、宮崎から来た20歳前後の若者だったそうで、島のすぐ近くにあった、本部を置いた浄光寺とその周辺の民家に宿泊し、突貫工事で制作作業にあたったそうです。
この蕪島地域を管轄するのは第五十六軍の下関要塞守備隊です。
幸いこの蕪島水上特攻基地からは、一度の出撃もなく終戦を迎えています。

📝 訪れる方への注意点
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私有地なので中に入るのは許可が必要です、勝手に入ると不法侵入ですよ
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干潮の時間を必ず調べてから訪問すること(潮位表チェックは必須)
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岩場は滑りやすいので、靴は滑りにくいものを
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戦跡は貴重な文化財でもあるので、内部を壊したり石を持ち帰ったりしないように
<<蕪島への行き方>>
私有地なので自由に入れません。中に入るには所有者の許可を頂きましょう。
この場所には車で行きましょう、また、満潮だと行きにくいので干潮の時間に行きましょう
住所:福岡県北九州市門司区大積
福岡県の蕪島の洞窟に眠るマルレ特攻艇の格納庫は、
静かに時を越えて存在し続けています。
