
天保4年(1833)6月11日、
ジャカルタから長崎に入港したオランダ船に
「ヌルテケレナスシンベ」という
何やら訳がわからない生き物が乗っていたそうです。
ヌルテケレナスシンベ・・・妙な名前です。
(天保雑記)
江戸時代に書かれた「天保雑記」という本があります。
これは、江戸に住んでいた大名家臣の藤川整斎が聞き書きした時事ニュースを書き写した本で、江戸時代の人々の暮らしぶりや出来事が記載されています。
その「天保雑記」に、わずか1ページながら「阿蘭陀壱番船乗来ヌルテケレナスシンベの図」というのがあります。
「阿蘭陀」はオランダのことです。鎖国をしていた日本で唯一交易していた西欧の国です。
(ヌルテケレナスシンベがいた!)
天保雑記によると、江戸時代の1833年(天保4年)5月18日にオランダ領のインドネシア・ジャカルタを出航した船が6月11日に当時西欧との貿易港だった長崎に到着します。
その船に、ヌルテケレナスシンベ という生き物がいた!というのです。
そのヌルテケレナスシンベの絵も描かれています。

このヌルテケレナスシンベ・・小学生が書いた絵のようですが、よく見ると羊のような丸まった角があり、口には牙があるようです。
前足は4本指です。そして尻尾には目玉のようなものがついています。
これは何??こんな生物がいるのか??
大きさや何を食べるのか詳細が書かれていません。
そして、このヌルテケレナスシンベが長崎に上陸してどうなったのかも書かれていません。
この名前=「ヌルテケレナスシンベ」も意味不明です。
「ヌルテケレナスシンベ」とは、動物の種類名なのか?それともこの動物の名前なのか?
さらにオランダ語なのか、それともジャカルタの現地の言葉なのか?何か意味があるのか?全く不明です。
(その他)
文献によると、このオランダ船には、鹿、ヤマネコ、ジャコウネコなどが乗っていたそうです。
鎖国をしていた当時の日本では、南蛮貿易を通して、このように、海外から来る動物は、珍しく、また貴重なため見世物としても人気だったと思われます。
将軍や天皇に献上されたものもあるかもしれません。
6月11日、
ジャカルタから長崎に到着した船の中にいた動物の中で、唯一、図まで書かれて紹介されている、
ヌルテケレナスシンベ。
これは何なんでしょうか??