下の動画は森永卓郎さんのインタビュー動画ですが、そのご様子からは亡くなる直前であったとお見受けする。
この中で語られていることはご自身の著書ザイム真理教、書いてはいけないの核となる重要な部分である。両書を読んでいればすぐにピンとくる事柄であるが、未読であっても十分腑に落ちる語り口だと思う。死を直前にしても、いささかの理性の障害も起こさない精神の強さには驚嘆するしかない。
以前、キューブラー・ロスという人の死の瞬間という本を読んだことがある。この方は、死にまつわる科学的な知見を切り開いたことで著名な精神科医。それによると、人が死の告知を受け入れて受容に至るまでに、死の否認、死への怒り、死との取引、抑うつ、そして死の受容と長い五つの段階があるという。森永さんは寿命の告知からいきなり最後の「受容」の段階に駆け上った稀有な方だと思う。また、キリスト教シスターの鈴木秀子氏は「死は限界を振り払ってくれる存在」だと言われる。ふつう我々が限界だと思っていることはとても恣意的なもの、つまり自分でここが限界と決めてしまったもの過ぎない。だから、自分の寿命に期限が付いたと知った瞬間に限界という概念が吹っ飛んでがむしゃらに時間を有効活用し始めると書いておられる。(死は人生で大切なことを教えてくれる・鈴木秀子)
森永卓郎氏における人生の幕引きはこれ以上ない立派な実例であったと言える。