
青の発色がイマイチだったときに、さらに青を塗るのではなく隣り合うグレーの鎧を少しだけ茶色くした。そうすると、ほんのわずかだが、補色対比が生まれて発色が良くなる。気に入らないところそのものに手を加えるのではなく、周りを整えてあげると色が違って見える瞬間だった。
Burrows&BadgersのOtter Mercenaryを塗った。ランツクネヒトという華美な衣装に身を包んだ傭兵がモチーフの衣装は機能美に満ちた視認性を低くした兵装よりかわいらしい。最初はピンクと水色で塗ろうと思ったが、青と黒の配色があまりにもビシッと決まったので驚いてしまいそのまま塗装を進めた。そこでイマイチ決め手に欠けると思ったときに気づいたのが、さっき書いた「鎧を少しだけ茶色くする」という方法だ。
こうして記事にするほどの効果が出たのだけど、もっと衝撃的だったのは「頭を使って塗るってこういうことか!」という体験をしたこと。

色相環を意識する、さまざまな配色テクニックを理解する。明度・彩度・色相に気を配り意識的に対比を使う。そんなことは塗装をし始めてすぐに気づいた。なんなら最初に教えてくれた人が「基準となる色より明るくする場合は黄色、暗くするときは青を混ぜる」と言っていたので、始める前から教えてもらったともいえる。
今にして思うと、そうやって頭に収まった知識は部分部分の塗り分けにしか使われていなかった。肩は赤、腕は緑。そうすれば補色対比。みたいなそんな具合だ。
だが、今回は具合が違って「青がイマイチ」「隣の色を少しだけずらそう」という感じで部分が全体を構成していることに気づけたのが面白かった。実際、青を塗っているときは青のことばかり考えるし、鎧を塗っているときは鎧のことを考えることがほとんどだった。一歩引いて見ることの大事さはわかってたけど何を見るのかがわかっていなかったし、「そうそう。大事なんだよな〜」という割には隣接する色同士なので近くを見ている。遠くから近くを観察するという微妙な頃合いだ。

今回はベースデコレートは草木は無し。なんでかっていうと、答えは簡単で、青と黒の配色がビシッと決まったからだ。そこに余計な緑色は不必要。もちろん葉っぱがあったほうが「自然っぽさ」が出るのはわかっているけど、それよりも色の良さを活かしたかった。ものすごい久しぶりにきらめく光を描く、ポワンティエというやつをやった。鎧の重厚感があまりにもシリアス過ぎたのでそれを和らげたかったのと、いいアクセントになることがわかっていたからだ
Burrows&Badgersのミニチュアは生物っぽさがしっかり残る一方で動物固有の可愛らしさも生きているので、どれくらいのバランスで仕上げるのかが面白いところ。

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