
革靴を中心にたくさんの靴を持っている。かつて経験した職業のせいもあり相手の靴を見てしまうし、高い靴は遠くから見てもブランドがわかる。その中で、靴はその人の自己表現の一つであったり、そもそもそうでなかったりする様子をたくさん見た。この人はこういう靴の選び方、履き方をするんだなというやつだ。
勝利の女神 NIKKEというソシャゲを結構な頻度で遊んでいる。どういうわけかサービス開始の初期から始めてそこからずっと。ここまでハマるゲームは自分の人生の中ではほとんどなく、熱中している自分と、その様子を眺める自分がいる。
「こんなに楽しんでいるんだから、もっと乗っかれ」とあえて楽しみを加速させるのが、眺めている自分だ。なのでイベントは行けそうなら行くし、グッズも気に入ったものは手に入れる。カードが入ったウエハースも、コンビニで並んでいるようなら買う。熱心にお菓子売り場を見るということがあまりなかったので消費行動の一つを楽しんでいるというわけだ。

オフィシャルアートブックは当然のように手に入れた。掲載されているニケたちは最新のものではないことがあらかじめ告知されていて、一瞬悩んだけど楽しみを加速させるために買ったのだった。
ページを広げてみると、普段は画面の中でしか見られない彼女たちが大きく掲載されていて、ポーズや表情の差分、武器などが掲載されている。随分とスタイリッシュに誌面を作ったなというのが第一印象だ。極力文字は小さく、空間も余裕を取っているし、見出しなどのアイコン化もシンプルにまとめていてかっこいい。似たようなフォーマットで掲載される彼女らの姿は見ていて気分が良く、書籍固有のパラパラと眺めるという行為でキャラクターが視覚情報として取り込まれる。とにかく感心してしまったのは靴だ。これは本当にこの本を買うまでは気づかなかった。このゲーム、靴のデザインがやたら凝っている。
医療スタッフとして働くニケは真っ白スリッポンタイプのものをアレンジした靴を履いているし、建設建築に関わるニケだと安全靴っぽいものを履いている。こういった職業に沿った方向付けはもちろんだけど、ズボラなニケはサイドゴアブーツやサンダルだし、ランドセルを背負った小柄なニケは紐靴ではなく、リーボックのポンプフューリー風。これは上着のちょっと未来っぽいデザインと良くあっている。浮遊するボードに乗るアスリートのニケの靴底にはローラーが仕込んである。こんな靴、昔あったな。
戦闘ゲームなので、ゲームのフレーバーと近しいコンバッドブーツひとつとってもドクターマーチンのようなステッチが印象的なものから、今っぽい化繊でソールは丸ごと接着でくっつけるみたいなものと幅がある。戦闘向けのNIKKEは割とメカメカしいデザインのものが多い。しかし、その割には女性っぽいヒールが高い作りになっているものも見られ、実用的なものを持つからこその強さと、強いからこそ意匠に凝れるという余裕を感じられる。

もし誰か注目すべき特定のキャラクターを挙げるとしたらノイズだ、なぜ彼女が履いているパンプスから指の付け根が見えていることに凝るのだろう、これは足の指が長い人に起こりがちな現象なのだが「なぜそこまで」という驚きが勝る。更にいえばルピーはオープントゥのパンプスでネイルをしている。本当に、なぜ、そこまで。
やたら魅力的に写った原因は、デザインの方向性の多様さだと思う。「彼女らに与えられた役割に沿ったもの」「彼女らの性格に合ったもの」「キャラクターデザインとマッチするもの」といった具合の要素でどこをどう尖らせるのかを考えているように見える。まさかソシャゲをしていてここまで靴のデザインに熱くなる日が来るとは思わなかった。あと、アートブックでパラパラ見ないと全然気づかなかったので、こういう気づきは誰しも買ってみると結構あるんじゃないかと感じた。第二弾も待っています。
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