
政府・と与党民主党は12月30日、消費税引き上げを柱とする社会保障と税の一体改革の大綱素案を関係閣僚会合などで決めました。年明け早々に開く「政府・与党社会保障改革本部」(本部長・野田佳彦首相)で正式決定し、上の表のような予定で、消費税増税を実現しようとしています。
今回の消費税増税素案は、2014年4月に8%、15年10月に10%に2段階で消費税を引き上げるというものです。
しかし、これに先立ち、政府は2012年度から、東日本大震災からの復興財源を賄う臨時増税の実施を決定済みです。
例えば、所得税の税額が2013年1月から二十五年間、2・5%上乗せされます。個人住民税(地方税)では、所得の多少に関係なく一律に課せられる均等割りが、2014年6月から10年間、年千円増額されます。
すなわち、2012年度以降、下の表のように“増税ラッシュ”となり、日本経済のさらなる沈滞は必至。家計には大きな痛手となります。
野田内閣 復興増税・税と社会保障一体改革増税 ダブル消費税増税の危険性

では、野田政権の消費税増税を中心とする「社会保障と税の一体改革」に伴い、家計にどの程度の影響が出るのか。
大和総研が復興増税などの影響も織り込んで試算したところ、下の図のように2015年の実質可処分所得(収入から社会保険料などを差し引いた使える額)は今年に比べて4~9%減少する見通しです。しかも、その半分程度は、消費増税の影響というのです。
「夫婦と小学生の子ども2人の現役世代」「単身の現役世代」「年金生活者の夫婦」を比較すると、最も打撃が大きくなるのが「夫婦と子ども2人の現役世代」です。
日本の平均に近い年収500万円のケースでは、2011年比で31.4万円所得が減少します。年間300万円超を消費に回すと想定すると、消費税の5% 増税で16.7万円の負担が増えるほか、来年6月から始まる住民税の年少扶養控除廃止(11年比6.6万円の負担増)や子ども手当の制度変更(同5.4万円の負担増)の影響が大きく、民主党政権が柱の一つに掲げてきた「子育て世帯支援」に逆行する形となっています。
年収300万円世帯の減収幅は同8.5%です。
少子化加速は必至でしょう。

また、一体改革の社会保障部分では、過去の特例措置で本来の水準よりも2・5%高くなっている年金の支給額を、2012年10月から13年かけて解消することが決まっています。
年金生活者も、下の図のように、夫婦合算の年収が240万円のケースで16.3万円の所得減となります。このうち10.3万円が消費増税の影響ですが、残る6万円は年金 の「特例水準」解消に伴い、これまでもらい過ぎていた年金の支給額が減るためです。年収360万円のケースでも22.7万円の所得減となります。
年金改革も、その中核は、高齢であれば富裕層でも受給している年金額の削減のはずです。そこにメスを入れないで中低所得層への減額をしてしまうから、庶民の生活は大打撃を受けるのです。
厚労省が年金受給年齢の68~70歳に引き上げを検討 税と社会保障の一体改革で一生年金もらえなさそう

この消費税増税の日本経済全体への影響を考えると、下のグラフのように、1997年に消費税を3%から5%に、たった2%増税しただけで、家計の消費はがた減りになり、法人税・所得税の税収が激減して、国家の歳入も5年間減りっぱなしになってしまいました。
今回の増税案が成立すれば、長引く不況と2008年のリーマンショックに震災が重なった日本経済が致命傷を受け、二度と立ち上がれないのは火を見るより明らかです。
財務省の操り人形になってしまっている野田政権は、財政赤字解消だけが念頭にあって、日本経済全体のことが見えていません。

消費税増税のもっと大きな問題は、格差社会日本の格差をさらに広げることです。
税と社会保障を改革するならまず認識すべき糊塗は、今の日本が、富める者に優しく貧しい者に厳しい社会となり、下のグラフのように、なんと税金を徴収しそれを支出するという所得の再分配をすると、むしろ格差が拡大する先進国唯一の国となっていることです。
東日本大震災 復興財源構想 消費税増税反対!所得税の累進課税率アップと富裕税導入で所得格差減らせ

日本の相対貧困率(年収が平均世帯の半分以下の層の率)が16%と、下のグラフのように過去最悪となっています。
この層へはさらなる援助が当然必要です。
貧困率過去最悪の16% 6人に1人は所得112万円未満 一人親世帯は半分以上貧困 子ども貧困率も最悪

巷説には、日本経済の問題は世代別格差だなどといいますが、下の「年齢別貧困率」のグラフのように、貧困率は若年層と高齢層で高いのです。
日本の真の格差問題は富裕層と貧困層の格差、つまりは貧困問題なのです。
ウォール街を占拠せよ 全米でデモ広がる 「国難」東日本大震災に沈黙する日本の富裕層に富裕税の導入を!

このように格差が広がり、貧困層が増えている日本において、消費税増税は、さらに日本の格差を拡大します。
下のグラフで明らかなように、同じ5%の消費税が課されても、所得のほとんどを消費せざるを得ない所得200~250万円の世帯は4・24%の消費税を払っているのに対して、1500万円以上の世帯では1・43%になっています。
これは消費税は医療費や授業料など一部を除き、国内のほぼすべての商品に一律に課税されており、その結果、消費税は低所得層ほど負担の割合が重い逆進性があるからなのです。
被災者も直撃する消費税増税は最悪の選択です。
税と社会保障の一体改革 富裕層の所得税・相続税を増税し、富裕税の創設を! 消費税増税は被災者直撃!!

しかし、日本の巨額の財政赤字を考えると税制改革は必要です。ではあるべき税制とはどういうものなのか。
まず、所得税の累進課税率を元に戻していくことが必要です。今回の素案では5000万円以上の層だけ40→45%にするとしていますが、まるで不十分です。
所得税にかかる税率は、かつては19段階に細分化され、最高で75%(同8000万円以上の部分)もの高い累進課税率がかかっていました。それで、いわゆる中産階級が分厚く存在する、不公平感の少ない社会となっていました。
ところが、下のグラフのように、1980年代後半以降、経済活性化を優先する風潮の下、最高税率の引き下げや、税率の段階区分を少なくする「フラット化」が進行し、課税段階は6段階に簡素化され、高所得層の納税負担は大きく軽減されたのです。
世界長者番付3位のバフェット氏も「甘えた富裕層に増税を」 日本の富裕層には所得税増税を

さらに、株式譲渡税が10%でしかも分離課税ということで、所得が100億円以上の層の実質所得税率は14%となっています。
日本にも富裕税の導入を!年間所得100億円以上の富裕層は14%の税率でしか税金を支払っていない
その結果、下の図のように、富裕層の世帯数と資産額は過去最大となり、今も増え続けています。
今回の素案ではこの金融所得課税率を20%に戻すとしていますが、むしろ分離課税の見直しが必要不可欠です。
さらに、下のグラフの純金融資産1億円の富裕層の金融資産は250兆円。そこにたった1%の富裕税を課税するだけで2・5兆円の税収が確保できます。
他の高額資産をも把握して富裕税をかけ、相続税も増税するべきです。

また、法人税だけは復興増税の中でも実質減税なのに、野田政権の素案ではさらに下げる方向で検討しています。
しかし、実は貯まる一方の法人の内部留保への課税を別に始めれば消費税増税などいらないのです。
野田内閣の金持ちと大企業優遇はひどすぎます。
消費税増税をたった半年後にずらすだけで妥協が成立する民主党にも、ふざけんな!と言いたいです。これは野田内閣の辞職と政権たらい回しでは許されません。
野田首相は消費税法などを改悪してから解散すると言っていますが、2012年早々にも解散総選挙に追い込まないと、日本はお先真っ暗です。
ああ、今年最後の記事にこんな事を書かないといけないとは、つくづく情けないですが、来年こそ、良い年にいたしましょう!
国民の同意なく消費税増税を国際公約しながら、解散は法案成立後と言う野田財務省公認内閣は総辞職すべきだ

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[東京 30日 ロイター] 政府税制調査会(会長:安住淳財務相)は30日、社会保障・税一体改革素案のうち、消費税率の引き上げを「2014 年4月に8%、2015年10月に10%」とすることなどを柱とする税制抜本改革を決定した。景気情勢によっては消費税引き上げの執行を停止する条項を法 案に明記するが、その判断は「種々の指標を確認し総合的に勘案する」とし、具体的な数値を盛り込むことは見送った。
当面は食料品などの複数税率を見送り単一税率を維持する。消費税上げの負担が大きい住宅取得に関しては、「必要な措置を財源も含め総合的に検討する」とした。
社会保障・税一体改革素案は、来年早々に開催される政府・与党社会保障改革本部で正式決定した後、来年3月末までに法案を国会に提出し速やかな成立を図る。
税制抜本改革(骨子)は以下の通り。
[基本的考え方]
・国分の消費税収は法律上、全額社会保障目的税化するなど、消費税収の使途を明確にし、官の肥大化には使わず、全て国民に還元し、社会保障財源化する。
・経済状況を好転させることを条件として遅滞なく消費税を含む税制改革を実施することが必要。
・2013年度以降においては、復興需要が一段落するものの、民需主導の経済成長への移行によって経済が堅調に推移すると考えられる。た だし、海外経済動向などから景気が下振れするリスクは存在する。法案提出時点における総合的な判断として、経済状況は好転していくとの見通しが立てられ、 素案に沿って法案を今年度中に提出する。
・法律成立後、引き上げにあたっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応できるような仕組みを設ける。具体 的には、名目・実質成長率、物価動向など、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案したうえで、引き上げの停止を含め所要の措置を講じるものと する規定を法案に盛り込む。
・5年を目途とする見直し規定を改革法案の付則に明記する。
[政治改革・行政改革への取り組み]
・議員定数削減や公務員総人件費削減など自ら身を切る改革を実施したうえで、税制抜本改革による消費税引き上げを実施すべきである。
・具体的には、消費税率引き上げまでに、国民の納得と信頼を得るために、衆議院議員定数を80削減する法案を早期に国会に提出し、成立を 図る。民主党行政改革調査会で「行政構造改革実行法案(仮称)」の検討を進めていることを受け、所要の法案を早期に国会に提出し成立を図る。給与臨時特例 法案、国家公務員制度関連法案の早期成立を図る。
[消費課税]
・消費税率(国・地方)は2014年4月1日より8%へ、2015年10月1日より10%へ段階的に引き上げを行う。
・今回の改革においては、単一税率を維持する。
・消費税収(国分)は法律上は全額社会保障4経費(年金・医療・介護の社会保障給付と少子化に対処するための施策に要する費用)に充てることを明確にし、社会保障目的税化する。
・15年度以降の番号制度の本格実施を念頭に、総合合算制度や給付付き税額控除等、再分配に関する総合的な施策を導入する。総合的な低所得者対策の実現までの間、暫定的・臨時的措置として、簡素な給付措置を実施する。
・住宅取得については、消費税率の引き上げの前後における駆け込み需要とその反動等による影響が大きいことなどを踏まえ、住宅取得にかかる必要な措置について財源も含め総合的に検討する。
[個人所得課税]
・今回、特に高い所得階層に絞って、格差の是正と所得再分配機能の回復を図る観点から、一定の負担増を求めることとする。課税所得5000万円超について45%の税率を設ける。
[法人課税]
・復興特別法人税課税期間終了後(2015年度以降)には、実効税率の引き下げが実現するが、その後も引き続き、雇用と国内投資拡大の観点から、法人課税のあり方について検討する。
[その他]
・金融所得課税は14年1月に20%の本則税率とする。

