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生活保護申請を受理さえせず追い返す「北九州方式」また炸裂 所持金600円の母子4人を追い返した市職員


 

藤藪 貴治    ,   あけび書房

「生活困窮者は死ね」と言うのか。「福祉が人を殺す都市」と言われる北九州市。それは国の生活保護政策の手本である。しかし「ヤミの北九州方式」は、旧厚生省 天下り官僚の下で造られた、「国の生活保護切り捨てモデル」であり、厚生労働省の指導と通知によって日本全国に広がっている。

 

 

 京都府舞鶴市で生活保護を申請しようとした女性(33)に対し、市の担当職員が申請書の交付を拒否し、京都府が「申請の意思が示されたのなら、申請書を渡さないのは問題だ」と口頭注意していたことが2012年6月19日、分かったそうです。

 この女性は5~11歳の子どもと4人暮らしで、さらに妊娠中でした(赤ちゃんの父親は行方不明)。そして、無職で、収入は児童扶養手当などの月8万円。相談時には所持金が600円しかなく、当然、光熱費や家賃も滞納し、冷蔵庫も洗濯機もないのだそうです。

 そして、6月11日に舞鶴市役所西支所に「生活保護を申請したい」と訴えたのだそうですが、市側は

「胎児の父親の連絡先が必要」

と言って、申請書を渡すのを拒否しました。 

 京都府福祉・援護課長が

「父親の連絡先は生活保護の要件ではない。生活保護法の趣旨に反する」

とコメントしているとおりで、生活保護申請を拒否する理由には全くなりません。

 さらに、翌12日にも同支部のスタッフを伴い支所を訪れたそうですが、舞鶴市の職員から

「やみくもに申請されても却下しかできません」

と申請書の交付を拒まれたのですが、京都府の指導があり最終的に市は申請を受理したのだということです。

 ここで、申請を受理したといっても生活保護の決定が出たのでのではありません。まだ審査中です。つまり、申請拒否とは窓口撃退で審査さえしないと言うことなのです。

 女性から相談を受けた貧困問題に取り組むNPO法人「POSEE」京都支部が記者会見して明らかにしたところによると、同法人によると、この市の職員は

「不正受給になれば詐欺で捕まります」

とも言い放ったと言うことです。

 ところが、舞鶴市は「相談の段階だったと認識しており、適切な対応だ」としています。

 いや、所持金600円しかない人が子ども3人抱えて、お腹の中に赤ちゃんもいるんですよ。少なくとも生活保護申請を受理するくらいはしないとダメでしょう。いつまで相談しているつもりだ。それで、胎児や幼子達が死んだらどうするんだ。

図1

 生活保護基準以下の収入で生活している世帯は多数存在し、世帯構造によっても差が あります。単身世帯で43.9%、ひとり親世帯では過半数の52.1%が生保基準以下の貧困状態です。一方、捕捉率(保護が必要な人のうち実際に保護を受 けている人の割合)は、日本は7~20%と言われており(ドイツは87%、イギリスは85%)、多くの人が保護を受けられずに放置されています。日本の貧困率は16・0%(2009年)でOECD30カ国の中で4位と高いにもかかわらず、必要な支援が届かない国となっています。



 確かに、不正受給は詐欺になる場合がありますが、本当に生活保護が必要な人の申請を受理もせず、その際に脅しの材料に使うなんて言語道断です。

 また、同支部によると、職員は人気お笑いコンビ「次長課長」の河本準一の母親が生活保護を受給していた問題にも触れ、最近は市民の目も厳しいからという趣旨の発言もあったということです。

 ホームレスの方々に生活保護申請をしませんかとお誘いしに行ったときでも、私がお話しした方全員がこの件に触れられ、今は厳しいんだろう?とおっしゃいましたからね。一罰百戒とはよく言ったものです。

 ちなみに、日本の生活保護の捕捉率、つまり、受給条件を満たしている人で実際に生活保護を受けている人は上のグラフのように2割未満とされています。この数字は先進国では最低クラスです。

 8割はそもそも申請しないか、この事件のように窓口で撃退されているのです。いくら困っていても窓口で申請を受理しない方法を「北九州方式」といい、餓死者も出ました。

 このような日本の生活保護制度を考える際に、最も緊急で重要なことは、親族の扶養義務がどうこうなどという枝葉末節の問題ではなく、生活保護を受けるべき人がまだ受けられていないと言うことなのです。

 そもそも、生活保護は、健康で文化的な最低限度の生活を営むという、基本的人権である生存権の具体化です。

 市民が厳しい目を向けるべきは、生活保護申請者・受給者に対してなのか。弱者切り捨ての行政に対してなのか。

 そこを踏まえた冷静かつヒューマンな議論を望みます。

生活保護申請で妊娠・同棲・出産禁止の誓約書 生存権=「健康で文化的」な最低限度の生活を無視する行政 

姉は病死 妹は凍死 生活保護申請も出来ずに逝った姉妹 生活保護に関する3つの誤解

[単行本]

森川 清



誰だっていつ少数者になり、弱者になるか知れないんですから。

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毎日新聞 2012年06月19日 20時28分(最終更新 06月19日 23時06分)

 京都府舞鶴市が今月、子供3人を抱えて生活が困窮している同市の女性(33)からの生活保護申請を窓口で拒否したことが19日、分かった。市民団体から通報を受けた府が「申請権の侵害」と同市を指導した結果、受理された。同市は「対応に問題はなかった」としている。

 労働・貧困問題に取り組む市民団体「京都POSSE」が記者会見し、明らかにした。

 同団体によると、女性は昨年離婚し、5~11歳の子供3人と暮らす。別の男性との間の子供を妊娠中だが、その男性とは連絡が取れないという。今年2月に失業し、収入は児童扶養手当など月額約8万円。家賃や光熱費を滞納し、冷蔵庫も洗濯機もないという。

 所持金が600円になった今月11日、生活保護申請のため同市役所西支所を訪れたが、取り合ってもらえなかったという。女性は同団体に相談し、翌12日午前、再び同支所で申請書類の交付を求めた。しかし、担当職員は「胎児の父親の連絡先が必要」などと拒否。この際、人気お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんの母親の生活保護問題に言及し「最近、結構(市民の目が)厳しい」などと話したという。

 同日午後、同団体スタッフが同行しても拒否され、自作の申請書を窓口に置いて帰った。翌13日、同団体が府に相談。府は同市に口頭で改善を指導した。15日、同市職員が女性を訪れ、12日付で受理したと説明した。

 府福祉・援護課の青木賀代子課長は「父親の連絡先は生活保護の要件ではない。法の趣旨に反する」としている。

 同市福祉援護課の名内哲治課長は「相談の途中段階との認識だった。胎児の父親が同一世帯で生活しているかなどの質問をしたが明確な回答はなかった」と話している。【古屋敷尚子、岡崎英遠】




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