
全国で唯一稼働している九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について、安倍政権は、運転継続を容認する方針を示しています。
敷地内での揺れが、原子力規制委員会が認めた設定値を下回っているからだというのですが、原発が緊急停止するような震度の地震が来たらそれこそ危ないのです。
熊本地震の震源地は南西方向にも広がっています。
他方、川内原発が過酷事故を起こしたときの避難計画に組み込まれている九州新幹線は全面ストップしたまま。高速道路の九州自動車道も寸断されています。川内地方に地震が起これば、原発周辺地域の一般道は今の熊本のように破壊され、全く役に立たなくなるでしょう。
つまり、原発周辺地域の人々は逃げられない状態に置かれているのです。

原発事故が起こるような大地震に川内地方が襲われるのは万が一の確率かも知れませんし、そうでないと困ります。
しかし、その万一がきたら取り返しがつかないのですから、念のために原発の稼働を停止しておく、用心する、安全の上にも安全を第一にするということがなぜできないのでしょうか。
原子力防災担当相を兼ねる丸川珠代環境相は2016年4月16日の地震非常災害対策本部会議で、
「原子力規制委員会は川内原発を停止させる必要はないと判断している」
と報告しました。
規制委は新規制基準に基づく審査で、耐震設計のもとになる揺れの想定(基準地震動)を620ガルとしているのに対して、一連の地震で敷地内で計測された揺れは最大12・6ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)だからというのですが、それは震源が遠く離れているからのこと。
熊本から鹿児島に震源が移らないとは誰も言えないのです。

菅官房長官もこの会議後、
「(揺れの大きさが)十分低いことから、現状において停止する必要はない」
と強調していますが、この人たちには「危機管理」という発想が全くありません。
これに対して、共産党は16日、
「震源域が拡大している。新幹線や高速道も不通で、事故が起きた場合に避難に重大な支障が生まれる」
として、予防的に川内原発を止めることを
「真剣に検討し、国民・住民の不安にこたえるべきだ」
と政府に申し入れました。
人々の生命と健康と安全を第一に考えればこちらの考えの方がきわめてまともです。

思えば、2011年3月の東日本大震災を受けて、当時の民主党政権の菅直人首相が5月に、中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止を行政指導して、止まったことがあります。
これは、東北の地震が静岡に移る可能性があるというのではなく、浜岡原発が南海トラフ地震の想定震源域にあるにもかかわらず、予測される津波対策ができていないためでした。
この時も、当時野党の自民党はこうした対応を
「行政指導に法的根拠がない」
「パフォーマンスだ」
などと批判していました。

揺れが続く別府―島原地溝帯の東には国内最長の中央構造線断層帯が連なり、近くには四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)もあります。
そして、四電は今夏の再稼働を目指しています。
安倍政権は今ここで川内原発の運転停止を認めてしまえば、全国の原発再稼働計画に支障が出ると痩せ我慢をしているのでしょう。
しかし、万万が一にも原発事故が起こったら、安倍首相以下政府には責任はとれないし、被害をこうむるのは九州だけでなく、全国民なのです。
官僚たちにとって邪魔で散々悪口とデマを言いふらされた菅首相ですが、安倍首相の何万倍も優れた内閣総理大臣だったことは明らかです。

今回の一連の地震で川内原発が事故を起こさなかった場合、原発推進派はほれ見たことかというでしょう。
しかし、それは間違っています。事故が起こらないのが当たり前なのです。事故が起こらなかったからと言って、川内原発の停止が必要なかったということにはなりません。
それでもリスクの管理が必要だ、万が一の備えをするべきだと言っているのです。
脱原発派はその理論武装をしておく必要があるでしょう。
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熊本地震発生後も、新規制基準の審査に合格した原発として全国で唯一稼働中の九州電力川内原発(鹿児島県)は運転を続けている。政府は「止める必要はない」と静観の構えだが、地震活動が広がり、周辺の住民からは不安の声も上がる。
九電などによると、通常は原発の半径50キロ以内で震度4以上の揺れが観測された場合、国に状況を報告。原子力規制庁が原発に関する情報発信を強化した15日以降は、距離にかかわらず震度5弱以上の全ての地震が報告対象となり、川内原発でも運転員が原子炉の状態をその都度確認し、現場パトロールも実施しながら運転を続けている。
規制庁の担当者は「再稼働前の審査で、地震の揺れや外部電源の喪失、火山噴火に対する事業者の備えを確かめた。一連の地震で、その前提が崩れたとは考えていない」との立場だ。
地震が拡大した大分県と豊後水道を挟んで四国電力伊方原発(愛媛県)がある。県と四国電は16日未明、県庁で記者会見を開き、伊方1~3号機に異常はないと説明。四国電担当者は、再稼働前の最終的な手続きである3号機の使用前検査に「影響は出ないと思う」と強調、7月下旬の再稼働を目指す姿勢を変えていない。
原発と地震を巡っては、東京電力福島第1原発事故直後の2011年5月、当時の菅直人首相が、東海地震の震源域にある浜岡原発の全面停止を中部電力に要請。「法的根拠がない」との批判もあったが、中部電が受け入れ、稼働中の4、5号機が停止した。
熊本地震でも原発の地元や周辺には動揺が広がる。川内原発のある鹿児島県薩摩川内市で飲食店を営む女性(71)は「運転は続けてほしいが、予測の付かない地震がこれだけ起こると心配がないわけではない」と話す。川内原発建設反対連絡協議会の鳥原良子会長は「川内原発周辺にも活断層があり、いつ南九州で大きな地震があるか分からない。とにかく運転を止めてもらわなければ」と語気を強めた。
松山市の市民団体「伊方原発をとめる会」の和田宰事務局次長(63)は、今回の地震の動きが、伊方原発の近くを通る中央構造線断層帯と関連しているとの専門家の意見があると指摘、「再稼働の方針を考え直してもらいたい」と訴えた。【共同】
=九州地震=
浜岡原発「津波で8メートル浸水」中部電、初の想定 15メートル津波で
2011.5.7 01:40 産経新聞
中部電力は6日、菅直人首相の原発停止要請の発表に先立ち、津波によって原発敷地が海抜で15メートル浸水するという初の想定を公表した。国の東海地震の想定に基づき中部電は敷地前の砂丘で浸水は防止できるとして原発敷地の浸水は「0メートル」と想定していた。しかし、東日本大震災で東京電力福島第1原発を直撃した津波の高さが14~15メートルだったとされていることから初の浸水想定に踏み切った。
東海地震の津波の高さは国が想定するが、原発敷地内への浸水想定は中部電が独自に決めた。浜岡原発の3、4号機は海抜9メートル、5号機は海抜7メートルの高さに位置しており、この想定を基にすれば、原子炉建屋は6~8メートル浸水することになるという。
これをふまえて、中部電は地面から高さ6~8メートル以内にある空調用排気口計8カ所を上方へ移動し、壁を貫通している配管計378カ所に浸水防止の止水材などを追加する新たな津波対策に着手。防水性能向上のため、建屋の搬入口や扉をパネルや鋼板で補強することにした。これらの対策は今月中に完了する見込みだ。
毎日新聞 2011年5月8日 9時10分 更新:5月8日 10時35分
政府が浜岡原発(静岡県御前崎市)の運転停止を中部電力に要請したことについて、「他の原発についても運転を止めて抜本的な安全対策をすべきだ」との指摘が専門家から出ている。
政府は、国の地震調査研究推進本部(推本)が公表した各原発付近の地震発生確率の中で浜岡が突出していることを根拠としたが、近年は想定外の被害が相次いでいる。電力各社が国に提出した津波に関する緊急安全対策も、最長で3年がかりの取り組みとなり、その間に起きる想定外の地震や津波に対する防護策としては不十分なのが現状だ。
浜岡原発に停止を要請した理由について経済産業省原子力安全・保安院は、30年以内に震度6強以上の地震が発生する確率が「84・0%」とした推本の予測を公表。他の原発に比べて10倍以上高いためと説明した。しかし、「原発震災」の危険性を警告してきた石橋克彦・神戸大名誉教授(地震学)は「浜岡ばかりに目を奪われていると他の原発の危険を見落とす可能性がある」と指摘する。
今回公表したのは、今年1月時点で推計した全国17カ所の商用原発と高速増殖原型炉「もんじゅ」付近の確率で、最も高いのが浜岡の84%。他は東北電力女川原発の8・3%、日本原電東海第2原発の2・4%など。福島第1は0%だった。
保安院は推本の評価を「一番信頼性の高いデータ」としてきた。だが、00年10月の鳥取県西部地震(マグニチュード=M=7・3)や08年6月の岩手・宮城内陸地震(M7・2)など、被害を伴う内陸地震の多くが未知の断層で発生するなど、「想定外」も相次いだ。4月11日に福島県東部で起きた、東日本大震災の余震とみられるM7・0の地震も、推本が評価対象から外した二つの断層が原因であることが、土木研究所などの調査で判明している。
石橋名誉教授は全国の原発について▽活断層の有無や連動性▽津波の規模--などを多角的に分析し、第三者機関が公開で議論することが望ましいと提案する。【比嘉洋、八田浩輔、飯田和樹】
中部電力、政府の要請受け入れ 東電融通打ち切り

浜岡原発の停止要請を受け入れ、会見する水野明久社長=9日午後6時16分、名古屋市東区の中部電力本店(山田哲司撮影)
中部電力は9日、臨時取締役会を開き、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)に対する政府の全面停止要請を受け入れる方針を決定した。全面停止は数日中にも行う。夏場の電力不足も懸念されるが、中部電は計画停電を行わず節電の呼びかけにとどめる。正常稼働中の原発を国の「超法規的」な要請で停止する異例の事態となった。
取締役会では、火力発電用の液化天然ガス(LNG)の調達交渉を終え、中東カタールから同日午後に帰国した三田敏雄会長が状況を報告。調達に一定のめどがついたことや、浜岡原発停止時の電力供給状況を確認したうえで最終的に受け入れを決めた。
浜岡原発の全面停止で、中部電は発電能力の約11%にあたる約360万キロワットが抜け落ち、今夏に見込むピーク需要をまかなうにはぎりぎりの水準となる。
中部電は浜岡原発の停止と同時に愛知県内で休眠中の火力発電所1基を再稼働させるほか、東京電力に対して行っている電力融通を取りやめる。ただ、それでも7~8月の需要ピーク期の供給余力は2~3%とまかなえない水準で、関西電力などからの電力融通や休眠火力発電所の稼働拡大により供給力を確保する。
中部電は火力発電で代替することにより燃料費などで年間約2500億円のコスト増要因となり、平成24年3月期の赤字決算は確実な情勢。電気料金の値上げも予想されるが、名古屋市内で9日夕、会見した水野明久社長は「値上げは考えていない」と述べた。
異例の要請を受諾したことに関し、水野社長は「長期的にみれば安全強化策を着実に進め、国民に信頼を得て再開することが利益になると判断した」と説明した。政治判断による原発停止で、日本の原子力行政は大きな転換点を迎えた。
発生回数が最多ペース 南西側にも拡大
毎日新聞2016年4月17日 12時37分(最終更新 4月17日 12時40分)

気象庁は17日、熊本県などで相次ぐ地震の発生回数が、2004年の新潟県中越地震を上回り、内陸や沿岸で起きた地震としては最多のペースだと明らかにした。さらに地震活動の範囲が大分側の北東だけでなく、南西側にも拡大しているとの見解を示した。
気象庁によると、14日夜に起きたマグニチュード(M)6.5の地震以降、M3.5以上の地震は17日午前8時半までに162回に達した。この基準で観測を始めた1995年以降、最多だった04年の新潟県中越地震(M6.8)を上回ったという。
16日未明のM7.3の地震以降、急増しているという。気象庁の青木元・地震津波監視課長は「地震活動は活発な状態が続いている。強い揺れ、雨に十分注意してほしい」と呼びかけた。【円谷美晶】
気象庁 地震活動の範囲 南西側に広がる
4月17日 12時33分 NHK

熊本県と大分県で規模の大きな地震が相次いでいることについて、気象庁は、熊本県での地震活動の範囲がこれまでよりも南西側に広がっているという見解を示し、引き続き、広い範囲で強い揺れに警戒するよう呼びかけています。
気象庁によりますと、3日前に震度7を観測した地震以降、熊本県では布田川断層帯や日奈久断層帯の北東側で活発な地震活動が観測されています。
一方、16日午前9時16分ごろ、熊本市の南側にあたる八代市や宇城市などで震度4の揺れを観測したマグニチュード4.5の地震以降、日奈久断層帯の南西側で地震活動が活発になっているということです。多くは体に感じない小さな地震だということです。
17日午前、記者会見した青木元地震津波監視課長は「おとといからの地震の一連の活動と見られており、いつ、どのような規模の地震が起きるのか、という正確な予測はできないが、地震活動が高まっていると考えられる。これまでの地震で強い揺れを観測しているところもあり引き続き強い揺れに警戒して欲しい」と呼びかけました。
国の地震調査研究推進本部によりますと、熊本県を縦断する日奈久断層帯は3つの区間に分けられ、このうち北東側の「高野・白旗区間」が3日前の震度7を観測した地震でずれ動いたとみられています。
この区間とは別に、活動が活発になったと指摘されている、日奈久区間ではマグニチュード7.5程度で、さらに南側にあたる八代海区間ではマグニチュード7.3程度の地震が起きる可能性があると指摘されています。
また、国の地震調査研究推進本部は地震が起きる確率を日奈久区間では最大で6%、八代海区間で最大16%として、高いグループに属しています。
九州の高速道路 被害大きく再開見通し立たず
4月17日 16時14分 NHK
これまでの地震で、九州の南北と東西を結ぶ大動脈となっている高速道路に大きな被害が出ています。復旧作業は始まっていますが、いずれの区間も被害の規模が大きく、通行を再開する見通しは立っていません。
西日本高速道路によりますと、九州の南北を結ぶ九州自動車道は、熊本県内の益城熊本空港インターチェンジと御船インターチェンジの間の下り線で、道路を支える斜面が長さ30メートル、高さ3メートルにわたって崩れています。西日本高速道路は、17日朝からこの現場での復旧作業を始めましたが、被害の規模が大きく工事を終えるめどは立っていないということです。
また、高速道路の上にかかる橋が崩れ落ちた、熊本県内の緑川パーキングエリア付近では17日朝、クレーン車が現場に到着し、橋をつり上げるための準備が進められていますが、撤去のめどは立っていないということです。
さらに、九州の東西を結ぶ大分自動車道は、大分県内の湯布院インターチェンジと日出ジャンクションの間で、道路脇の斜面がおよそ100メートルにわたって崩れ、土砂を撤去する作業が16日から続けられていますが、この区間も通行を再開するめどは立っていないということです。
川内原発の即時停止申し入れ 共産党鹿児島県委
毎日新聞2016年4月16日 17時54分(最終更新 4月16日 21時23分)

熊本、阿蘇、大分と地震が相次いでいるため、日本共産党鹿児島県委員会は16日、九州電力に対して川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の即時運転停止を求める緊急申し入れをした。同党の小池晃書記局長も同日、世耕弘成官房副長官に川内原発の運転停止を求めた。一方、政府側は「原子力規制委員会は停止の必要性はないとの認識を示している」と説明した。
県委員会は、原発を即時停止して地震による機器類の影響がないか点検し、余震が続く間は稼働させないことなどを九電に求めた。
川内原発は基礎岩盤上の地震計が、水平方向の最大加速度160ガルを観測すると自動停止するが、今回の一連の地震では最大8.6ガルだった。このため九電は「自動停止の設定値を下回り、異常も確認されていない」として稼働を続けている。
小池氏は記者団に「停止しても電力需要に支障はないはずだ」と語った。【遠山和宏】
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