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消費税の軽減税率、新聞への適用を歓迎する朝日新聞社説は、安倍政権とマスメディアの癒着の象徴。


 

山家 悠紀夫 (著), 井上 伸 (著)
大月書店

消費税、上げなくていいんです!経済オンチも納得の、目からウロコの経済学。

 

 

 毎年200億円の税金を新聞に投入することを約束して、安倍政権は新聞業界を買収したといえるでしょう。

 読売新聞が先頭に立って政府に求めてきた、新聞への軽減税率の適用について、2015年12月16日、政府・与党がこれを認めることになりました。

 消費税の10%への引き上げにともなう軽減税率として、酒類と外食を除く食品を8%に据え置くというのは公明党の安の丸のみだといわれていますが、自公両党のマッチポンプはいつものこと。

 そして、週2日の配達があれば宅配の新聞にも軽減税率8%が適用されるというのですが、創価学会の聖教新聞にもこれが適用され、共産党の赤旗日曜版が対象外で値上げになるのは、よくできたお笑いです。


 そもそも、軽減税率は生活必需品に適用することで、低所得層を助けるのだというのですが、生活必需品は高所得層ほど高いものを買うわけで、軽減税率の効用を一番享受するのは高所得・富裕層だという、出来の悪い低所得層対策がこの軽減税率であることは再三言われていることです。

 逆に、この軽減税率を導入するために、公明党肝いりの子育て支援金は制度がなくなります。

 そして、生活必需品に軽減税率というのなら、ガス・水道・電気というインフラこそ軽減税率にしないといけないのに、新聞の消費税を据え置く必要がありますか?

 新聞って、生活必需品じゃないでしょう。

 このように、幾重にも筋が悪いのが軽減税率制度であり、新聞への軽減税率適用はその中でも最悪の施策です。

斉藤貴男 著
講談社

消費税とは弱者のわずかな富をまとめて強者に移転する税制である。…大口の雇用主に非正規雇用を拡大するモチベーションを与えて、ワーキング・プアを積極的かつ確信犯的に増加させた。…これ以上の税率引き上げは自営業者の廃業や自殺を加速させ、失業率の倍増を招くことが必定だ。

 

 

 この軽減税率導入のため、1兆円ほどの納税が減る理屈なのですが、全国の日刊紙を合計しても軽減額は200億円ぐらいで、政府が新聞を「買収」するワイロとしては安いものだということでしょう。2016年1月からの通常国会では軽減税率について論争になるでしょうが、ワイロをもらった新聞は政府を批判できません。

 いや、そもそも、大蔵省・財務省の消費税導入、増税を常に支持してきたのが大新聞ですが、彼らの消費税大賛成のご褒美が軽減税率の適用といえます。

 しかし軽減税率を強く要求したのは、新聞協会の会長社である読売新聞社の渡辺恒雄主筆だといわれています。

 12月13日の社説など堂々と

「新聞と出版物は、民主主義の発展や活字文化の振興に貢献してきた。単なる消費財でなく、豊かな国民生活を維持するのに欠かせない公共財と言える。

 こうした社会的役割を踏まえ、日本でも、新聞と出版物に軽減税率を適用すべきである。」

と真正面から主張しています。

 今回の軽減措置は、読売が一貫して安倍政権を支持してきたことへのご褒美かもしれません。

 いずれにせよ、権力批判にこそ存在意義のある新聞が、政府にワイロを要求するのは、自殺行為です。

植草一秀 斉藤貴男 著
同時代社

消費税増税法をめぐる政治の混乱、原発再稼働、オスプレイ配備―。官僚・米国・資本に隷従する政治を許さず。悪魔の税制=消費税増税を許さず。今度は、生きるか死ぬかの選択だ!気鋭の論客による増税法廃止への道筋。


 

 消費税増税を求めながら、自らへの軽減税率の適用を歓迎する矛盾は、読売新聞だけのものではありません。

 朝日新聞は自民党の税制調査会で正式に決まった12月16日の(社説)軽減税率 「再分配」を考えていく

「社説では、軽減税率について、消費税率が10%を超えた時の検討課題にするよう提案してきた。

 日本の深刻な財政難を踏まえ、高齢化などで膨らみ続ける社会保障の財源の柱として、消費税の税収を有効に活用するべきだとの判断だった。」

と軽減税率に反対だとしながら、新聞が軽減税率の対象になったことには

「私たち報道機関も、新聞が「日常生活に欠かせない」と位置づけられたことを重く受け止めねばならない。」

「しかし、10%の段階で新聞も適用対象になった。社会が報道機関に求める使命を強く自覚したい。」

と喜びを隠しきれません。なんという欺瞞。

 新聞に軽減税率が適用されることに抗議して、読売や朝日などの新聞の購読をやめたらどうでしょうか。

菊池英博 著
講談社
国会で話題沸騰の「消費増税亡国論」をわかりやすく解説。著者菊池英博氏は衆参両院の予算公聴会に公述人として出席、「今日本に必要なのは消費税増税ではなく、積極的投資減税と公共投資」と発言し、衝撃を与えた。本書は国民の負担を減らして、社会保障を充実させる経済学の決定版となる。



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1週間で消費税増税をまとめろと主張しながら新聞には軽減税率を求める読売新聞には20%の消費税をかけよ

 

 

そして、そもそも、今の時点で消費税をさらに増税するのは日本を滅ぼします。

消費税増税反対カテゴリー記事17本

 

こうしてみると、憲法違反だと批判している政党助成金・交付金を受け取らない共産党のやせ我慢は立派だねえ。

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軽減税率 円滑導入で増税の備え万全に

2015年12月13日 03時00分 読売新聞社説

 ◆安定財源確保へ検討を深めよ◆

 

 新制度の円滑な導入を図り、増税の備えに万全を期さねばならない。

 自民、公明両党が、軽減税率の制度設計で大筋合意した。2017年4月に消費税率を10%へ引き上げる際、同時に導入する。

 酒類・外食を除く生鮮食品と加工食品を対象とし、税率は8%に据え置く。軽減規模は年1兆円に上る。軽減税率には、低所得者を中心に痛税感を和らげ、家計を支える効果が期待される。

 与党が意見対立を収め、合意に漕こぎ着けたことは評価できる。

 ◆首相官邸が公明に配慮

 消費税の増収分は全額、社会保障費の財源に充てられる。少子高齢化の進行で、予算規模がこれからも増え続けるのは必至だ。

 厳しい財政事情を考慮すれば、一層の消費税率の引き上げを視野に入れざるを得ない。軽減税率の導入で、生活必需品を増税から切り離し、将来の再増税に備えられる制度となる意義は大きい。

 協議の難航は、対象の線引きを巡る溝が深かったためだ。

 当初、生鮮食品に限ると主張していた自民党は、途中から公明党の加工食品を含める案をのんだ。さらに外食も加えるよう求め、混乱が生じた。

 外食を含めると、高級飲食店などの利用が多い高所得者への恩恵が手厚くなりすぎるとの異論も出て、外食を除く案で決着した。

 最終的に自民党が歩み寄ったのは、来年夏に参院選を控え、公明党との選挙協力を重視する首相官邸の意向が働いたからだ。

 加工食品には、パンや麺類など食生活に不可欠な商品が含まれる。日常的に購入する食品を対象とする大筋合意を歓迎したい。

 与党は今後、食品以外の対象品目の協議を続ける考えだ。

 海外では、軽減税率を採用する大半の国が、食品と並んで新聞や出版物を対象にしている。

 新聞と出版物は、民主主義の発展や活字文化の振興に貢献してきた。単なる消費財でなく、豊かな国民生活を維持するのに欠かせない公共財と言える。

 こうした社会的役割を踏まえ、日本でも、新聞と出版物に軽減税率を適用すべきである。

 与党は、請求書に税額や税率を記入するインボイス(税額票)の採用を、21年度から事業者に義務づける方針も決定した。

 ◆税額票の採用は当然だ

 税率が複数になると、標準税率の売り上げを軽減税率の取引だと偽り、事業者が税金の一部を手元に残す行為が頻発しかねない。

 こうした不正を防ぐうえで、インボイスの採用は当然だろう。

 与党合意を受けて政府は、軽減税率の導入に向けた準備作業を着実に進める必要がある。

 店頭で消費者や事業者が戸惑うことのないよう、対象の線引きや様々な事例への対処法を明示し、周知徹底を図らねばならない。

 外食は対象外だが、ファストフード店内での食事と持ち帰りをどう区別するかといった疑問が生じかねない。簡明なガイドラインなどを設けることが大切だ。

 レジの改修費補助や新たな会計方式を習得するための研修など、中小・零細店の対応を支援する取り組みも重要になる。

 気がかりなのは、軽減税率導入の財源をどのような手段で手当てするか、まだ目処めどが立っていないことだ。

 今は、増税時の低所得者対策に回す予定だった4000億円を充てる方針だけが決まっている。

 自民党は社会保障費の枠内でのやり繰りを主張してきたが、医療や介護などに過度な影響を及ぼすのは望ましくない。社会保障以外の歳出抑制や他の税収を活用できないか、議論を深めるべきだ。

 自民党の谷垣幹事長は「財政健全化目標を堅持する。安定的な恒久財源の確保に責任をもって対応する」と強調した。公明党が提唱する、たばこ増税案などの検討も続けてもらいたい。

 ◆益税拡大は許されない

 消費者が支払った税金が事業者の手元に残る「益税」の取り扱いも、残された課題である。

 軽減税率の導入後も、現行の小規模事業者の免税制度や、納税の計算を簡単にする簡易課税制度は存続することが決まった。

 現在の益税規模は年6000億円にも上ると試算される。税率引き上げで、さらに規模が膨らむ事態は避けられない。

 消費者に増税を強いる以上、益税は縮小するのが筋である。逆に拡大を許してしまうのでは、国民の納得は得られまい。

 与党は益税の見直しについて、より真剣に検討すべきだ。

2015年12月13日 03時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun

 

 

「新聞軽減税率」、テレビ各局「コメントなし」ずらり 新聞は「恥ずかしくて触れたくない」?

   2017年4月の消費税率の10%引き上げに伴い導入する軽減税率の適用対象に、酒類と外食を除く食品とともに、「宅配の新聞」が加わることになった。宅配であれば、一般紙だけでなく、機関紙もスポーツ紙も対象になる。

   ところが、そのことを肝心の新聞各紙は大きなスペースでは報じず、関係の深いテレビの情報番組なども時間を割くところは少ない。

  • 政府とメディアが歩み寄り? 「新聞」が軽減税率の適用対象に…
政府とメディアが歩み寄り? 「新聞」が軽減税率の適用対象に…

「報ステ」古舘氏も15日はだんまり

   新聞への軽減税率の適用については、新聞業界が政府・与党に強く働きかけてきた。日本新聞協会は2014年に、「今後の社会・文化の発展と読者の負担軽減のため、消費税に軽減税率を導入し、新聞の購読料に適用するよう求める」との特別決議を公表。また、作家らを動員した集会を主催したり、紙面で有識者に軽減税率の導入意義などを語らせたりと、キャンペーンを展開してきた。

   とはいえ、日ごろから「権力への監視役」を自負する新聞にとって、さすがに今回の「成果」を大々的に「バンザイ」とはいえないらしい。「なぜ新聞だけなのか」という批判には、納得できる答えがないからだ。

   軽減税率の適用対象が決まった2015年12月15日の夕刊も、日本経済新聞1面トップは「みなし課税 大企業にも」と、軽減税率については触れもしなかった。

   この日の朝刊1面で、外食の持ち帰りについて「8%」適用を報じた読売新聞だが、夕刊ではやはり外食のみ、触れるにとどまった。毎日新聞は1面トップで軽減税率の食品の「線引き」について報じたものの、新聞には触れずじまい。1面で報じたのは朝日新聞だけ。産経新聞は「宅配、週2回以上」の新聞が対象となり、書籍・雑誌は結論が先送りされたことを簡単に触れた。

   食品以外で軽減税率の適用対象に決まったのは「新聞」だけなのだから、本来であれば、もっと取り上げられてもよかったはず。もしかしたら、新聞各紙はこれには触れたくなかったのかもしれない。

フジは「新聞業界と政府与党の思惑が一致」と報道

   一方、新聞社と資本関係や協力関係のあるテレビ各局は対応が分かれた。 2015年12月15日夜のテレビ朝日系「報道ステーション」は、ニュースで新聞の軽減税率適用には触れたものの、古館伊知郎キャスターも朝日新聞のコメンテーターもダンマリを決め込んだ。日本テレビの16日朝の情報番組も、新聞への軽減税率の適用には触れなかった。

   これとは対照的に、フジテレビは16日朝の「とくダネ」が踏み込んだ。「販売部数の減少を避けたい新聞業界と、軽減税率制度への批判を抑えたい政府与党との思惑が一致した点もあるとみられる」と伝え、司会の小倉智昭氏が「おかしいよね、これも」と首を傾げた。

   番組内では、コメンテーターの深澤真紀(コラムニスト)が、「新聞だけが軽減税率になれば、新聞は政府側にならざるを得ない。軽減税率がプレッシャーをかける道具になりかねません」と、表情を曇らせた。

   新聞の軽減税率の適用には、じつは自民党内部からも異論がある。新聞が政党や支持団体の機関紙なども含まれることに対して、「国民の理解は得られない」との声がみられるという。

   インターネットには、

「さすがに恥ずかしくて報じられないだろwww」
「低所得者層はとっくに新聞とるのやめてるっつうの」 
「テレビのコメンテーターども、とぼけた顔しやがって当たり障りないコメントばっかり」 
「メディアはどこも都合のいい情報しか流さない。不利になることはふれないわけね」
「安倍政権とマスコミの癒着の成果が軽減税率」

といった、呆れぎみの声が寄せられている。

 


朝日、読売、日経が「新聞に軽減税率」決定を書かない理由…消費増税主張しながら自分達は政権と取引する卑劣

【この記事のキーワード】マスメディア, 安倍内閣, 安倍晋三, 田部 祥太
2015.12.11
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首相官邸HPより

 消費税の軽減税率をめぐり、自民・公明の両党は、減税の対象を酒を除いた全ての食料品とすることで一致した。

 軽減税率を生鮮食品だけに限定しようとする自民党と、すべての食料品に導入しようという公明党の対立に官邸が割って入り、公明党に譲歩することを決断したかたちだが、しかし、食料品に全部軽減税率を適用しても、逆進性、低所得者の負担増が食い止められるわけではない。それ以前に、経済の専門家の多くは景気が頭打ちでデフレ傾向も出てきている中で、増税をすること自体がありえないと指摘している。

「今回の流れはそういう反発を抑え込むための猿芝居ですよ。来年の参院選を考えたら、公明党案に乗るしかないことは最初から決まっていた。でも、官邸はその決断を国民へアピールするために、自公に大立ち回りをさせたあげく、最終的に安倍首相の“鶴の一声”で決着を見るというパフォーマンスをしたんですよ。シナリオを書いたのはもちろん菅(義偉)官房長官です」(政治ジャーナリスト)

 しかし、新聞・テレビはそんな裏話をおくびにも出さず、まるで、安倍官邸のPR話を垂れ流すように、数日にわたって軽減税率をめぐるやりとりを大々的に報道してきた。

 だが、その一方で、彼らがまったく報道しなかった問題がある。それは、他でもない、新聞が軽減税率の対象になるという事実だ。

「すでに政府関係者が新聞と書籍を軽減税率の対象とする発言をしています。しかも、これは昨日今日決まった話ではない。10月には、菅官房長官や公明党の山口(那津男)代表が新聞への軽減税率適用を示唆していましたし、自民党新聞販売懇話会も範囲に含めることを求めた要望書を宮沢洋一税制調査会長へ出していました。ようするに“後はタイミング”という段階だったのです」(前同)

 ところが、この数日、新聞もテレビもこれについてはほとんど報道していない。昨日、TBSと日本テレビがようやく“新聞も軽減税率の範囲内になる”と報じたが、新聞は一切報じなかった。

そして、今朝も全国紙5紙の一面は軽減税率が食品全般で大筋合意に達したことを伝えるものだったが、「新聞」への軽減税率適用の話題は無視か、あるいは申し訳程度に触れるだけだった。

 具体的には、読売、朝日、日経の3紙は、外食との線引きや財源確保の問題、そして16年度税制改正大綱の内容を大きく扱っておきながら、「新聞」の話題は“完全にスルー”。また、毎日と産経は“政府関係者は10日夜に軽減税率の対象品目に「新聞」が含まれているとの認識を示した”というストレートニュースを数行書いたに過ぎなかった。無論、他業界との影響の比較などは一切ない。

 ようするに、新聞各紙はこれに触れたくないのだ。というのも、もともと新聞業界は与党と政府に、新聞に軽減税率を導入するよう強く働きかけてきた経緯があるからだ。

 新聞の業界団体である日本新聞協会は昨年、「今後の社会・文化の発展と読者の負担軽減のため、消費税に軽減税率を導入し、新聞の購読料に適用するよう求める」として「新聞への軽減税率適用を求める特別決議」を出している。

 また作家を動員した集会を主催したり、各紙紙面で識者に軽減税率導入を語らせるなど、この間ずっとキャンペーンを張ってきた。

 新聞協会は〈ニュースや知識を得るための負担を減らすため〉〈読者の負担を軽くすることは、活字文化の維持、普及にとって不可欠〉(HPより)を大義名分としている。しかし、実際には、発行部数の急激な落ち込みが理由であることは間違いない。

 事実、ここ10年をみると、一般紙とスポーツ紙を含む発行部数は右肩下がりで、2004年には約5300万部だったのが、2014年には実に約4500万部と、約700万部も減少している。新聞離れは根深く、今後も回復の見込みは薄い。端的に言えば、“斜陽産業”である新聞業界は「増税」による値上げで、これ以上部数を減らしたくないのだ。既得権益の確保と言い換えてもいいだろう。

 しかも、新聞業界の働きかけはこうした表のものだけではなかったようだ。

「裏でも、渡邉恒雄・読売グループ会長を中心に官邸、自民党、公明党にさかんに働きかけをおこなってきました。政治報道のありようなどもからめながら、相当な裏取引があったとも言われています。それが実って、今回、軽減税率の適用が決まった。ただ、各紙ともバツが悪くなって、事実を伏せているんじゃないでしょうか」(政界関係者)

 もちろん、こうしたロビイング活動は新聞業界に限ったことではない。しかし、これら大新聞は、民主党政権のころから消費税法の改正を煽り、昨年の衆院選でも安倍自民党が消費増税の先送りを公約にしたことを社説でそろって批判していた。以降もたびたび、こんな調子の社説を出している。

〈柱になるのは消費税の増税である。景気にかかわらず増えていく社会保障をまかなうには、税収が景気に左右されにくく、国民全体で「薄く広く」負担する消費税が適している。(中略)
 安倍政権は10%を超える増税を否定するが、それではとても足りない。欧州の多くの国が付加価値税(日本の消費税に相当)の税率を20%前後としていることからも明らかだ。〉(朝日新聞15年6月30日付「社説」)

〈留意すべき点は、軽減税率の導入で税収が減る規模によっては、消費税率10%時に約束している社会保障充実策(約2兆8千億円)を実現するのが難しくなる可能性があることだ。(中略)
 消費税は社会保障を支える重要な財源だ。日本の巨額の借金や社会保障費を考えれば、長期的には消費税率を10%を超えて上げていくのが避けられまい。軽減税率の設計次第で、将来の標準税率の引き上げ幅が大きくなりかねない。〉(日本経済新聞15年10月25日付社説)

こんな国民への負担をエラソーに説きながら、一方で自分たちの商品だけは軽減税率の対象に含めよと、裏で働きかけるというのは、姑息としか言いようがない。

 しかも、新聞メディアの場合、政界にロビイングをすること自体が、大きな問題をはらんでいる。言うまでもなく、マスメディアは政治権力から独立して、市民のためにその不正や問題点を明らかにする“権力の監視”という責務がある。だが、今回の軽減税率に関しては、ようするに業界団体が政治権力に“頭を下げて”お願いしたという構図だ。当然、政治権力はその見返りを暗に求めるし、“自主規制”という名の圧力も増す。つまるところ、新聞メディアによる政権批判や政策批判などが健全に機能しなくなるという危険性が高い。

 自分たちの既得権益のために、政権批判に手心を加えるようなことがあれば、これはまさに、国民に対する裏切り行為と言っていいだろう。

 いや、それはただの懸念ではすまない。新聞業界ではすでに、今回の軽減税率適用で、参院選までは表立った政権批判はやりづらくなった、との声が出てきている。実際、今回、大新聞が「新聞」の軽減税率適用をひた隠しにしているのは、まさに、その裏切りの自覚があるからだろう。

 たった2%の軽減税率のために、この国の新聞は、取り返しのつかないものを失ってしまったのではないか。
(田部祥太)

 

新聞が軽減税率と引き換えに失う報道機関としての信頼
藤代裕之 | ジャーナリスト
2015年12月16日 14時0分配信

軽減税率について報じる全国紙

消費税を10%に引き上げる際に8%に据え置く「軽減税率」の対象品目について、新聞が含まれることが明らかになりました。これは、新聞業界が労使一体となり求めてきたことです。私たちは人に何かをお願いしたら、借りを返さねばならないことを知っています。政権にお願いをしながら、政権の都合の悪い報道ができるのか?という素朴な疑問を持つのは当然です。

労使一体で権力にお願いする異常

日本新聞協会は、2013年に「軽減税率を求める声明」を出し、特設サイト「聞いてください!新聞への消費税軽減税率適用のこと」を立ち上げて著名人のインタビューなどを掲載してきました。「日本でも軽減税率が導入された場合、生活必需品と同じように新聞・書籍も軽減税率の対象にするべきだと思いますか。対象にするべきではないと思いますか。」という調査に対して、42.1%が対象にすべきと回答したことを紹介し、人々も望んでいると主張しています。

特定秘密保護法が成立した2013年12月6日にはこのような動きがありました。自民党新聞販売懇話会は、15年10月にも党税調に要望を行っています。自民党の政治家が勝手に「新聞を応援するぞ」とはなるはずはなく、新聞業界のロビー活動を受け、懇話会が要望を行っていると考えるのが妥当でしょう。
自民党新聞販売懇話会の丹羽雄哉会長らは6日、党税制調査会の額賀福志郎小委員長と国会内で会談し、消費税率引き上げに伴い、新聞への軽減税率導入に賛同する党所属国会議員207人の署名を手渡した。『新聞に軽減税率を 自民党207議員の賛同署名提出』

出典:産経ニュース
経営側だけでなく労組も軽減税率の適用を要望しています。
全国紙、ブロック紙、地方紙、地域紙などの労組87、約2万人が加盟している労働組合・新聞労連は2014年5月に「知識課税強化に反対する~民主主義と地域・社会の発展に力を尽くしていくことを誓います~」という声明を発表しています。
声明は『新聞ジャーナリズムの在り方に対するさまざまな批判があることも、謙虚に受け止めます。』『議論の中で「新聞自らが優遇を求めることは、ジャーナリズムとしての独立性を損なうとみなされ社会の信頼を失うのではないか」との懸念も提起されました。』などと書きながら、知識課税に反対するというカタチで軽減税率を求めており、理解も共感もできません。
公益性は、ジャーナリズム活動にあるのであり、新聞産業や新聞労働者の給与のためにあるのではないのです。この声明はジャーナリズムという言葉の信頼性、社会的な役割を貶めるものでしかありません。

現場の記者が後ろ指を指されても仕方ない

FNNはヤフーニュースに下記のような記事を配信していました。
自民党の幹部は、新聞を対象にしたのは、選挙対策の一環でもあるとの認識を示していて、増税で、販売部数の減少を避けたい新聞業界と、軽減税率制度への批判を抑えたい政府与党との思惑が、一致した点もあるとみられる。

出典:FNN
スクープは権力に都合の悪いことが多く、だからこそジャーナリズムは権力に対して慎重な距離を取る事が求められて来たのです。しかし、新聞業界がやっていることはまったく逆なのです。

元新聞記者で国会議員の山下雄平さんはブログにこう書いているのですが
私は約9年記者をしました。多くの記者は日夜、体力をすり減らして必死で取材し、記事を書いています。政治家にとって都合のいい記事ばかりではありません。「偏っているんじゃないか」「見方が間違っている」と感じる時もあります。しかし、新聞が政治権力と距離をおき、信ずるところを自由に報道しているからこそ、国民・読者から一定の信頼を得ているのだと思います。「新聞は国から税金をまけてもらっている」と後ろ指を指されて一番辛い思いをするのは現場の記者です。

出典:なぜ新聞だけなのか(山下雄平オフィシャルブログ)
新聞の労組は反対しているのではなく賛成しており、後ろ指を指されても仕方がないのです。
もし、嫌なら反対の声を上げる必要があります。しかし、朝日新聞での池上彰さん記事掲載拒否騒動の際のように、ツイッターをやっている記者たちが一斉に声をあげているわけではありません。下記のまとめを見ても、むしろ賛成のようです。
新聞の軽減税率対象に佐々木俊尚さん「新聞がまったく報じない」→朝日新聞記者「デマを言われるのはちょっと…」(togetter)
メディアのいつか来た道

新聞業界の広告費は2000年に1兆2474億円ありましたが、2014年は6,057億円と半減しています。にもかかわらず、アメリカのように新聞社が売却されたり、記者の大量解雇につながらないのは、宅配に支えられているからです。新聞への軽減税率が宅配率を基準にして検討されている理由は明確です。

メディア研究者佐藤卓己さんの労作に『言論統制―情報官・鈴木庫三と教育の国防国家』 (中公新書)という本があります。「小ヒムラー」と呼ばれ、戦時中の言論統制の元凶とされた鈴木の日記をひもとく中で、出版社やマスコミや言論人は、「軍部に書く自由を奪われた」のではなく、戦争で拡大するメディアビジネスのために統制されている紙を求め軍部に協力し、取り入ろうとしていたことが明らかになっていきます。

現場の記者や労組が、直接的な権力による報道の自由への圧力ではなく、ビジネスだから大丈夫と思っているなら歴史に学んでなさすぎるでしょう。権力にお願いするものが、権力を批判し、監視することはできない。むしろ積極的に一体化していく。それが、メディアがビジネスのために権力にお願いした結果、戦争を止めるどころか煽ったという歴史的な事実から学べることです。

お金で買えないメディアだからこそ価値がある。権力に売った魂は戻りません。新聞は軽減税率の適用で経営的に一息つくのかもしれませんが、紙は減り続けるのは間違いなく、たった2%と引き換えに、報道機関としての読者からの信頼という最も大切なものを失うことになるでしょう。


藤代裕之
ジャーナリスト
広島大学卒。徳島新聞社で記者として、司法・警察、地方自治などを取材。NTTレゾナントで新サービス立ち上げや研究開発支援担当を経て、法政大学社会学部准教授。関西大学総合情報学部特任教授。教育、研究活動を行う傍らジャーナリスト活動を行う。日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)代表運営委員


 

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