
政府は、2012年5月9日、東京電力が福島第一原子力発電所の事故の賠償や今後の廃炉などを進めていくために申請していた総合特別事業計画を認定しました。これによって東京電力は1兆円の公的資金の投入で事実上、国有化され、政府が主導する形で経営の見直しが図られることになります。
今回、東電と原子力損害賠償支援機構が作成した「特別事業計画」では、 政府は、東京電力が6月に予定している株主総会を経て1兆円の公的資金を投入し、当面は過半数の議決権を保有して事実上、国有化します。さらに政府は、原発事故の賠償に充てるおよそ8500億円について追加の資金援助を行います。
しかも、東電の収益拡大のための家庭向けへの10.28%電気料金の値上げなどを行い、さらに柏崎刈羽原子力発電所の再稼働などを盛り込んでいます。
これに対して、福島原発事故の加害者である東電を救済すべきではないとか、東電はもっとリストラ努力をするべきだという意見は当然ですが、それは実は問題の本質ではありません。
それより問題なのは、特別事業計画が投入を「公的資金」とは国民の血税だということです。さらに、この計画では一般家庭に7月に10%以上の値上げを求めているわけです。これも消費者たる国民の犠牲です。
このような福島原発事故の被害者である国民や消費者が「加害者」より先に負担を強いられることがおかしいのです。
まず、資本主義社会において、ある会社が社会に多大な迷惑をかけた場合、真っ先に責任を取るべきなのは株式会社の実質的所有者である大株主です。
ご覧のように東電の場合は大株主は生命保険会社と銀行です。

出典)東京電力
原発再稼働して、財政赤字だから消費税増税するといっているのに一兆円も税金を投入し、値上げも必要としています。さらに、しかも、福島第一原発の廃炉と除染にかかる費用について、政府による新たな資金支援の枠組みの検討が盛り込まれています。つまり、さらに国費の投入が必要だということです。
つまり東電は実質的に破たんしているということなのです。ゾンビのように生きながらえさせていくと、いつまでも莫大な税金などの投入が必要なのです。
こんな会社は倒産して株価はゼロ、株は紙切れという扱いが当たり前です。
株主というのは投資することで、毎年、利益配当・剰余金配当を受けてきました。利益あるところにリスクあり。利益だけ取ってリスクは負わないなんてことは資本主義では許されません。
東京電力国有化はメガバンク救済・原発再稼働策 破綻処理せず電気代を10%値上げすることは許されない
さらに、貸し手責任の問題があります。金融機関は東電にお金を貸して、また社債権者として利息という利益を受け取ってきたのです。
彼らは東電で十分に儲けてきた。利益あるところに責任あり。一般国民よりは彼らに東電の罪の責任を負ってもらうのは当然なのです。
倒産する会社に貸したお金が回収できないのは当たり前です。
貸し手のメガバンクも東電の原発依存を容認してきたのですし、原発事故の責任の一端はあります。実質破たんしている東電に対する下の表のような金融機関の債権は放棄してもらうのが当然なのです。

すぐに1兆円も使うわ、電気代 を1割以上も上げるわ、おまけに原発再稼働までして、国民の負担で救済するのは冒頭のグラフのように金融機関だなんてばかげています。
与野党の政治家はどっちを見て仕事をしているのでしょうか。ひょっとして、東電が破たん処理されると下のような自分の株式がパーになることを気にしているのではないでしょうか。

そもそも、 この計画では、2013年度に柏崎刈羽原発を再稼働させることを前提に、事業収益を上げるとしています。
しかし、福島第1原発事故の原因は究明されておらず、被害は拡大し続けています。甚大な被害をもたらした原発事故を繰り返さぬよう、原発からの撤退を決断するべきです。事故収束に程遠い状況にもかかわらず、原発の再稼働を計画するのは許されません。
東電憎しで、東電いじめのために東電国有化に反対しているのではありません。
原発事故の被害者である国民に、国税負担・電気代値上げの負担を課して、東電、ひいては、銀行と生保を救うだけの東電国有化は許されないといっているのです。
まして、原発再稼働まで事業計画に織り込むなど言語道断です。
もうとうに破産している東電は破たん処理するのが当然なのです。
真面目に賠償する気のない東京電力の緊急事業計画を認可して、1兆円を出してやる枝野経産相の目は節穴か!
大会社の顔色ばかりうかがっている野田民主党政権は救いがたい!
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