
日本国憲法は現代立憲主義憲法として非常によくできています。
押しつけ憲法などと言いますが、逆に言うと、象徴天皇制はともかく政治の駆け引きなしで理想的につくられた憲法なので、中身が憲法論の最先端の議論に忠実で、人権擁護と平和主義に徹しています。
ところが毎日新聞の憲法改正に関する世論調査を見ると、憲法改正派が増え、護憲派が減っているのに驚きました。
朝鮮半島の緊張も影響していると思います。
改憲に賛成48% 9条改正反対46%
毎日新聞2017年5月3日 東京朝刊

昨年4月の調査では、憲法を改正すべきだと「思う」と「思わない」が42%で並んでいた。今回は「憲法の施行から70年にあたる」と明示したうえで質問したため、単純には比較できない。
憲法を改正すべきだと「思う」は全年代で「思わない」より多かった。9条は逆に全年代で「思わない」が「思う」より多かった。ただ、9条を改正すべきだと「思わない」は昨年4月の調査から6ポイント減少した。
大規模災害や外国からの攻撃が発生し、国政選挙が実施できなくなった場合に、国会議員の任期を特例で延長する規定を憲法に設けることに関しては「反対」47%で、「賛成」28%だった。
憲法施行70年にあたり、戦後の日本の平和維持や国民生活の向上に憲法が果たしてきた役割をどう評価するかも聞いた。「かなり役立った」は29%、「ある程度役立った」は47%で計76%。施行60年を前にした2007年4月調査でも「かなり」は28%、「ある程度」は49%で、傾向は変わっていない。【大隈慎吾】
この世論調査でおかしいなと思うのは、憲法を改正すべきだと「思う」は全年代で「思わない」より多かった割には、どこを改正すべきかという点が全くないところです。
緊急事態条項については、反対が47%、賛成が28%とホッと胸をなでおろす結果になっています。
憲法9条を改正すべきだと思わないが46%で、すべきだという30%の1・5倍になっています。
つまり、施行から70年もたって古いと宣伝されているので、なんとなく改正すべきだという風潮になっていますが、現実には改正すべき点がないのです。
これは安倍政権の憲法改正策動にもみられる傾向で、やれ9条改正だと言ってみたり、96条の改正条項を改正すると言ってみたり、緊急事態条項と言い出したり、最近では高等教育の教育無償化を憲法で決めると言ってみたり、まさに改憲ありきで、改憲条項が後付けのものばかりです。
毎日新聞の世論調査では、憲法施行70年にあたり、戦後の日本の平和維持や国民生活の向上に憲法が果たしてきた役割について、「憲法がかなり役立った」は29%、「ある程度役立った」は47%で計76%で圧倒的です。
そう、国民の皆さん、日本国憲法を変える必要なんてないんですよ。
むしろ日本国憲法は施行70年を経て、ますますその輝きが増していると思います。
特に、国に戦争をさせない平和主義と立憲主義が素晴らしい。
こんなに長く戦争を仕掛けないで来たのは江戸時代以来です。
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憲法改正の項目絞り込みの議論 いつ始まるのか見通し立たず
5月3日 6時44分 NHK
3日は憲法記念日です。安倍総理大臣は、憲法の施行から70年となることし、憲法改正に向けて国会での議論を前進させたい考えですが、衆参いずれの憲法審査会も各党の意見の隔たりが大きく、改正項目の絞り込みの議論が、いつから始まるのか見通しは立たない状況です。
衆参両院は、憲法改正に前向きな勢力が改正の発議に必要な3分の2の議席を占めていて、安倍総理大臣は1日、憲法の施行から70年となることし、憲法改正に向けて国会での議論を前進させたいという考えを示しました。
こうした中、衆議院憲法審査会が去年11月、およそ1年5か月ぶりに議論を再開し、今の国会では大規模災害などに対応するための緊急事態条項を憲法に設けるべきかなどをテーマに、各党の意見表明や参考人質疑を行いました。
そのうえで、憲法改正を目指す自民党や日本維新の会は、今後できるだけ早く、改正項目の絞り込みに向けた具体的な議論に入りたい考えで、テーマとして、緊急事態条項の新設や、教育の無償化などを想定しています。
これに対し、民進党は党内に憲法改正に積極的な議員と慎重な議員の双方を抱えているのに加え、次の衆議院選挙での連携を協議している共産党などと、「立憲主義を脅かす憲法改悪の阻止」で一致していることから、自民党が主導する改正項目の絞り込みには慎重です。
さらに公明党は、憲法改正の議論は野党第1党の民進党の理解を得ながら進めることが不可欠だという立場で、自民党の中からも、今の国会で改正項目の絞り込みの議論を始めるのは難しいのではないかという見方が出ています。
一方、参議院憲法審査会は議論のテーマや進め方をめぐって、各党の折り合いがつかないため、今の国会では1度も開かれていません。
このように、衆参いずれの憲法審査会も各党の意見の隔たりが大きく、改正項目の絞り込みの議論が、いつから始まるのか見通しは立たない状況です。
不戦「9条が貢献」75% 安倍政権で改憲「反対」51% 世論調査
2017年4月30日 東京新聞朝刊

共同通信社は二十九日、憲法施行七十年を前に郵送方式で実施した世論調査の結果をまとめた。日本が戦後、海外で武力行使しなかった理由について、戦争放棄や戦力の不保持を定めた「憲法九条があったからだ」とする回答は75%に上った。九条の存在とは「関係ない」は23%だった。九条改正を巡っては必要49%、必要ない47%で拮抗(きっこう)した。安倍晋三首相の下での改憲に51%が反対し、賛成は45%だった。
北朝鮮情勢の緊迫化などを踏まえ、九条改正の必要性では賛否が二分する一方、戦後九条が果たしてきた役割は国民に浸透している現状が明確になった。改憲を「必要」「どちらかといえば必要」とする改憲派は計60%。改憲は必要ないとする護憲派は「どちらかといえば」を含めて37%だった。
調査は五月三日で憲法施行から七十年となることから三~四月に十八歳以上の男女三千人を対象に実施した。
改憲派に理由を尋ねたところ、トップは「憲法の条文や内容が時代に合わなくなっているから」で66%。これに「新たな権利や義務などを盛り込む必要があるから」が22%で続いた。「米国に押し付けられた憲法だから」「制定以来、一度も改正されていないから」はそれぞれ5%だった。
具体的な改憲項目(二つまで回答)は「九条と自衛隊」(49%)、「天皇制」(25%)、「教育制度」(19%)の順。自民党などで浮上している、大災害時の国会議員の任期延長を含む「緊急事態条項の新設」は14%だった。
護憲派は理由として「戦争放棄を掲げ、平和が保たれているから」(46%)、「改正すれば『軍備拡張』につながる恐れがあるから」(26%)、「現憲法で不都合なことがないから」(19%)などを挙げた。
改憲問題に関心があるとした人は「ある程度」を含め73%。教育無償化に関しては「法律で実施できるので改憲の必要はない」が60%だった。
家族の互助を憲法上の義務として盛り込むことには81%が「必要ない」とした。
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