
デパートの食料品売り場でスリをしようとしたという窃盗未遂容疑で、警視庁捜査3課は11月9日に、東京都中野区の無職・スリ歴60年、逮捕は23回目の大ベテランを逮捕したそうです。
スリ歴は19歳の時から。仕事場は主に百貨店の地下の食品売り場。人呼んで「デパ地下のさと婆」。
今年の8月以降、吉祥寺周辺で十数件のスリ被害があり、警戒中の捜査員がさと婆を発見。さと婆が女性の右後方から近づき、バッグに右手を入れる瞬間を目撃して、現行犯逮捕されちゃいました。
さと婆、7月に出所したばかりだったので目をつけられてたんでしょうね。中野と吉祥寺ってすぐそばだし。
さと婆がデパ地下専門なのは、食品売り場で買い物する高齢女性が「商品を見ていて、警戒が薄くなる。高齢女性はカードではなく、現金を持っているから」なんだそうですが、あんたも高齢女性やのに、あかんがな。
スリは痴漢と同じで基本的に現行犯逮捕ですから、60年間で23回しか逮捕されていないというのは、凄腕ということでしょうね。戦争直後、スリの元締めが手先の器用な子供たちを養成した、その生き残りの60~80代に異名が付くような「名人」が多いのだそうですが、寄る年波で腕が衰えたのか、寒くなったし、半ば捕まって刑務所に入りたかったのか。

「毒薬と老嬢」はフランク・キャプラが製作・監督した映画で1944年の傑作コメディ作品。主演は「断崖」「フィラデルフィア物語」のケイリー・グランドで、「エイブ・リンカン」のレイモンド・マッシー、「いちごブロンド」のジャック・カーソン、「カサブランカ」のピーター・ローレ。
エビイとマーサのブルースター姉妹は、ブルックリンの山の手の大邸宅に住んでいる。やさしいけれども、気の触れたこの老嬢たちは、孤独な異性の老人を天国に送りたいという奇妙な考えに捕らわれていて・・・
以前、植木詐欺のおじいさんの刑事事件の弁護をしたことがあります。
詐欺もそれぞれのベテランで手口が決まっていることが多いのですが、このおじいさんの場合は、庭木の立派なお宅に伺っては、「お宅のおうちの木の枝が伸びているのが気になります」といって、無料で植木の剪定をしてあげるんですね。
でも、大きなお家の庭木の手入れって一日や二日では終わりません。
二日目にまた行ってあげたときに、「いつまでもタダでは申し訳ない」という家人の気持ちにつけ込み、では、次回以降も来ますので、と請負代金の前払いをしてもらって、そのまま仕事に行かないという詐欺なんですが・・・・
なんだか、効率悪い!
というか、被害者が前払いしたくなるほどの腕があるなら、そのままサボらんと仕事に行けばいいやんか!?

ところが、このやはり70代のおじいさんの前科調書を見たら、前科(有罪確定判決)は十数回なんですが、一回一回の判決で事件が10個以上あるんですよ。ほな、発覚しただけで前科100犯以上と同じやん?!
覚せい剤前科何犯ですっていう人の弁護でもそうなんですが、公判終盤の被告人質問で、「反省していますか」「しています」、「二度としませんか」「いたしません」っていう質疑応答をするのが虚しいというか、弁護人としても白々しいという気持ちがぬぐい去れないというか。
さと婆の場合は窃盗罪、植木爺?の場合は詐欺罪で、ともに法定刑は懲役10年までなんですが、二人とも累犯前科があるということで、法定刑はその2倍の20年に上がります。まあ、そこまで悪質でないので、さと婆も一生刑務所ということはないと思うのですが。

かつて、79歳のおばあちゃんが87歳のおばあちゃんに悪口を言われたと思い込んで、トンカチで何十回も頭を叩いちゃった殺人未遂事件(汗)とか、3日間なにも食べていなかったホームレスのおじいちゃんが窓の開いていた車の中のお弁当箱を盗んだつもりが空だった窃盗事件(涙)とか。
昔、親戚にいじめられたおばあちゃんが、その親戚の家に行って火をつけて殺してやろうとした放火殺人未遂事件も扱ったことがあります。
最後のおばあちゃんなんか、「反省していますね?!」と聞いたら、
「はい、もっと灯油の量を多くしておけば、皆殺しに出来たのに、と反省しております!」
と言われちゃって(爆)、かえって心神耗弱の主張が認められた!(苦笑)、なんてことも。
ご老人の事件は少年事件以上に印象に残っています。
人生は味わい深い。

「大誘拐」。岡本喜八監督が絶賛した北林谷栄の好演が光る天藤真原作の痛快犯罪コメディ。3人の青年が富豪の82歳の老婆を誘拐する。だが、いつの間にか老婆が誘拐の指揮を取り、家族に100億円の身代金を要求する。一方、老婆を恩人と慕う警部は必死の捜査を開始するが、最後に笑うのは・・・
スクリーンの中だと、老人が明るくて元気でいいねえ。
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