
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)を巡り、滋賀県内の住民29人が運転の差し止めを求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は2016年3月9日、住民側の申し立てを認める決定を出しました。
この2基を巡っては福井地裁でも争われ、2015年4月に再稼働を認めない仮処分決定を出しましたが、12月に別の裁判長が取り消し、住民側が名古屋高裁金沢支部に抗告していますね。
稼働中の原発について稼働差し止め決定が出て、稼働が止まるのは初めてのこと。脱原発市民、頑張るなあ~!!
大津地裁の仮処分決定を受け、関電はフル稼働中の3号機の停止作業に入る予定で、手順は通常の定期検査と同じで、作業開始から約10時間で運転停止を意味する「ゼロ出力」の状態になる見込みです。

今回の仮処分の決定文では
「福島の原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法、基準となる地震の揺れの策定についても危惧する点がある」
と原子力規制委員会の新安全基準に対しても疑問を明確に指摘し、
「想定される地震の最大の揺れを評価する方法のもととなるのは、過去に起きた14の地震で、サンプルの少なさからすると科学的に異論のない方法と考えることはできない」
と痛烈に批判し、
「津波対策や避難計画についても疑問が残り、住民の権利が損なわれるおそれが高いにもかかわらず、安全性について電力会社は十分な説明を尽くしたとは言えない」
として、高浜3号機と4号機の運転の停止を命じる決定を出しました。

また、避難計画が明確でないことについて、避難計画について基準に取り込むことを国家の
「信義則上の義務」
であるとしました。
理を尽くした素晴らしい判断だと思います。
脱原発派市民の皆さん、頑張ろう!

同じ事業所の事業に、そもそも2回も仮処分が出るなんて普通の裁判でも異例です。
いかに関西電力、いや原子力規制委員会の安全基準が甘いかということ。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
1~2月に再稼働した関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町、4号機は機器トラブルで緊急停止中)をめぐり、大津地裁の山本善彦裁判長は9日、福井に隣接する滋賀県の住民29人の訴えを認め、2基の運転を差し止める仮処分決定を出した。稼働中の原発を直ちに停止させる司法判断は初めて。福島原発事故後、新規制基準のもとで再稼働を進めてきた政府に見直しを迫る事態となった。
特集:高浜原発
関電は運転停止の作業に入る一方、決定の取り消しを求める保全異議や仮処分の効力を一時的に止める執行停止を地裁に申し立てる方針。それらが認められなければ差し止めの法的効力は続き、関電は2基を動かせない。4月の電力自由化を控え、関電は原発再稼働を急いできたが、計画変更を迫られるのは必至だ。
住民は高浜原発から約30~70キロ圏内に居住。地震災害に伴う重大事故が原発で起きた場合、放射性物質で琵琶湖が汚染されて水が飲めなくなり、生命や健康を脅かされると訴えていた。
地裁の審理では、東京電力福島第一原発事故の反省を踏まえて安全対策を強化した国の新規制基準(2013年施行)や、電力会社が耐震設計の基本とする揺れの大きさ(基準地震動)の妥当性が争点となった。
住民側は、外部電源や使用済み核燃料プールなどの耐震強度は新規制基準でも低いレベルに留め置かれたままで、汚染水への対策も定められていない▽関電が策定した基準地震動は過去の地震の平均像に過ぎず、少なくとも過去の最大地震を基礎とすべきなのに著しく小さな想定にとどまっている――などと主張した。
関電側は、新規制基準は専門性と独立性を持つ国の原子力規制委員会が策定しており、非常用電源には最高レベルの耐震強度を求めるなど合理的な内容で問題ないと反論。基準地震動についても、詳細な地質調査や最新の知識を踏まえ、連続していないとされる原発付近の活断層が連動した場合も考慮して厳しく策定したと主張。十分な余裕をもたせてあるとしていた。
事故時の対応を定めた自治体の避難計画をめぐっても、住民側は「土砂崩れや渋滞で避難道路が使えなくなるなどの事態を想定しておらず不十分」、関電側は「段階的な避難や一時的な移転などを想定しており合理的」と対立していた。
住民らは11年8月にも高浜原発などの再稼働禁止を求める仮処分を申し立てたが、大津地裁が14年11月、避難計画が未整備な点などを挙げて「原子力規制委が早急に再稼働を容認するとは考えがたい」と却下。その後、規制委で再稼働に向けた審査が進み、昨年1月に再び仮処分を申し立てた。
高浜原発の2基をめぐっては福井地裁が再稼働前の昨年4月、運転を禁じる仮処分を決定。同12月、別の裁判長がこれを取り消し、住民側が抗告している。(島崎周)
高浜原発3・4号機 運転停止命じる仮処分決定

決定で大津地裁の山本善彦裁判長は「福島の原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法、基準となる地震の揺れの策定についても危惧する点がある」などと指摘しました。さらに、「想定される地震の最大の揺れを評価する方法のもととなるのは、過去に起きた14の地震で、サンプルの少なさからすると科学的に異論のない方法と考えることはできない」と指摘しました。
そのうえで、「津波対策や避難計画についても疑問が残り、住民の権利が損なわれるおそれが高いにもかかわらず、安全性について電力会社は十分な説明を尽くしたとは言えない」として、3号機と4号機の運転の停止を命じる決定を出しました。
高浜原発は、ことし1月に3号機が、先月に4号機が、新しい規制基準のもとで再稼働しましたが、4号機では、再稼働の3日後の先月29日に原子炉が自動停止するトラブルが起き、関西電力は、早期の運転の再開を目指しています。
関西電力は、9日の決定の取り消しを求めて異議を申し立てる方針ですが、仮処分は直ちに効力が生じるため、稼働中の3号機の原子炉を速やかに止めなければならなくなりました。稼働中の原発の運転の停止を命じる仮処分の決定は初めてです。
高浜原発3号機と4号機を巡っては、福井地方裁判所が去年4月、再稼働を認めない仮処分の決定をしましたが、去年12月に福井地裁の別の裁判長がこの決定を取り消し、再稼働を認める判断をしていました。
関西電力 原子炉停止手続きと異議申し立てへ
関西電力によりますと、3号機の原子炉に核分裂反応を抑える制御棒を入れて徐々に出力を落としていき、出力がゼロになるまでに、およそ10時間かかる見込みだということです。
その一方で、関西電力は大津地方裁判所に、9日の決定の取り消しを求める異議の申し立てと、仮処分の執行の停止を求める申し立てをすることにしています。申し立てがあった場合、大津地裁では今回とは別の裁判官が、改めて判断することになります。
関西電力「承服できない 速やかに不服申し立てる」
官房長官「再稼働方針は不変」
そして、菅官房長官は「国は本件の当事者ではなく、あくまでも仮の処分であることから、当事者である関西電力が今後の対応を決めると思うので、国としても注視していきたい」と述べました。
運転停止に複雑な反応
このうち、60代の男性は「決定の内容をニュースで知りびっくりしたが、動いている原発を止めることは立地自治体の住民としては理解できない。今後、ほかの原発も運転が難しくなるのではないか」と話していました。また、60代の女性は「原発は危険だという意見も分かるが、高浜原発がようやく再稼働し地域が活性化に向けて動きだしたところだったので、複雑な気持ちだ」と話していました。
一方、20代の女性は、「きょうの決定を聞くと原発の安全性について心配に思うので、いったん運転を止めて調査を行い対策を取ったうえで、安全に再稼働してもらいたい」と話していました。
住民と弁護団が声明「公平冷静に賢明な判断示された」
この中で、「今回の決定は再稼働にまい進しようとする関西電力の姿勢に疑問を示し、住民の避難計画を審査の際に考慮しない新規制基準の合理性を否定した。そのうえで、避難計画について基準に取り込むことを国家の『信義則上の義務』であると明確に述べた。公平、冷静に賢明な判断を示した裁判官に深い敬意を表する」としています。そのうえで、関西電力に対しては、「異議や執行停止の申し立てをすることなく、直ちに高浜原発3号機の運転を停止させることを求める」としています。
関電高浜原発3・4号機の運転差し止め 大津地裁仮処分決定
- 2016/3/9 15:42 日本経済新聞
関西電力高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを滋賀県の住民が求めた仮処分申請で、大津地裁(山本善彦裁判長)は9日、運転を認めない決定をした。東京電力福島第1原発事故後に再稼働した原発の運転を禁止する司法判断は初めて。仮処分決定は、訴訟の判決と異なり直ちに効力が生じるため、2基はいずれも運転停止の状態に追い込まれる。
今後の司法手続きで判断が覆らない限り運転は再開できず、関電の経営にとって大きな打撃となりそうだ。
2基は2015年2月に国の安全審査に合格。3号機は今年1月に再稼働し、現在も運転を続けているが、4号機は翌2月に再稼働しながら、直後にトラブルが発生したため停止している。
争点は、耐震設計で想定する最大の揺れの強さである基準地震動を700ガル(ガルは加速度の単位)とした関電の想定や、原子力規制委員会が定めた原発の新規制基準の妥当性。
住民側は関電の想定が「安全を担保するには不十分」とした上で、事故が起きれば、滋賀県の住民も被曝(ひばく)、琵琶湖が汚染され近畿地方の飲み水に影響が出ると主張。新規制基準も安全レベルは低く、実効性のある避難計画も策定されていないと訴えている。
関電側は「安全性は確保されている」などと反論していた。
住民らは仮処分申請とともに運転停止を求める訴訟を起こしており、大津地裁で係争中。
山本裁判長は高浜原発3、4号機について、再稼働前の14年11月の仮処分決定でも裁判長を務めており、この際は「再稼働が差し迫っていない」との理由から申し立てを却下していた。
2基を巡っては福井地裁でも争われ、昨年4月に再稼働を認めない仮処分決定を出したが、同12月に別の裁判長が取り消し、住民側が名古屋高裁金沢支部に抗告している。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
人気ブログランキング



